ITEM2017 ケアストリームヘルス ブースレポート
放射線部門を中心に医療機関の連携を可能にするITソリューションをPR
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2017-5-2
ケアストリームヘルスブース
ケアストリームヘルスは,“The power of together”をブースのコンセプトとして,ヘルスケアIT製品を中心に展示した。ケアストリームヘルスは,“コダック”から社名を変更して2017年で10周年を迎える。2016年からは日本での事業領域をPACS,RISなどの放射線部門ソリューションやクラウドやVNAなどのヘルスケアITソリューションに特化している。ブースでは,正面のプレゼンテーションコーナーで,10年を迎えたケアストリームヘルスの事業の強みや事業の概要をアピールしたほか,ヘルスケアITの製品群についてポイントをしぼった紹介を行った。RSNA2016では,Worklist Orchestrator(W.I.P.)など今後投入予定の先進機能を一足早く紹介したが,ITEM2017の展示では,同社が今現在,製品として提供可能なシステムやサービスを中心に,放射線部門だけでなく病院の他部門や地域を含めて高度な連携を可能にする豊富なラインアップを紹介した。
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●PACS,RIS,クラウドなど特徴あるヘルスケアIT製品をアピール
PACS関連では,「Vue」シリーズの「Vue Archive」「Vue PACS Client」「Vue Reporting」「Vue Motion」を紹介した。PACS/VNAサーバのVue Archiveは,さまざまな標準インターフェイスを備えDICOMサーバとして培ってきた技術をベースに,WebベースのNon DICOMデータの取り込みも可能なVNAサーバとしても運用が可能となっている。また,Vue PACS Clientは,従来,Power Viewerと呼ばれていた読影用画像ビューワであり,CTやMRIの画像位置を同期して比較検査を容易にする自動位置合わせ機能や,CTパフュージョンやXAサブトラクションなどの豊富なアプリケーションを搭載する。さらに,PACSビューワ間でチャットや画面共有が可能な機能を搭載し,読影医同士のコラボレーションを容易にする。Vue Reportingは,Vue PACS Clientとの連携を特徴として開発されたシステムで,キー画像やPACS側での解析結果(レポート)の取り込み,レポートのテキストからのROIや病変へのハイパーリンクなどを可能にする。Vue Motionは,院内の電子カルテ端末で利用可能なWebクライアントで,PACSで作成されたレポートやハイパーリンクの表示などリッチクライアントと同等の機能を実現しているのが特徴だ。
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●医療安全や情報共有の機能を強化した日本仕様の「RIS-J」
ケアストリームヘルスでは,放射線報システム(診断RIS,治療RIS)を提供しているが,診断RISの「RIS-J」は日本の診療現場のワークフローに対応した日本向けの開発を行っている。今回のITEM2017では,放射線検査における医療事故やミスを防ぐ機能や情報共有のためのツールが強化されたことをPRした。医療安全の機能では,画面設計自体を見直し,一画面で多くの情報が見られるようにレイアウトを改善し視認性を向上した。また,検査開始時にはバーコードなどで患者IDを認証しないと進めないようにするなど工夫されている。さらに,検査終了後の同日他検査や薬剤のオーダ漏れのアラートなど業務フローに合わせた注意喚起が行えるようになっている。情報共有では,医師からの指示内容やコメントを申し送り欄で常に確認できるようにしたほか,前回検査のプロトコールを確認しやすくするなど改善を重ねている。
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●複数施設のPACSを連携して画像を統合管理する「Vue Connect」
ケアストリームヘルスの「Vue Connect」は,複数施設のPACSを連携して画像を統合管理することで,施設をまたいだ画像参照と読影環境の構築を可能にするシステムである。Vue Connectを利用することで,複数施設の患者IDの統合管理や統合検査リストの作成,施設間のデータの自動同期,プリフェッチによる自動画像取得,他社PACSとの連携などが可能になる。さらに,ケアストリームヘルスの「Vue Cloud Service」では,このVue Connectのほか,PACSデータのバックアップなど豊富なサービスを提供できることをアピールした。
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●メールアドレスで患者自身が画像データを管理する「MyVue Patient Portal」
「MyVue Patient Portal」は,患者自身が自分の検査画像情報などを,メールアドレスを登録することで参照や共有が可能になるサービス。メールアドレスによるユーザー管理を行い,病院側は検査画像へのアクセス権限をメールで患者に送信,患者はメールに記載されたURLで自分の検査画像やレポートにアクセスして,ブラウザで参照できる(紙に印刷したQRコードでも可)。さらに,主治医以外のセカンドオピニオンを求めたい医師に対して,該当画像へのアクセス権限を患者自身が発行することができる。
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●患者自身が自分の画像データを取得する医用画像情報発行システムのKiosk端末
現在,診療情報や画像データは紙やCDでやりとりされることが多いが,ケアストリームヘルスの「My Vue Center Self-Service Kiosk(キオスク端末)」は,医療機関の外来などに設置して患者自身が自分の検査画像データを自分で操作して取得するための端末だ。キオスク端末は病院のPACSに接続し,患者は診察券を読み込ませることで表示された検査内容をタッチパネルで選択,保存媒体を選択(USBメモリ,あるいはフィルムにプリントも可能)して書き込み,クレジットカード決済,明細発行までを行える。日本では,自らコストをかけて診療データを取得するインセンティブは低いが,中国などではすでに1000台以上が稼働しているという。
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●Vincent Chan 氏(Asia Pacific Regional General Manager)に聞く
「ケアストリームヘルスのITソリューションは,“Clinical Collaboration Platform”として,放射線部門だけでなく院内の他部門や関連病院,さらには地域や患者自身を含めて情報を共有し連携できるツールを提供しています。われわれの事業戦略の核となるのは,この連携のためのツールをよりローコストで質の高いサービスを提供することです」
「ケアストリームヘルスは,ワールドワイドではNHSスコットランドの国家プロジェクトや人口の50%以上の情報を管理するシンガポールヘルスのシステムなど多くの実績があり,医療系市場調査機関のKLASの調査でもアジアパシフィック地域のPACSベンダーとして最も高い評価を得ています。日本においても,関西医科大学や獨協医科大学などへの導入実績を重ねており,ユーザーからはケアストリームヘルスのソリューションは複数の医療機関をつなぐ大規模病院での運用に適しているとの評価をいただいています。日本においても大学病院など大規模病院をターゲットにした事業展開に力を入れていきたいと考えています」
「日本は成熟したマーケットですが,われわれのPACSをはじめとするソリューションは,一足早くアーキテクチャを更新しており,VNAへの対応やゼロフットプリントビューワによるタブレット端末での画像参照などを可能にしており,これによって第一世代,第二世代のPACSからのリプレイスに高いレベルで対応できる製品群をそろえています。また,グループ病院間のタスクを統合管理できる「Worklist Orchestrator(W.I.P.)」など,さらに一歩進んだ“Collaboration”を可能にするソリューションも準備しています。これからも医師や病院スタッフがより良いパフォーマンスを発揮できるシステムを提供することで,結果的に患者さんにとって最善の診療環境を提供することをミッションとして取り組んでいきます」
●お問い合わせ先
ケアストリームヘルス株式会社
住所:〒135-0041 東京都江東区冬木11-17イシマビル
TEL:03-5646-2500
URL:http://www.carestream.jp