1909年に国産初の医療用X線装置を作った(株)島津製作所。100年の歴史を記念して,ITEMでは,1918年に登場したニューオーロラ号が展示された。そして,同社のX線装置の歩みの中で,直接変換方式FPD・Safire搭載シリーズとともに最も新しい装置として展示されたのが,人気アニメ「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」をデザインした回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution」である。MobileDaRt Evolutionは半切サイズのFPD搭載タイプがすでに2008年に発売されているが,新たにピカチュウらの応援を得るとともに小児撮影に適したコンパクトFPDを搭載したタイプもラインナップし,国内市場が掘り起こされていないFPDを搭載した回診用X線装置の拡販に力を入れていく。この装置はX線の最大出力を32kWとして,小児の撮影でも被写体の動きによるブレを起こしにくい高速撮影が可能。撮影画像は3秒で本体モニタに表示される。
また,X線テレビシステムでは,17インチの直接変換方式FPDを搭載した「SONIALVISION safire 17」を展示した。同社は,国内外の医療機関とトモシンセシスに取り組んでいるが,今回のITEMでも熱心に紹介しており,JRC 2009の産学連携セミナーでも胸部がん診断でのトモシンセシスをテーマにしていた。
血管撮影システムの「BRANSIST safire」では,新たにインターベンション支援ツールとして,3Dロードマップ機能であるSafire 3D-Mを紹介。脳血管の3D画像をマップ画像として透視画像と重ね合わせ,立体的に血管を観察しながらワイヤ操作やコイリングができる。3D画像は,血管の濃度変更が可能なほか,Cアームの角度変更や視野切替,SID変更にも追従する。このほか,撮影前のポジショニングや撮影後の画像確認まで含めた一連の作業の操作性を追求し,高スループットで検査を行える一般撮影装置「RADspeed safire」なども出品した。
safire搭載シリーズを中心とした展示を行った島津製作所 |
ニューオーロラ号 |
ポケモンを施したMobileDaRt Evolution |
SONIALVISION safire 17 |
BRANSIST safire |
RADspeed safireの操作パネル |
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