2007 国際医用画像総合展

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シーメンス旭メディテック この企業のHPへ ITEM特集トップへ

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シーメンス旭メディテック株式会社
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2006 

シーメンス旭メディテック

 
Integrated Radiology Workflow ひとりひとりの患者に最適な医療を。すべてを統合した真のソリューション。

2007年ITEMにおける同社のブースコンセプトは,「Integrated Radiology Workflow ひとりひとりの患者に最適な医療を。すべてを統合した真のソリューション」。その象徴として,同社ワークステーションの共通インターフェイス「syngo 」によって,いかに画像処理が効率化されるかが体験できる"ソリューションセンター"がブース中央に設けられた。性能を追究することはもちろん,業務が効率化されることで医師が患者さんと接する時間が増えることなどを強くアピールし,最終的にはすべてが患者さんのためになる医療の提供をめざすことが前面に打ち出された。
また,同社では,ユーザー自身が製品の使用経験に基づいてその有用性を実証し,ユーザーからのコメントをブランドメッセージとして掲げる「Proven Outcomes」という取り組みを行っているが,今回初めて,血管撮影装置「AXIOM Artis d BA Twin」に対する日本ユーザーのコメントが,Proven Outcomesとして紹介された。 同社は今後,in vitro の分野にも市場を拡大することが予定されている。ブース内に設けられた"ストラテジーセンター"では,近未来の開発の方向性が具体的に示された。

(4月14日取材)

●AX  innovationをカタチにしたデジタル撮影装置
Angiography & X-rayブースでは,それぞれに新製品が登場し,実機展示されたこともあって注目が集まった。
Angiography
約30cm×38cmの大視野FDを搭載したバイプレーンシステム,「AXIOM Artis d BA Twin」が新製品として紹介された。正面・側面ともに大視野FDを採用し,頭部だけでなく,循環器や体幹部,下肢などの全身検査に,より柔軟に対応可能となった。また,正面だけでなく,側面のアームにも"FD/コリメータ自動回転補正機構"を搭載し,テーブルを旋回させても,常に正しい向きで画像が参照できる。2つのFDの位置関係は自動的に保たれるようになっているため,複雑なアームの操作時にも相互干渉への気遣いが不要なほか,正面のアームを旋回させれば,側面のアームを退避させることなくバイプレーンの状態で全身185cmの撮影が可能だ。
FDの優位性を最大限に生かし,アンギオシステムでありながらCTのような軟部組織の立体断面像を描出することができる「DynaCT」は,昨年innovationとしてコンセプト展示された第2世代「DynaCT」が新製品として紹介された。フレーム数が従来の秒間30から60になり,より短時間での収集が可能になった。また,バックグラウンドの3D像に透視像を重ねていく3Dロードマップ「iPilot」では,3Dマップ像の再読み込みをすることなくボタン1つで,テーブルパンニングやアーム角度等に追従することが可能で,インターベンションのスループット向上が期待できる。  
Angiography

X-ray
日本での販売は同社初となる,多目的なFD搭載X線透視撮影装置「AXIOM Luminos d RF」が展示された。海外で販売されている装置をそのまま日本に投入したのではなく,日本のユーザーの声を反映させて日本市場向けに開発されているというのが大きな特長だ。開発コンセプトは"2 in 1"で,X線透視撮影機能と一般撮影機能の両方を併せ持ち,消化管造影のほか,関節腔造影,ミエログラフィ,ERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影),PTCD(経皮経肝胆管ドレナージ),血管造影,腹部一般撮影など多様な検査に対応する。また,広い視野範囲を一度で撮影可能な43×43cmの専用のFDも新たに開発された。安全面にも配慮されており,寝台の高さが最低48cmまで下がるほか,管球や寝台の位置を動かすことができるため,寝台のどちら側からでも患者さんへのアクセスが可能だ。

X-ray


●CT  臨床と製品開発に新しい風をもたらすDual Souce CT「SOMATOM Definition」
管球と検出器が2対搭載されたDual Souce CT「SOMATOM Definition」  「SOMATOM Emotion」
管球と検出器が2対搭載されたDual Souce CT「SOMATOM Definition」(写真左)と,グッドデザイン賞を受賞した新デザインの「SOMATOM Emotion」(写真右)が展示された。「SOMATOM Definition」は,CT開発の新しい方向性を示す装置として,2005年のRSNAで注目を集めた。心臓の撮影と救急に特化しており,2対の管球と検出器で同時に撮影とデータ収集が行えるため,時間分解能は83ミリ秒,心臓のスキャンデータ収集はわずか6秒程度で行うことができる。不整脈など,あらゆる鼓動の患者さんに対応できるほか,被曝線量も大幅に低減される。救急領域においては,体格の大きい患者さんのCTアンギオグラフィの際にも,2つの管球からX線を出すことで,線量や画質を落とすことなく通常のスピードで撮影することができ,スループットが向上する。また,管球ごとに異なった線量を出して撮影し,CT値の違いをサブトラクションする"デュアルエナジーイメージング"では,血管や骨といった診断に必要な部分だけ,または胆石などの性状の違いを画像化できるなど,形態評価だけでなく機能評価も可能だ。CTアンギオグラフィについても,通常は造影あり・造影なしの2回のスキャンが必要だが,「SOMATOM Definition」では造影ありの画像から造影なしの画像を作成することもでき,同じ位相でまったくズレのない画像が得られるほか,被曝線量も従来の約70%にてまで低減される。現状では,日本国内では医療法の関係で2つの管球から同時にX線を出すことはできないが,今回の展示では海外からの臨床画像を併せて紹介し,Dual Souce CTの臨床的有用性がアピールされた。

●MR Newアプリケーション"syngo TimCT"が登場
MAGNETOM Trio, A Tim System  MAGNETOM Symphony Advanced Power-class
シーメンスMRの大きな特徴として,全身を一度で撮像できる "Tim"コイルがある。発表以来,ユーザーから高い評価を得ており,市場にもかなり浸透してきた感があるが,今回のITEMでは,このTimをベースとした
"T(Trendsetting)-class"と"I(Innovation)-class"が新しいコンセプトとして発表された。装置全体の性能が向上しているほか,従来から発表されている「syngo BLADE」,「syngo SWI」,「syngo GRAPPA」,「syngo REVEAL」,「syngo SPACE」,「syngo BEAT」といった最先端のアプリケーションに加えて,T-classでは,今回新たに登場した「syngo TimCT」が搭載可能となった。「syngo TimCT」のCTとは,"Continuous Table move"の略で,CT装置と同じようにテーブルを動かしながら撮像する技術のことである。従来は,段階的にテーブルを送って撮像していたため,撮像視野の連続性(例:血管の連続性)が問題となることがあったが,全身を連続して1度に撮像できるため,広い視野の画像が高い連続性で得られる。また,テーブルを送る際の待ち時間も解消されるため,全身撮像の時間分解能の向上が期待される。T-classの対象となるのは,3T「MAGNETOM Trio, A Tim System」,1.5T「MAGNETOM Avant」,1.5T「MAGNETOM Espree」である。
また,従来のMAGNETOM Symphony シリーズに,新たに1.5T「MAGNETOM Symphony Advanced Power-class」が登場した。従来はTim搭載MRでしか使用できなかったさまざまなアプリケーションが搭載可能になったほか,Timアップグレードも可能になっている。ブースには,デザインがリニューアルされた「MAGNETOM Trio, A Tim System」(写真左)と「MAGNETOM Symphony Advanced Power-class」(写真右)のモックアップが展示された。


●MI  完全な統合をめざして開発されたSPECT・CT装置「Symbia」
MIブースでは,CTとSPECTを組み合わせた世界初のSPECT・CT装置「Symbia」が実機展示され,注目を集めた。高分解能な形態画像や解剖学的情報が得られるCTと,機能画像が得られるSPECTを融合させることで,解剖学的な集積位置の同定が正確に行えるようになり,診断能が向上する。「Symbia」には,SPECTとCTを単に組み合わせるだけでなく,完全な統合をめざした同社独自の技術が搭載されており,撮影やコンソールがSPECTからCT,CTからSPECTへと自動的に切り替わる。また,吸収補正や散乱補正,三次元のコリメータ開口補正技術を統合した新しい画像再構成技術"アドバンスドSPECT・CT画像再構成技術"によってSPECTの画質が向上するほか,それぞれの補正が自動的に行われるため,診療放射線技師の負担が軽減される。
PET・CTは,すでに国内外で多くの稼働実績がある「Biograph」が展示された。心臓の冠動脈のPET画像とCT画像の重ね合わせをルーチン検査で簡単に行うために新たに開発されたソフトウエアなど,循環器や腫瘍イメージングの新しいアプリケーションが紹介された。
SPECT・CT装置「Symbia」

SPECT・CT装置「Symbia」

●HS  IHEによるトータル・インテグレーションを実現
「syngo Suite J」,「syngo Imaging XS」,「XS-Report」
HSブースでは,RISとPACSのIHEによる情報連携が展示の大きなコンセプトとなった。主な展示システムは,「syngo Suite J」,「syngo Imaging XS」および「XS-Report」で,いずれも新製品。最もハイエンドな「syngo Suite J」は,RIS,PACS,レポート,院内配信が組み合わされた放射線科向けトータルシステムで,IHEガイドラインに則って,HL7やDICOMなどの標準規格で情報連携されている。所見情報やオーダ情報がPACSでも共有できるほか,患者情報が変更された場合にはPACSーRIS双方で整合性が確保される。また,RIS,院内配信Webシステム,読影システム,院内配信3Dシステムは,それぞれ同社の共通インターフェイス「syngo 」上で提供されており,院内におけるスムーズなデータ運用を実現している。
syngo Imaging XS」は,Web型レポーティングシステム「XS-Report」と組み合わせることで,小規模なデジタル化から本格的なオンデマンド型PACSまで柔軟に対応できることが特長だ。
どちらもIHEでRISと情報連携されているため,検査関連情報などの入力が不要になるほか,読影や所見作成も直感的に行うことができる。また,人間工学に基づいて開発された"Smart Select"機能では,使用頻度の高い機能を登録することが可能になり,マウスや視線を大きく動かすことなく使いたい機能を簡単に呼び出すことができるようになった。

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