昨年のITEMで参考出品された2筒式の血管造影剤自動注入器「PRESS DUO」が製品として登場した。PRESS DUOは,CT用ではスタンダードとなってきている2筒式のインジェクタを採用した製品で,国内では同社のみが販売している。一方に造影剤,もう一方に生理食塩水を入れておき,目的の濃度をコンソールで設定すれば,自動で最適な濃度の造影剤注入が可能である。また,造影剤の原液とあらかじめ希釈した造影剤をセットしておくことで, CTライクな画像を撮影する場合には希釈した造影剤を,血管造影の撮影には原液を注入するといった使用方法も,シリンジを付け替えることなく容易に行うことができる。
さらに,根本杏林堂は現在,早稲田大学先端生命科学センターの梅津研究室(Twins)と共同で,2本のシリンジの液を混合するための新たな方法を開発中であり,ブースでその技術を紹介していた。血管造影の場合,カテーテルから患部に直接造影剤が流れていくため,低速で注入する場合などでは,造影ムラが出てしまうという問題があるという。この問題を解消するため,2本のシリンジから流れてきた液を旋回させながら三次元混合するチューブの開発を進めており,1年以内の商品化をめざしている。 |