ITEM2012 国際医用画像総合展―未来への先導 放射線診療の核心に迫り未来を展望する

ITEM in JRC 2012 国際医用画像総合展

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ITEM2012 AZE

医療の原点=解剖を重視した技術やソフトウエアで,日常の読影・診断を支援

AZEブース
AZEブース

これまでのブースイメージを一新して,“Human Dome”=人体を模したオープンなブースを展開したAZEが,今回テーマとしたのは"原点回帰"。日常の読影・診断をサポートする機能を搭載した画像診断ビューワ「PHOENIX」をメインにブースを構成した。代表取締役社長の畦元将吾氏は,「AZEはワークステーションメーカーだが,医療の原点である解剖についてより深く考えようと,今回のテーマを決めた。われわれがワークステーションや解析ソフトウエアを手掛けているのは,病気で苦しむ患者を支え,医師や診療放射線技師の先生方の支援をするため。医療の原点と,われわれの役割を再認識した上で,解剖を踏まえた技術の開発に取り組んだ結果が,『AZE VirualPlace PHOENIX』や新しいソフトウエアに結実している」と話す。また,今回のブースは,“ハイブリッドレジストレーション”と“コックピット”の2つをキーワードに掲げている。ハイブリッドレジストレーションは,独自の技術で剛体・非剛体の高精度な画像の重ね合わせを実現。また,飛行機の“コックピット”をイメージし,飛行機の操縦と同じように,読影においてもオートとマニュアルのバランスを考えたシステムをめざしたという。原点回帰のテーマは,ブース運営においても,ソフトウエア開発に携わった社員が常駐し,製品の説明やプレゼンテーションを行うなど,全社一丸となった熱の入った展示となった。(4月13日取材)

●ヘルスケアIT:読影・画像解析コックピット「AZE VirualPlace PHOENIX」がストレスフリーな読影環境を実現

近年,画像診断機器や撮影技術の進歩に伴い,画像検査で取得できるデータは増える傾向にあり,読影する放射線科の負担も増大している。読影については医師のみならず,チーム医療の観点から,今後は診療放射線技師も読影の補助にあたることにもなり,現場ではより読影をしやすいシステムが求められている。それを実現する新製品として展示されたのが,画像診断ビューワ「AZE VirualPlace PHOENIX(以下,PHOENIX)」である。単なるビューワを超える“読影・画像解析コックピット”として,正確かつ効率的に読影を行えるストレスフリーな環境を提供する。
読影においては,過去画像との比較が重要となるが,これまでは医師が患者の検査リストから手間と時間をかけて選択する必要があったため,その簡略化,時間の短縮が求められていた。「PHOENIX」は,独自に開発したハイブリッドレジストレーション機能を搭載し,必要な情報を正確かつ迅速に得られるようにした。FC(Fast Compare)機能により,ボタン1つで,読影する画像に近いデータを呼び出し,自動で同じ断面を表示することが,短時間で可能となった。過去画像のボリュームデータを作成した上でスライス断面を選択するため,スキャン時の体位が異なる場合でも可能で,剛体・非剛体をマッチングさせて,同じ断面の表示や重ね合わせが可能となる。さらに,別々のモダリティメーカーの画像やCTとMRIなど異なるモダリティの画像も,FOVの調整をした上で重ね合わせて表示する。また,信号値を差分して,プラス(赤)変化やマイナス(青)変化を,カラースケールの振り幅で確認することができ,時間の経過による形態の変化を色の変化として視覚的にとらえることもできる。ITEM初日の取材時点で,すでに複数の施設からデモ依頼があったとのことで,現場からの期待の高さがうかがえる。
基本的にビューワである「PHOENIX」は,「AZE VirualPlace 雷神TWIN」のパワーアップ版との融合システムとして運用するため,3D画像作成や画像解析を行う場合には,ワンクリックでVirtualPlaceを呼び出して処理することができる。融合システムとしてのハードディスクは,標準20TB(10TBミラーリング対応)で,高速処理に重点を置いている。また,「AZE VirualPlace PHOENIX(Pバージョン)」は,「AZE VirualPlace 雷神/風神」以上のワークステーションでオプション設定が可能となる。「PHOENIX」と「VirualPlace 雷神/風神」を同化させ,まるで1つのシステムであるかのようなシームレスな連携を実現することで,既存のユーザーもよりストレスフリーな読影環境を構築できる。

中央に据えられた「AZE VirtualPlace PHOENIX」コーナー
中央に据えられた「AZE VirtualPlace PHOENIX」コーナー
重ね合わせの差分カラー表示(右)
重ね合わせの差分カラー表示(右)
フィルム読影のような分割表示も可能
フィルム読影のような分割表示も可能
「PHOENIX」と「BIG PAD」(シャープ社製)を組み合わせた提案
「PHOENIX」と「BIG PAD」(シャープ社製)を組み合わせた提案

●ソフトウエア:診療報酬加算の対象となるソフトウエアを一新

ソフトウエアは,診療報酬加算の対象となる心臓解析,肝臓解析,大腸解析のソフトウエアを中心に紹介した。なお,「PHOENIX」には,これらのソフトウエアが標準搭載となっている。
冠動脈解析ソフトウエアの“新・CT細血管解析”は,CT画像から冠動脈をフルオートで解析することが可能。精度を上げ,ステント解析を追加するなど機能の充実を図っている。自動で冠動脈を追跡して,CPR,VR,アンギオグラフィックMIPの表示,プラークの色分け表示,仮想内視鏡モードを自動で表示し,心臓カテーテル検査などにおける有用な情報を取得できる。そのほか,自動ラベリングや,血管に自動で名前を付ける機能も搭載している。
“新・肝臓解析”も精度を向上させ,追加機能を豊富に搭載した。肝臓や脈管系の自動抽出機能に加え,門脈支配領域や静脈灌流領域の体積測定が可能で,肝切除の術前計画を立てる上で有用である。また,機能解析として,RIやMRIの画像とCT画像を重ねて自動位置合わせを行い,肝臓区域ごとの肝機能の情報を表示できるようになった。
“大腸解析”は,経口造影剤によるタギング処置に対応したクレンジング機能を搭載。仰臥位と腹臥位で撮影されたデータを,同時仮想内視鏡ビュー,MPR,大腸展開像を同期させて表示でき,読影に適したレイアウトで閲覧できる。また,“腸管径展開”により,腸径の違いを忠実に表示する。なお,大腸解析については,近日中に国立がん研究センターとの共同研究を始める予定とのこと。

新・CT細血管解析
“新・CT細血管解析”
新・肝臓解析
“新・肝臓解析”
大腸解析:中央上が腸管径展開
“大腸解析”:中央上が腸管径展開
 

●ワークステーション:スタンドアロンの3Dワークステーションをリニューアル

従来からのスタンドアロン型3Dワークステーション「AZE VirtualPlace Lexus」モデルのリニューアル版として,「AZE VirtualPlace 新(あらた)」を発表した。雷神・風神といった和風のネーミングを引き継いだ「新」のコンセプトは,「3Dワークステーションに新たな風を。全てを新に」。ネットワーク型と比べ,安価での提供が可能となっている。今回新しくなった“新・CT細血管解析” “新・肝臓解析” “大腸解析”も搭載できる。

スタンドアロン型ワークステーション「AZE VirtualPlace 新(あらた)」
スタンドアロン型ワークステーション「AZE VirtualPlace 新(あらた)」

●AZE展2012入賞作品を展示

ブース内には,今年の2月25日(土)にトラストシティカンファレンス・丸の内(東京都千代田区)にて行われた「AZE展2012」の入賞作品を紹介する「AZE展2012ギャラリー」も設けられた。

AZE展2012ギャラリー
AZE展2012ギャラリー

●新製品紹介および情報交換会を開催

(株)AZEは,4月14日(土)19時よりローズホテル横浜において,新製品紹介および情報交換会を開催した。4月14日は同社の創立記念日であり,今年で14年目を迎える。会場には多くの参加者が詰めかけ,活発な情報交換が行われた。

畦元将吾・代表取締役社長の挨拶
畦元将吾・代表取締役社長の挨拶
来賓の挨拶:平松慶博氏(元東邦大学教授)
来賓の挨拶:平松慶博氏
(元東邦大学教授)
乾杯の音頭を取る甲田英一氏(東邦大学医療センター大橋病院放射線科教授)
乾杯の音頭を取る甲田英一氏
(東邦大学医療センター大橋病院放射線科教授)

会場風景
会場風景

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