今回で4回目となるJRCの「CTコロノグラフィ トレーニングコース」─画像ワークステーションを用いたハンズオンによる診断法の実際─が,8日(木)の13時から18時30分まで,パシフィコ横浜アネックスホールF201+202で開催された。
多列CTを用いる侵襲の少ないCTコロノグラフィは,大腸がんの急増を背景に,注腸]線検査や内視鏡検査を補完しうる(あるいは置き換わりうる)新しい検査法として注目されている。最近では,実際の診療や検診でCTCを実施する施設,または検討する施設が増え始め,関連企業の技術開発への参入や国内での多施設共同臨床試験の開始など,CTコロノグラフィ普及の兆しが高まりつつある。2010年は大腸がん診断における飛躍の年になるかもしれない。2007年から行われているこのトレーニングコースが,CTコロノグラフィの認知と普及に大きな役割を果たしていることは間違いない。
今回も事前登録制で,画像ワークステーションを使うハンズオンには80名が参加し,そのほか15名がレクチャーを聴講した。今回,使用する画像ワークステーションは,Ziosoft社のziostation2,インフィニットテクノロジー社のXelis Colon,AZE社のAZE VirtualPlace,GEヘルスケア・ジャパン社のAWVS4(COLON VCAR EC)の4社で,それぞれ10台,計40台である。司会進行は例年通り,今井 裕氏(東海大学)と飯沼 元氏(国立がん研究センター中央病院)が務めた。
まず最初に,森山紀之氏(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター)から,CTCを日本全国に広めていきたいという開会の挨拶があった。続いて,司会進行の今井裕氏が,CTCトレーニングコースの概要を説明し,表面型病変が見えるかどうかを実際に確認してもらいたいと述べた。次に,CTCの国内外の現状について,飯沼元氏が講演した。欧米での普及状況や米国における多施設臨床試験の結果などを解説したが,日本ではいまだインフラの整備が不十分で普及というまでには至っていないと述べた。今後,関連企業とともにインフラ整備を進め,また,診療報酬収載をめざしてマルチセンタースタディを行う構想を発表。平成24年度の改定に向けて学会や企業などと協力して活動していくという。さらに,放射線科医と消化器科医が協力してCTCを実施していくことが必要だとし,学会や研究会を通じた読影トレーニングなど教育活動にも力を入れていきたいと述べた。
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