2022-5-6
シーメンスヘルスケアブース
シーメンスヘルスケアは,“We pioneer breakthroughs in healthcare. For everyone. Everywhere. (ヘルスケアを,その先へ。すべての人々へ。)”をメッセージ(Purpose)に掲げた。シーメンスはこのPurposeの下,強みである「Patient Twinning」「Precision Therapy」「Digital, Data and AI」を活用して,医療従事者が質の高いケアを提供し,患者にとって最善の結果をもたらすことができるようにサポートすることをめざしている。今回は,2021年4月に統合したバリアンとの共同出展を世界で始めて果たし,診断から治療,フォローアップまでをカバーするソリューションをPRした。
ITEM会場で最も注目されたと言っても過言ではないのが,世界初のフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha(ネオトム アルファ)」である。初日の15日(金)10時15分からはアンベールイベントが行われ,多くの来場者の視線が注がれる中,NAEOTOM Alphaが華々しく初披露された。装置最大の特徴であるフォトンカウンティング検出器も世界で初めて展示され,CT新時代の到来を実感させる展示となった。
また,MRIでは,0.55Tとデジタルの融合で高い価値を提供するHigh-V MRI「MAGNETOM Free.Max」を初展示し,1.5Tにも匹敵する高画質や検査時間短縮,80cmのオープンボアや経済性の高さなどをアピールした。デジタルヘルス&イメージングITのエリアでは,人工知能(AI)画像解析ソフトウエア「AI-Rad Companion」や医療クラウドプラットフォーム「teamplay digital health platform」を紹介し,医療従事者の働き方改革に貢献する医療用コミュニケーションツール「teamplay Image」の最新バージョンをPRした。治療領域においては,PCI支援ロボット「CorPath GRXシステム」や外科用X線撮影装置「Cios Spin」といったImage-Guided Therapyや,シーメンスとバリアンの放射線治療関連製品のポートフォリオで可能になる包括的ながん医療について紹介した。
●CT:CTを再定義する世界初のフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」をアンベール
●MRI:デジタルと0.55Tの融合で新たな価値を提供する「MAGNETOM Free.Max」
●デジタルヘルス&イメージングIT:医療従事者の働き方改革に貢献する“teamplay Image”
●Image-Guided Therapy:シミュレータを用いた体験展示でPCI支援ロボット「CorPath GRXシステム」をPR
●Comprehensive Cancer Care:バリアンとの統合で実現する包括的がん医療
●超音波:肝硬度と肝脂肪定量を同時に測定可能なShear Wave Elastographyの最新バージョンを展示
●核医学:Whole-body Dynamicの臨床的有用性をアピール
●CT:CTを再定義する世界初のフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」をアンベール
RSNA 2021で発表された世界初のフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」が,日本初披露となった。ECR 2022の現地開催が7月に延期されたため,世界で2番目の展示となる。フォトンカウンティングCTはRSNA 2021でも大きく注目され,関連セッションも多く行われた。従来CTの限界を超える次世代のCTとして各社がフォトンカウンティングCTの開発を進めているが,シーメンスがいち早く製品化を果たした。国内では2022年1月26日に医療機器製造販売認証を取得し,国内初号機が東海大学医学部付属病院で6月から稼働することが発表されている。
◇日本の半導体メーカーと15年をかけて研究開発したフォトンカウンティング検出器を搭載
シーメンスが “CTを再定義する”システムと位置づけるフォトンカウンティングCTは,従来CTと比べて高解像度化,大幅な被ばくの低減,全検査でのスペクトラルイメージングの実現などが大きな特長である。それを可能にするのが,新開発のフォトンカウンティング検出器“QuantaMax detector”である。従来CTに搭載された固体シンチレーション検出器では,シンチレータでX線エネルギーに比例した強度の可視光を発生させ,フォトダイオードで可視光を電流に変換するという2段階の間接変換が行われる。そのため,変換によってノイズが発生したり,個々のX線フォトンのエネルギー情報が失われたりといったデメリットが生じるほか,シンチレータを区切る隔壁で空間分解能が決められるといった限界があった。これに対してテルル化カドミウム(CdTe)半導体を用いたフォトンカウンティング検出器では,半導体でX線フォトンがエネルギーに比例した多数の電子正孔対を発生させ,電子をピクセル化された陽極へ引き寄せてエネルギーごとに個々にカウントする。この仕組みにより,X線は電流に直接変換されるためノイズが生じず,フォトンごとのエネルギー値を計測でき,かつ隔壁が不要なため空間分解能を向上させることが可能となっている。
フォトンカウンティング検出器は,2012年に子会社化した日本の(株)アクロラド(沖縄県うるま市)との共同開発により実用化に至った。アクロラド社は,検出素子の開発だけでなく素子の原料であるカドミウムとテルルの開発・製造から手掛ける唯一の半導体メーカーで,CdTeを用いたフォトンカウンティングCTの製品化をめざすシーメンスと2005年から共同研究を開始。原料高純度化技術と結晶成長技術の改良で,CTのX線環境で検出感度が低下する出力ドリフトの低減に成功し,シリコン半導体検出器よりも検出感度の高いCdTe検出器を実用化した。2014年から米国国立衛生研究所(NIH)などに第一世代のプロトタイプを導入,2019年からは改良した第二世代のプロトタイプをメイヨークリニックなどに導入し,全世界で6台のプロトタイプで研究を推進。100編を超える学術論文に支えられたエビデンスを得て,満を持しての上市となった。現在,すでに欧米で20以上のシステムがインストールされ,臨床での活用が始まっている。
◇面内分解能0.11mmの高空間分解能や最大45%の被ばく低減を実現
NAEOTOM Alphaは,体軸方向6cm幅のQuantaMax detector を搭載し,最大ピッチ3.2,66msの時間分解能(ハーフ再構成)を有するDual Source CTである。X線管には,最大1300mAの管電流出力が可能な“Vectron”を搭載し,被ばく低減技術“Tin filter technology”も採用されている。ガントリ開口径は82cmと大きく,耐荷重最大307kgの寝台は低い位置まで下げられるなど,ペイシェント・エクスペリエンスにも配慮されている。
フォトンカウンティングによる恩恵の一つである高解像度化においては,標準スキャンモードでスライス厚0.4mm,面内分解能0.24mm,高解像度スキャンモードでスライス厚0.2mm,面内分解能0.11mmを実現している。展示では,幅1.2mm程度のアブミ骨の骨折評価や蝸牛の先端までの描出,ステントの編み目形状の描出などの可能性について画像を供覧して紹介した。また,X線から電流への直接変換によりノイズが生じず,高い線量利用効率を有するため,従来CTと比べて線量を最大45%の低減できる。一般的な副鼻腔撮影は,自然放射線による被ばく1日分と同等の超低線量(0.0063mSv)で撮影可能なことなどが紹介された。
◇Dual Sourceによる高速撮影でも可能なスペクトラルイメージング
従来CTではX線を光に変換する時点でエネルギー情報が失われていたが,NAEOTOM AlphaではX線フォトンのエネルギーレベルを計測することで,すべての検査でレトロスペクティブにスペクトラルイメージングが可能になる。骨折の評価では,カルシウムを抑制することで浮腫や出血を検出でき,新鮮骨折か否かを評価することができる。また,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のフォローアップにNAEOTOM Alphaを用いた例を提示し,低線量・高分解能画像による肺炎評価だけでなく,スペクトラルイメージングによる血流評価もでき,1回の撮影でより多くの情報を得て評価できることを紹介した。
NAEOTOM Alphaによるスペクトラルイメージングは,dual energy CTによるスペクトラルイメージングと比べて高画質化が可能なことに加え,Dual Sourceを用いた66ms(ハーフ再構成)の高時間分解能を実現している点も臨床上大きな意味を持つ。秒間72cmの広範囲CTAや息止め不可患者,高心拍,小児などのスペクトラルイメージングを実現し,診療における意思決定を支援する。展示では,スペクトラルイメージングと高時間分解能を生かした活用法として,冠動脈の石灰化部分を表現しない画像を再構成するPURE Lumen(純粋な内腔)を紹介し,重度石灰化症例でも冠動脈CTAが可能なことをアピールした。
◇AI技術を活用したワークフロー向上でオペレータを支援
先進技術を臨床で活用するためには使いやすさが重要だが,NAEOTOM Alphaにはシーメンスがこれまでに開発してきたユーザー・エクスペリエンスを高める数々の機能が実装される。“myExam Companion”は,AI技術を用いて開発された検査ガイド機能で,オペレータが患者や検査に関する質問に答えると自動的に最適な撮影プロトコルが提案され,オペレータの経験によらずに適切な検査と一貫性のある結果の提供を可能にする。また,天井に設置する「FAST 3D Camera」は,赤外線カメラで患者を立体的にスキャンしてAIアルゴリズムで解析することで,撮影部位が中心となるように自動でポジショニングを行う。“GO technologies”は,ガントリ前面に備え付けられたタブレットやコンソールからアクセスでき,検査の一連の流れをサポートする技術。患者のセットアップから撮影,画像再構成,後処理・配信までのプロセスを標準化・簡素化することで,ワークフロー向上に貢献する。
●MRI:デジタルと0.55Tの融合で新たな価値を提供する「MAGNETOM Free.Max」
MRIは,2021年11月から国内での販売を開始した「MAGNETOM Free.Max」が初展示となった。デジタルと0.55Tの融合で新しい価値を提供するHigh-V MRIにラインアップされる装置で,経済性や設置性を高めてMRI導入のハードルを下げることで,より多くの人がMRIにアクセスできるようになることめざして開発された。
ディープラーニングとターゲットデノイズによりノイズ除去と高分解能化を実現するMR画像再構成“Deep Resolve”を実装し,0.55Tでありながら1.5Tに迫る高画質や短時間撮像を可能にする。高磁場MRIでは検査が難しい肺の撮像や,金属インプラントを設置した症例でも良好な画像を得ることができ,臨床応用の幅を広げることができるのも特長だ。Deep Resolveについては今回,高速化を可能にする新たな機能“Deep Resolve Boost”が追加された。Deep Resolve Boostでは8倍速程度まで高速化でき,超解像機能の“Deep Resolve Sharp”と併用することで,画質を落とすことなく高速撮像が可能になる。
ガントリの開口径は80cmと大きく,閉所恐怖症や体格の大きい患者,膝を屈曲した状態での検査など,さまざまな患者が楽に検査を受けることができる。経済性・設置性においては,独自の“DryCoolテクノロジー”によりわずか0.7Lの液体ヘリウムで運用でき,クエンチパイプが不要なことに加え,コンパクトなマグネット設計(総設置面積24㎡,総重量3.2トン未満)のため,建物上階や手術室内など従来はMRIの設置が難しかった場所にも導入することができる。脊椎コイルをガントリ内に埋め込み,実際に撮像する範囲にコイルサイズを絞るなどの工夫もあり,コスト削減を実現している。
また,導入ハードルを下げるためにオペレーションにも配慮し,検査ガイド機能“myExam Companion”や,ワンタッチで撮像目的部位へのポジショニングを可能にする“BioMatrix Select&GO”を実装するほか,リモートスキャン・サポートサービス「syngo Virtual Cockpit」も提供可能で,オペレータによらない一貫性のある結果の提供を可能にする。
●デジタルヘルス&イメージングIT:医療従事者の働き方改革に貢献する“teamplay Image”
デジタルヘルス&イメージングITでは,デジタルを活用し,検査・診断・治療に至るまでのワークフローを向上させるソリューションの数々を紹介した。すでに国内2100以上の医療施設で使用され,拡張を続ける医療クラウドプラットフォーム「teamplay digital health platform」では,医療用コミュニケーションツール“teamplay Image”の新バージョンを大きくアピールした。teamplay Imageは,閉域網回線を用い,画像の匿名化などのセキュリティ対策を施した上で,PCやスマートフォン,タブレットなどでチャットやビデオカンファレンス,DICOM画像の共有などを容易に行うことができる。医療現場でも働き方改革が進められているが,夜間・休日や病病連携など,さまざまなシーンで医療従事者同士のコミュニケーションを活性化させ,医療の質と生産性を高めることで医療の現場の労働環境改善に貢献することをめざしている。
AI画像解析ソフトウエア“AI-Rad Companion”は現在,“AI-Rad Companion Chest CT” “AI-Rad Companion Brain MR” “AI-Rad Companion Prostate MR for Biopsy” “AI-Rad Companion Organs RT”の4シリーズ,10機能が薬機法承認・認証を受け,臨床への導入が進んでいる。展示では,読影精度・読影効率の向上や定量評価の応用事例について,導入施設からフィードバックされた“リアルな臨床有用性”を紹介した。AI-Rad Companion Chest CTは,胸部CT画像から複数部位に対して同時にアプローチするMulti-organ approachとマルチベンダーが特長である。解析結果は画像だけでなく数値で示され,定量化や時系列化により読影医の生産性を改善させる。臨床応用例として肺結節検出や肺密度計測の事例を提示し,定量的評価ができることで臨床医や患者への客観的な説明に有用なことや,CT肺がんドックなどにおいてMulti-organ approachで多くの解析項目を提供できるといった利点があるとするユーザーの声を紹介した。また,AI-Rad Companion Brain MRは,自動的に各脳領域をセグメンテーションして体積計測を行い,標準データベースと比較した解析結果レポートを提供する。アルツハイマー病や多発性硬化症などのリスク評価などでの活用が期待できる。
●Image-Guided Therapy:シミュレータを用いた体験展示でPCI支援ロボット「CorPath GRXシステム」をPR
Image-Guided Therapy では,PCI支援ロボット「CorPath GRXシステム」や外科用X線撮影装置「Cios Spin」を出展し,来場者に操作性を体験してもらう展示を行った。2019年に買収したコリンダス社(米国)開発のCorPath GRXシステムは,ガイディングカテーテルやガイドワイヤ,デバイスをセットした専用カセッテなどからなるベッドサイドユニットをベッドレールに装着し,術者が操作室など離れた場所で操作卓(コックピット)に着座して透視画像を見ながらコントローラを操作することで,PCI手技を行うことができる。PCIで問題となっている術者の被ばくを約95%低減できるとともに,プロテクターなどの着用が不要なため身体的負担も軽減する。カテーテルやデバイスはメーカーを問わないため,使用しているものをそのまま使うことができる。また,コントローラはガイディングカテーテル,ガイドワイヤ,デバイスに分かれてジョイスティックが独立しており,前進(前に倒す)・後退(後ろに倒す)を1mm単位で操作でき,精度の高い治療を支援する。米国では約120施設に導入され,約1万5000例の実績がある。
FPD搭載のCアームシステムCios Spinは,開口径がクラス最大級の93.6cmあり,ベッドの配置や患者の体格で制限を受けにくく,使いやすさが特長となっている。Cアームのデザインはアイソセントリック機構を採用しているため,患者に対してCアームを適正な位置にポジショニングした後は,Cアームを正面や側面に動かしても常に患者を中心に回転することが可能で,位置調整をする必要がない。また,Cアームにも操作パネルを搭載し,術者側でも操作することができる。高解像度コーンビームCT “Retina 3D”では,Cアームを約200°回転させて100〜400の投影データを収集,再構成した3D画像をモニタ上に表示する。3D画像上では,スクリュー自動検出機能“Screw Scout”(オプション)により自動的にスクリューを認識・検出でき,3D撮影後すぐにスクリュー位置の評価が可能で術者は手技に集中することができる。脊椎領域で高い評価を得ており,今後はナビゲーションシステムやロボットアームとの連携でさらなる価値の向上をめざすほか,外傷領域や呼吸器領域への提案も強化し,臨床活用の幅を広げていくとしている。
●Comprehensive Cancer Care:バリアンとの統合で実現する包括的がん医療
世界で初めてバリアンとの共同出展となった今回,バリアンブースエリアに隣接してComprehensive Cancer Care(包括的がん医療)を紹介するエリアを設け,シーメンスの放射線治療用イメージング(CT,MRI,PET)とバリアンの放射線治療システムの複合的提案が可能になったことをアピールした。
シーメンスでは治療計画用CTとして,「SOMATOM go.Open Pro」「SOMATOM go.Sim」を提供している。一般的に治療計画の撮影では,線量分布計算の標準化のために同一の管電圧を用いる必要があったが,治療計画のために開発した画像再構成技術“DirectDensity”を用いることで,管電圧や造影にかかわらず一定の電子密度に変換した画像を提供できるため,患者ごとに最適な管電圧で撮影できることを紹介した。
また,放射線治療計画支援システム「syngo.via RT Image Suite」では,治療計画における臓器の輪郭描出(コンツーリング)を自動化する“Deep-learning based Auto Contouring”を利用でき,時間と手間の掛かる作業を大幅に削減できる。頭頸部,胸部,腹部,骨盤部などの87の臓器に対応している。CT撮影後にデータを受け取ると自動で処理が行われ,処理後のデータは放射線治療計画装置に自動転送され,スムーズなワークフローを実現する。今後は,治療計画システムと治療システムを統合する開発を進めていく予定で,放射線治療ワークフローのさらなる最適化が期待される。
●超音波:肝硬度と肝脂肪定量を同時に測定可能なShear Wave Elastographyの最新バージョンを展示
2022年度の診療報酬改定で超音波による肝脂肪定量が保険収載になったことを受け,超音波診断装置の展示では,肝臓の硬さを測定するShear Wave Elastographyと肝脂肪化測定(UDFF)を同時に実施できる新機能を紹介した。これまでShear Wave Elastographyの測定では,精度を高めるためにROIを置いて計測する操作を繰り返し行う必要があったが,今回紹介された最新バージョンでは最大15か所を一度に測定できるようになり,より迅速に安定的な測定が可能になった。UDFFは,MRIによる肝脂肪測定(MRI-PDFF)と良好な相関があることが確認されており,計測結果は数値(%:5%以下で正常)で表示される。なお,UDFFはハイエンドモデルの「ACUSON Sequoia」で使用することができる。
●核医学:Whole-body Dynamicの臨床的有用性をアピール
核医学エリアでは,シーメンスのPET/CT「Biograph Vision」「Biograph mCT」「Biograph Horizon」で使用可能な“FlowMotion”技術を用いたWhole-body Dynamicを紹介した。一般的な全身PET撮像で用いられるStep & Shotは検出器を止めての収集とベッド移動を繰り返す撮像法であるが,FlowMotionは寝台を速度可変で連続移動しながら撮像する方法で,任意の範囲・時間でデータを収集でき,効率的な撮像を可能にする。FlowMotionを用いて全身を複数回撮像するWhole-body Dynamicでは,「全身を3分で撮像×4回」や「5分で撮像×3回」など,任意の方法で撮像し,静止画像と動態画像を得ることができる。
Whole-body Dynamicを用いたFDG-PETの動態画像では,経時的に変化する生理的集積と病変への集積を鑑別することができる。また,全身を15〜20分かけて撮像する方法では,患者が痛みなどを訴えて検査を中断した場合,収集が終わっているベッド分しか画像を得られないが,短時間の全身撮像を繰り返すWhole-body Dynamicでは,途中までのデータを用いて全身の画像を作成することができる。追加撮像や再撮像が不要になることで患者の負担を軽減するとともに,検査のスループット向上にも貢献する。
●お問い合わせ先
社名:シーメンスヘルスケア株式会社
住所:品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎ウエストタワー
TEL:03-3493-7500
URL:https://www.siemens-healthineers.com/jp/