4月18日(土),スーパーテクノロジスト(ST)セミナーの関連企画である「伊藤春海研究室」が10時からオープンした。これは,今回のJSRTの目玉企画である「放射線技師のための画像診断学入門」STセミナーの一環として,会場内に伊藤先生の研究室を再現したもの。標本(像)を五感で理解する,ことをテーマに肺標本の肉眼像,顕微鏡像などを展示紹介している。伊藤先生は京都大学時代,30年近くに及び約2000例にのぼる肺標本の解析を行って,呼吸器疾患の解剖学的・病理学的知見と放射線医学的知見を統合させ,呼吸器疾患の画像診断の礎を築いた。1970年代半ばころから始まったこの研究は,当初10年間は,雨漏りやネズミ,ゴキブリが這い回る劣悪な環境下で続けられたという。今回の展示の中心は,X線写真での認識が難しい「肺実質」で,この研究をもとに,呼吸器臨床に革命を起こしたと言われる肺HRCTが開発され,1984年にはRSNAでCum Raudeを受賞した。413号室に再現された研究室では,肺HRCTの開発と発展の様子が,豊富な標本写真や実際の研究器具とともに展示されている。
早朝8時30分から行われたSTセミナー2の伊藤先生の講義と合わせて,多くの会員に感銘を与え,自身の仕事に対する自覚と使命感を喚起させたと思われる。
伊藤春海先生プロフィール |
伊藤剛先生プロフィール |
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研究室立ち上げの中心になったのは、田中雅人氏(光産業創成大学院大学)。STセミナーの司会も務めた。
写真は、田中氏と一緒に深夜まで設置作業に励んだ三田市民病院放射線科技師の越智寿子さん(右)と学会スタッフ。 |
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