2019-4-30
根本杏林堂ブース
根本杏林堂は,「最適な画像を得るための造影に向けて」をテーマに掲げ,同社製品のうち,CT,MRI,アンギオ用のデュアルタイプのインジェクタ3製品を中心に展示した。いずれも造影剤と生理食塩水の2つのシリンジをセットして使用でき,また,CTとMRIのインジェクタについては,同社の造影情報管理システム「CEエビデンスシステム」に対応している。さらに,近年注目されている造影検査法について,同社製品のさまざまな機能を使用した実際のプロトコールが提案され,インジェクタを使用することによる臨床効果を具体的に実感できる工夫がなされていた。
●ユーザーによる臨床画像を提示し,同社インジェクタを用いた実際の注入プロトコールを提案
根本杏林堂は今回,ブース中央にモニタを複数設置し,ユーザーから提供された臨床画像と併せて実際の注入プロトコールを提案することで,同社のインジェクタを用いることにより得られる臨床効果をアピールした。
特に近年,CTにおいては,腎機能低下症例や,低管電圧撮影,dual energyなど,低濃度造影剤での検査ニーズが増加しているほか,心臓検査においては,撮影タイミングの難しいtest bolus tracking(TBT)法においてインジェクタの臨床効果が高い。今回紹介された造影モードのうち,CT用のデュアルタイプインジェクタ「DUAL SHOT GX7」の“LDI(Low Dose Injection)”モードは,コンソールモニタ上の濃度ボタンをタッチして濃度(通常量の20%など)を設定するだけで,造影剤と生理食塩水の必要量が自動で投与されるため,造影剤の濃度設定をきわめて簡単に行うことができる。
●CT用インジェクタ「DUAL SHOT GX7」と“CEエビデンスシステム”では“指示薬連携”をアピール
DUAL SHOT GX7は,直感的かつ簡単に操作可能なデュアルタイプのインジェクタで,患者の体重などから最適なプロトコールを自動で設定するほか,小児モードでは注入量を0.1ccまで細かく設定でき,乳幼児の造影検査も行うことができる。コンソールのタッチパネルでの操作に加え,使用頻度の多いプロトコールを事前に設定しておくことで検査効率が向上し,複雑な造影法でも日常臨床でより簡便に施行可能となる。
今回の展示では,CT用インジェクタ対応のCEエビデンスシステムの機能として,“指示薬連携”が紹介された。CEエビデンスシステムでは,RISとの連携により患者情報を取得することで,腎機能値や副作用履歴に加えて指示薬が表示される。インジェクタに造影剤シリンジをセットした際にシリンジのICタグを読み取ることで,造影剤が異なっている場合にはコンソールモニタ上にアラートが表示される。指示薬の取り違えの防止や正しい薬剤の記録が可能となり,また,患者情報の取得前にシリンジをセットすると情報の取得が促されるため,情報の取り忘れ防止にも役立つ。
●アンギオ用インジェクタ「PRESS DUO elite」はスタビックスアームを採用し使い勝手が向上
PRESS DUO eliteは,小型・軽量でありながら注入装置のヘッド部にディスプレイを搭載し,造影剤や生理食塩水の残量を確認しやすくなっている。キー形状は直感的に操作可能で,シリンジのセットも容易であり,検査内容に応じた造影剤濃度による注入を安全かつ簡便に行うことができる。また,支柱にはスタビックスアーム(スイングアーム)を採用したことで,注入器を術者の手元に移動することが可能となった。これにより使い勝手が向上し,術者のストレスが軽減するほか,使用しないときはインジェクタが邪魔にならないよう縦向きにしておくこともできる。
●“オートプレッサー”により最適な造影剤投与を可能にするMRI用インジェクタ「Sonic Shot 7」
非磁性体構造の超音波モーターを採用したSonic Shot 7は,DUAL SHOT GX7と同様に,患者の体重から最適なプロトコールを自動で設定する機能を有している。シリンジをワンタッチで着脱できるほか,オートプレッサー(近接センサ)が搭載されており,シリンジ薬剤をセットした際に自動的にプランジャー後端を検出する。これにより,CT造影剤よりも容量の少ないMR造影剤を最適な量で自動注入することが可能となる。また,CEエビデンスシステムにも対応しており,MRI検査で重要な腎機能の情報を取得することができる。
●お問い合わせ先
社名:株式会社根本杏林堂
住所:東京都文京区本郷2-27-20
TEL:03-3818-3541
URL:www.nemoto-do.co.jp