2016-4-27
根本杏林堂ブース
根本杏林堂は,製品テーマである清潔感を表現する白を基調としたデザインのブースを出展した。近年さらに意識が高まっている医療安全の向上に寄与する造影検査情報管理システム「CEエビデンスシステム」と,それに対応するCT用造影剤注入装置「DUAL SHOT GX7」を中心に,造影をサポートする装置,周辺機器,システムを展示した。(4月15日取材)
●わかりやすさを追究したユーザーインターフェイスが特長の造影剤注入装置
ブースでは,DUAL SHOT GX7を中心に,各モダリティに対応した造影剤注入装置を紹介。MRI用造影剤注入装置「SonicShot7」やデュアルタイプのアンギオ用造影剤自動注入装置「PRESS DUO」,シングルタイプのアンギオ用造影剤自動注入装置「PRESSPRO GEO-150」,前回の展示よりさらにコンパクトなデザインにアップデートされた超音波用造影剤注入装置「Sonazoid Shot」(薬機法未承認品)が展示された。
DUAL SHOT GX7はフラッグシップモデルとなるデュアルタイプのCT用造影剤注入装置。シンプルで操作性の高いタッチパネル式のユーザーインターフェイスを採用し,小児までカバーする豊富なプロトコールが特長である。シリンジセッティングも容易に行うことができ,CEエビデンスシステムや造影剤の血管外漏出を検知する「造影剤モレ検知サポートシステムLD」など,豊富なオプションにも対応している。
特に評価の高いユーザーインターフェイスは,ホーム画面に必要な機能と設定を集約することで,プロトコールへのアクセス性の向上と同時に高いカスタマイズ性を実現した。また,プロトコールの設定画面では,従来,全部位のプロトコール一覧から使用するプロトコールを選択しなければならなかったが,検査部位を選ぶことで適したプロトコールのみが一覧に表示されるようになった。これにより,必要なプロトコールが視覚的にわかりやすくなり,業務効率の向上が期待できる。このユーザーインターフェイスはSonicShot7とPRESSPRO GEO-150にも対応しており,今後発売される製品についてもこのユーザーインターフェイスで統一する予定となっている。
また,PRESSPRO GEO-150は,注入装置のヘッドにも注入情報が表示されるモニタを搭載していることが特長である。注入装置の状態や造影剤の注入速度と量をヘッドモニタで確認できるようにすることで安全な造影検査の実現を支援する。
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●安全な造影検査を実現する「CEエビデンスシステム」
高まる医療安全へのニーズに応えるシステムとして,院内ネットワークと造影剤注入装置を連携する造影検査情報管理システム「CEエビデンスシステム」を展示し,その有用性をアピールした。このシステムは,造影剤注入装置と院内ネットワークを専用のゲートウエイを介してつなぐことで,相互に診断情報をやりとりすることができるというもの。これにより,注入装置の画面に副作用や腎機能測定値などの造影検査に欠かせない重要な情報を表示することができ,検査の適否を簡単に判別できる。万が一副作用情報などがある場合はアラート表示が出るため見落としのミスもなくなり,患者の安全性向上に寄与する。また,造影剤の投与結果を自動的に院内ネットワークに保存することができるため,確実な診療情報の反映につながる。会計システムとも連携できるため,造影検査に関する請求漏れの心配もない。
今回,ブースではCEエビデンスシステムについて,これまで対応していたDUAL SHOT GX7を中心とするCT用造影剤注入装置に加え,MRI用造影剤注入装置SonicShot7でも今後販売される製品では対応していくことが発表された。今後は,さらに対応装置を増やしていく予定であるとのことであった。
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●造影検査環境をより効率的,快適にする周辺機器
ITEM2015に引き続き,CT用のエクステンションチューブ「SPIRAL FLOW」の展示も行われた。SPIRAL FLOWは,従来CT用のチューブとして使われていたT字型チューブを改良し,高効率の混合を可能にしたもの。チューブの円錐形ミキサー内で生理食塩水のらせん流を作ることで,より造影剤との混合効率が上がり,混合ムラがなくなっている。このようならせん流をつくるチューブは,もともとアンギオ造影剤注入装置用に開発されたが,逐次近似法や低管電圧撮影など,低被ばく・低造影剤量がアピールポイントの一つとなるCT装置が多く開発される中で,注入速度を下げずに造影剤量を減らすために追加する生理食塩水と確実に混ぜ合わせるため,CT用のエクステンションチューブとして販売が開始された。また,SPIRAL FLOWには,従来のT字型チューブと比較し後押し効果が高くなっているというエビデンスも出ていて,その効果も期待されている。
このほかに,より患者に近い位置に注入器を配置するための「カテスタンド」が参考展示された。カテスタンドは,ベッドサイドに備え付けてあるレールに可変・可動式のスタンドを取り付け,注入器だけ乗せて使用するもの。造影検査では,注入用のチューブは長くなればなるほど強い圧力をかける必要があるためチューブは短い方が好ましく,医師が検査を行う際にも注入器が近くにある方が作業しやすいことが多くあった。しかし,注入装置の本体が大きすぎてベッドサイドに回り込めなかったり,ベッドサイドに設置できてもスタンドの高さが調整できずチューブの長さが足りなくなるなどの問題が起きていた。カテスタンドにより,注入器を倒したりレールに沿って移動できるため,より患者に近いところに注入器が配置でき,これらの問題が解決される。
また,前回展示された研究開発用シミュレータ「デジタルファントム」もバージョンアップしたものが展示された。今回展示されたデジタルファントムは広島大学の檜垣 徹氏が考案し,TDCのシミュレーションが行えるほか,体内の造影剤の流通経路を視覚的に確認できるようになっていたり,造影検査に関する各パラメータを変更することも可能となった。
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●お問い合わせ先
株式会社根本杏林堂
住所:東京都文京区本郷2-27-20
TEL:03-3818-3541
URL:https://www.nemoto-do.co.jp/