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ITEM2022 ザイオソフト/アミン ブースレポート 独自のインテリジェンスを集大成した次世代医用画像処理ワークステーション「REVORAS」を初披露

2022-5-6

ザイオソフト/アミンブース

ザイオソフト/アミンブース

日本の3D医用画像処理技術を牽引してきたザイオソフトは,次世代医用画像処理ワークステーション「REVORAS」を開発した。REVORASは,同社がこれまで培ってきたインテリジェンスの集大成とも言える製品で,主力製品の「Ziostation2」とは異なる新しいコンセプトでデザインされたもの。独自の技術性能“Revorability”により画像処理の質を飛躍的に高め,一新されたユーザーインターフェイスは直感的な操作を可能にし,簡便かつ容易な画像作成を実現する。2022年夏の発売を予定し,ITEM期間中の4月15日(金)に行われたアンベールイベントで,同社代表取締役社長の茅野秀介氏により初披露された。

●“Imaging Intelligence”を実現した次世代ワークステーション「REVORAS」

ブース内のイベントスペースに登場した茅野氏は,1998年の創業以降の同社の歩みを振り返り,国産初の3D医用画像処理ワークステーション「M900」(1999年発売)の開発から,マルチモダリティフュージョンや心臓解析などの実用的なクリニカルアプリケーションの源流となった「M900QUADRA」(2002年発売),独自開発の“ZEEK Engine”により骨除去や血管抽出の自動処理を可能にしたほか,ネットワーク型ソリューションの提供により臨床現場での普及に貢献した「ZIOSTATION」(2005年発売)や最新版の「Ziostation2」(2010年発売)へと至る過程で,さまざまなアプリケーションをいち早く開発し,3D医用画像ワークステーションをより多機能に進化させてきたと述べた。さらに,今後の医用画像処理の発展には,新たな診断価値の提供と人的作業の大幅な削減が不可欠であり,同社独自の“インテリジェンス技術”などを基に,操作性(usability),機能性(functionality),利便性(accessibility)を提供する“Imaging Intelligence”として実現したのが「REVORAS」であると述べ,新たなワークステーションの提供などを通じて,今後の医療や社会の質の向上に貢献していきたいとした。

ザイオソフト社製ワークステーション開発の歩み

ザイオソフト社製ワークステーション開発の歩み

 

同社代表取締役社長 茅野秀介 氏

同社代表取締役社長 茅野秀介 氏

 

次世代ワークステーション「REVORAS」が発表された

次世代ワークステーション「REVORAS」が発表された

 

●REVORASの高機能・高性能を支える“Revorability”

REVORASは,「Smart Imaging “みる”をシンプル,スマートに」をコンセプトとして開発され,臨床画像に関わる,あらゆる“みる”(診る,観る,看る)をよりシンプルかつスマートにする。そして,その高機能・高性能を支える独自の技術性能がRevorabilityである。Revorabilityは,「REVORAS+capability」を意味し,モダリティから得られる膨大な情報を最大限に生かし,「認識」「解析」「描写」に関わる高度な技術とアルゴリズムを融合し,画像処理の質を飛躍的に高める「REVORASだけの力」である。
Revorabilityにはいくつかの機能があるが,そのうちの一つが新たな画像表示法“レンブラント”である。レンブラントは,“光と影の魔術師”と呼ばれた画家Rembrandt van Rijn(1606-1669)にちなんで名付けられたレンダリングエンジンで,従来のボリュームレンダリングとは異なり,光を垂直および水平方向から当てることで影をつけ,よりリアルな画像の作成を実現する。入射角の方向や光源の強さなども調整でき,デモ機のユーザーからは,特に血管の前後関係などをわかりやすく表現できるとの評価を得ているという。また,“トランスペアレンシー”はオパシティカーブを下げることなく透過画像を作成可能な技術で,術後の縫合線や細部の構造なども確認できる。

REVORASの開発コンセプト“Smart Imaging”

REVORASの開発コンセプト“Smart Imaging”

 

REVORASの高機能・高性能を支える“Revorability”

REVORASの高機能・高性能を支える“Revorability”

 

レンブラントを用いた画像処理の一例

レンブラントを用いた画像処理の一例

 

レンブラントにより,血管が立体的に表現されている

レンブラントにより,血管が立体的に表現されている

 

トランスペアレンシーを用いた透過画像

トランスペアレンシーを用いた透過画像

 

レンブラント(左)とトラスペアレンシー(右)による画像処理

レンブラント(左)とトラスペアレンシー(右)による画像処理

 

●直感的な操作を誘導するユーザーインターフェイスでスピーディな作業が可能

診療放射線技師のみならず,診療科の医師もワークステーションを扱う機会が増加していることなどを踏まえ,REVORASのユーザーインターフェイスは従来のZiostation2から大幅に変更・改良された。直感的な操作を誘導し,専門や経験に左右されることなくスピーディに目的の結果や画像に到達できる。さらに,作成できるボリューム数が8から32に大幅に増加し,より詳細な画像の作成を可能にする。

●Ziostation2の「CT心筋ECV解析」や「気管支ナビゲーション」なども搭載

REVORASには,Ziostation2搭載の「CT心筋ECV解析」や「肝臓解析」,「気管支ナビゲーション」などの各機能も搭載されている。CT心筋ECV解析は,心筋の線維化などを評価する細胞外液分画(ECV)を,CT遅延造影から非造影CTをサブトラクションして求められた画素値とヘマトクリット値を基に算出し,マッピングして表示するもので,心アミロイドーシスの診断や定量評価で注目されている。また,気管支ナビゲーションでは,胸部CTデータから気管支を自動抽出し,指定したターゲットまでの気管支ルートを自動抽出するほか,仮想内視鏡観察モードで術前気管支内視鏡シミュレーションが可能である。これらの機能は,新たなユーザーインターフェイスに対応したかたちでREVORAS上に搭載されており,REVORASではZiostation2で可能な機能はほぼ網羅しつつ,よりシンプルな画像作成や解析が行える。

Ziostation2のCT心筋ECV解析なども搭載されている

Ziostation2のCT心筋ECV解析なども搭載されている

 

ブース内では,多くの来場者が高機能・高性能を体験した

ブース内では,多くの来場者が高機能・高性能を体験した

 

ロゴの「V」は地軸の傾き(約23.4度)を表し,ブースも同様にデザインされた

ロゴの「V」は地軸の傾き(約23.4度)を表し,ブースも同様にデザインされた

 

●「REVORAS」に至るワークステーションの歩みを振り返るランチョンセミナーを開催

JRC最終日の2022年4月17日(日)には,学会共催ランチョンセミナー29「Opening the Future-未来を見据えたこれからのポストプロセシング」を開催した。宇都宮大輔氏(横浜市立大学)が座長を務め,平野 透氏(柏葉脳神経外科病院先端医療研究センター,前・札幌医科大学附属病院)が「3D画像処理の黎明期から未来−可視化から手術支援へ−」,小川泰良氏(聖マリアンナ医科大学病院)が「実臨床における3D画像処理 そして未来へ」と題して,それぞれ講演を行った。平野氏は,これまでに自身が脳神経領域の3D画像処理に用いたCTやワークステーションを紹介,性能向上により,多彩な3D画像作成が可能になったとした。また,医師とのコミュニケーションにより,3D画像は病変部の可視化に加えて手術支援の手段となり,新世代のワークステーションは手術支援へのさらなる貢献が期待できると述べた。続いて登壇した小川氏は,3D画像作成に関する課題として,各診療科からの3D作成依頼数の増加や,高度な知識と画像処理技術を持つ3D画像作成者の育成などを挙げ,これらを解決する手段の一つとして,高性能で使いやすいワークステーションの普及があるとした。その上で,今回発表されたREVORASの使用経験について,自施設例を供覧しつつ紹介した。(講演内容はセミナーレポートとして,インナービジョン誌2022年7月号およびインナビネットのザイオソフトスペシャルに掲載予定)

 

●お問い合わせ先
社名:ザイオソフト株式会社/アミン株式会社
TEL:03‐5427-1921
URL:https://www.zio.co.jp/


キヤノンメディカルシステムズ ITEM2022