JRC2009の合同開会式が4月17日(金)の午前8時30分から,国立大ホールにて行われた。今年のメインテーマは,「輝く放射線医療 今そして未来─人と技術のハーモニー」。進歩を続ける技術に人はどう調和し,輝く放射線医療の未来のために今何が必要なのかについて具体案を提示してもらいたいという意味が込められている。
東北大学の小川芳弘氏の司会で始まった開会式ではまず,第68回日本医学放射線学会総会(JRS)・山田章吾会長から開会の挨拶が行われた。今日まで素晴らしい発展をとげた放射線医療だが,いまやマンパワーの不足が大きな問題となっている。教育・研究に割く時間が少なくなり,放射線医学の崩壊が危惧されるに至った。今回の大会を機に,この問題を掘り下げて,未来に向けて真剣な討議を行ってほしいと述べた。また,多忙な放射線科医や診療放射線技師のために教育講演を重視し,早朝からのプログラムをびっしり組んだことも特徴という。
続いて,第65回日本放射線技術学会総会(JSRT)・小水 満大会長が挨拶に立ち,メインテーマをしっかり念頭に置いた企画をたてたと述べた。特に,スーパーテクノロジスト(ST)としての教育を考えた講演を企画し,標本や画像に接して技を極めることをテーマに,講演をはじめ会場内に本物の研究室(伊藤春海研究室)を持ち込んだ展示を行う。800題近い演題が発表されるので,会員には何かを学んで帰ってもらいたいと述べた。
第97回日本医学物理学会(JSMP)学術大会の齋藤 秀敏大会長からは,2010年に創立50年,100回大会という節目を迎えるJSMPは,第三世代の若い会員たちが活動を始め,次代に向けて動き出していると述べた。また,文部科学省のがんプロフェッショナル養成プランが実施され,医学物理コースがスタートしたことで医学物理の役割が明確に定義され,醸成される段階にきたと述べ,JSMPの新たな発展の可能性を示した。今回でJRCに加盟してから5回目の大会を迎え,演題数,参加者数は5割増加したという。
最後にJRC代表理事の遠藤啓吾氏とJIRA会長の猪俣博氏を紹介して合同開会式を終了した。 |