2016-5-2
コーポレートカラーのオレンジを全面に
打ち出したケアストリームヘルスブース
ケアストリームヘルスは,ブースのテーマとして「New Generation, New Experience.」を掲げて,コーポレートカラーのオレンジを基調にしたデザインで展示した。同社は,2016年3月末でCR,DRの新規の販売を終了し,今後は市場において競争力を持つPACS,RIS,クラウドサービス,VNA(Vendor Neutral Archive)など,ヘルスケアITソリューションに事業領域を特化することを発表した。展示では,ヘルスケアITの新しいコンセプトである「CARESTREAM Clinical Collaboration Platform」,それと連携するクラウドサービス,循環器領域の機能が強化された「CARESTREAM Vue PACS」,画面デザイン一新して新バージョンとなった「CARESTREAM 診断RIS-J3.0」など,“New Generation”の核となるITソリューションをアピールした。(4月17日取材)
●部門や施設を超えたデータの統合管理や情報共有を可能にする「Clinical Collaboration Platform」を提案
〈Clinical Collaboration Platform(CCP)〉
ケアストリームヘルスが進めるヘルスケアITソリューションの新しいコンセプトとして紹介されたのが,「Clinical Collaboration Platform(CCP)」である。同社のVNAベースのCarestream Vue PACSを中心として,放射線画像だけでなく,あらゆる画像情報,診療情報を取り込み,診療科の医師や医療スタッフ,さらには患者自身が,保存された診療情報に簡単にアクセスして連携できる仕組みを提供するものだ。そのためのアプリケーションの1つが,画像情報の管理や参照だけでなく登録やオーダ発行まで可能な診療データ統合管理ツールの「Vue Explorer」である。Vue Explorerは,WebベースのユニバーサルビューワとしてPCだけでなくタブレットやスマートフォンからのアクセスも可能で,画像の参照だけなくNon-DICOM画像を患者情報と紐付けて登録する機能を提供する。病理・皮膚科画像やデジタルカメラで撮影した画像,PDFによる文書取り込みが可能で,これによって院内で発生するさまざまな診療情報を簡単に共有することができ,部門やスタッフ間のコラボレーションを促進できる。さらに,CCPのサーバに登録された画像情報のアクセス権を患者にメールで発行することで,インターネットで自分の画像を参照できる“My Vue”のサービスも提供する。
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〈統合参照システム〉
また,医療機関への統合的なITソリューション提案の1つとして,電子カルテシステムの開発・販売を行う(株)医療情報システム(IJS)が昨年に続きブース内に共同出展したが,そのIJSが提供する「統合参照システム」を展示した。
統合参照システムは,電子カルテシステムのサブシステムとして提供される,放射線画像や内視鏡,臨床検査などの部門システムの情報を患者の診療経過に沿ってタイムラインビュー表示するもの。統合参照システムでは,部門システムだけでなく電子カルテの情報も表示されるのが最大の特長で,医師記録や患者プロファイルなどもタイムラインビュー上に表示できる。タイムライン上のサムネイル画像からVue Motionで画像参照が可能で,CCPのコンセプトである統合的な情報管理,参照をサポートするシステムとして今後の展開が期待される。
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〈ケアストリームヘルス クラウドサービス〉
ケアストリームヘルスのクラウドサービスは,世界で400サイト,12億画像,20ペタバイト(PB)の利用実績を持つ。国内においては,2010年からPACSデータのバックアップ,外部からの画像参照,施設間の画像データ連携,遠隔検査予約,検査結果提供などのサービスをクラウドで提供している。サービスメニューとしては,高機能サービスの「Vue クラウドサービス」と,インターネットVPNによるバックアップを提供するシンプルな「DIASクラウドサービス」の2種類を用意し,ユーザーのニーズと予算に合わせた柔軟な提案を行っている。
●機能強化した「Vue PACS」,新バージョンの「CARESTREAM 診断RIS-J3.0」をアピール
参照から読影まで高機能な画像診断環境を構築するPACSソリューション「Vue PACS」では,読影用画像ビューワ「Vue PACS Power Viewer」,iPadなど端末を問わない画像参照を可能にするユニバーサルビューワ「Vue Motion」を紹介した。Vue PACS Power Viewerの特長である自動位置合わせ(Registration)が強化されたほか,“CT Perfusion”解析,“循環器解析機能”が新たに搭載された。循環器解析機能では,心エコー図の解析や心電図波形データの取り込み,解析などが可能になった。そのほか,メニューバーやウインドウのカラーにダークグレーが追加されるなど,ユーザーからの要望に応えてさまざまな機能の追加,改良が加えられていることを紹介した。
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ケアストリームヘルスでは,2000年に最初の放射線情報システム(RIS-J 1.0)を発売以来,日本の臨床現場のワークフローやニーズに対応した開発を行って機能の向上を図り,2005年にWebアプリケーションのRIS-J 2.0,2008年には治療RIS(クライアント・サーバ型)を投入してきた。その診断RISの最新バージョンとして,2015年に新たに発売されたのが「CARESTREAM 診断RIS-J3.0」である。診断RIS-J3.0は,Webアプリケーションとして運用が可能で,“医療安全への配慮”,“情報共有機能の充実”,“データ活用のためのツールの提供”,“柔軟な設計”などをポイントとして開発された。医療安全では,必要な情報を1画面で表示しプロファイルアイコンなど高い視認性とわかりやすい表示を実現した。また,医師からの撮影指示登録機能や検査に対する看護師や担当技師からの注意事項を伝達できる“申し送り機能”など,情報共有と医療安全の向上が図れる。そのほか,RISに登録されたデータの集計,統計を可能にするツールや,表示項目やフォントサイズの変更などユーザーのニーズに対応する柔軟な設計が特長となっている。
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●お問い合わせ先
ケアストリームヘルス株式会社
住所:〒135-0041東京都江東区冬木11-17イシマビル
TEL:03-5646-2500
URL:http://www.carestream.jp/item2016