ITEM in JRC 2010

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自動化機能をさらに強化したziostationの新バージョンが登場

  ザイオソフトは,3D医用画像処理ワークステーション「ziostation」の新バージョンとして,「ziostation2」を発表した。ユーザーインターフェイス(UI)などもすべて一新し,自動抽出機能を強化。クリニカルガイド機能や自動前処理機能が搭載され,画像診断業務の大幅な効率化が可能となる。ブースでは,さまざまなアプリケーションについて,ziostation2の優れた操作性が実機を使って紹介されたほか,VersaWebや,話題のiPadを用いたデモンストレーションなどが行われた。(4月10日取材)

  ザイオソフトブース
ザイオソフトブース

● ziostation2:自動抽出,クリニカルガイド,自動前処理による臨床への貢献をアピール

  機能やUIがすべて刷新され,より操作性が向上したziostation2が注目を集めた。高精度な自動抽出機能,クリニカルガイド機能,自動前処理機能の3つを大きな特長として掲げ,その使いやすさが実機で体感できる展示となった。

  自動抽出機能では,骨除去と血管延長(エクステンダー)の2つの機能が飛躍的に向上したほか,三次元画像間の位置合わせを高精度に行う同社独自の要素技術である“PhyZiodynamic”が応用され,特に肝臓解析においては門脈相,動脈相,静脈相のより高精度な抽出と位置合わせが可能となった。また,クリニカルガイド機能では,目的や検査に合った画像表示が最短距離で行えるよう,領域ごとに約30(将来的には100まで拡張予定)のプロトコールを用意し,「次へ」という表示に従って作業を進めていくだけで,検査目的に合った画像を作成・閲覧することができる。自動前処理機能も搭載されており,あらかじめ決まった処理を登録しておけば,撮影データがモダリティから届いた時点で骨除去や部位の抽出,マスク処理,レイアウトなどがすべて終わっていることから,ziostation2でデータを開いた時点で,必要な画像がすぐに表示される。これにより,従来行っていた3D解析作業が大幅に短縮でき,出来上がった画像の確認だけですむようになるのはもちろんのこと,救急などで放射線科医が不在の場合でも,すぐに必要な画像を表示して診断に役立てることができる。前処理の内容については,各施設のニーズに合わせてカスタマイズが可能なほか,ネットワーク型ワークステーション(WS)にも対応しており,どのクライアント端末からも同じ前処理結果を参照できるため,臨床的なメリットが大きい。

  ziostation2は,既存ユーザーであればバージョンアップで対応可能だという。(バージョンアップはモデルにより条件が異なるため,詳細は販売代理店へお問い合わせください)

 

クリニカルガイドに対応しているアプリケーション
クリニカルガイドに対応しているアプリケーション


● 各種アプリケーションの新機能を紹介

◆ CT肝臓解析

  CT肝臓解析では,三次元画像間の位置合わせを高精度に行うPhyZiodynamicが応用された。門脈相,動脈相,静脈相のより高精度な位置合わせが可能となり,ボリュームでの肝臓抽出が自動でより高精度に行えるようになった。これにより,ボリューム計測の精度が向上し,従来よりもさらに正確な診断や術前のシミュレーションが可能になるなど,より高いレベルでの診療サポートが行えるようになる。

 

CT肝臓解析
CT肝臓解析


◆ COPD解析:CT肺気腫ボリューム解析,CT気管支解析

  COPD診断を支援するアプリケーションとして,肺気腫と気管支の解析を行うCOPD解析アプリケーションが紹介された。

  CT肺気腫ボリューム解析では,肺野領域の画像を立ち上げるとすぐに,肺,気管支,肺気腫病変の抽出が自動で行われる。また,クリニカルガイド機能が採用されているため,ガイドに従って操作するだけで,目的の画像を表示することができる。肺の低吸収域(LAA%)が色で表示されるほか,健康な肺と肺気腫との体積比(LAV%)も自動で表示される。三次元的な解析はもとより,二次元の解析も可能で,任意断面における肺気腫の面積も同時に表示することができる。

  CT気管支解析も同様に,気管支の抽出が自動で行われる。計測を行いたい気管支を選択するだけで,目的の気管支までのパスが1クリックで作成されるほか,そのパスに対するストレートCPR像やCPR像が自動で表示される。その後は,クリニカルガイド機能に従って操作すれば,任意の場所の短径,長径,それぞれの平均径,壁厚,狭窄率などの計測も簡単に行うことができる。


CT肺気腫ボリューム解析
CT肺気腫ボリューム解析
CT気管支解析
CT気管支解析

◆ CT頸動脈狭窄解析

  CT頸動脈狭窄解析では,データを開くと骨除去が自動的に行われ,その後はクリニカルガイド機能に従って血管のパスを作成すると,自動的に目的の画像が表示される。狭窄部に対して計測点などを選択すれば,狭窄率が自動表示されるほか,除去した骨の表示もボタン一つで簡単に行うことができる。3D画像を参照しながら狭窄率などの計測ができるため,視覚的にもわかりやすいアプリケーションとなっている。

 

CT頸動脈狭窄解析
CT頸動脈狭窄解析


◆ CT大腸解析

  CT大腸解析では,レイアウトが改良され,大腸展開画像(Virtual Gross Pathology:VGP)の2体位の比較参照がより行いやすくなった。従来は別の画面に切り替えて参照していたVGP画像が,仮想内視鏡+MPR像と同じ画面内に配置可能になり,残渣の確認などが視覚的にわかりやすくなった。2体位比較表示にはリンク機能が搭載され,体位による位置ずれがある場合でも2体位を追随しながら見ることが可能となった。また,病変が疑われる位置をクリックすると,すべての画像の同じ位置に矢印のマークが表示されるため,後で観察する際も比較しやすくなっている。

  さらに,今回特に強化されたレポートでは,ある病変に対していくつかのキー画像をキャプチャーする際に,画像を最適な角度にした状態で左下のカメラのマークをクリックすると,その画像が自動的にレポート添付されるようになった。矢印のマークをつけた位置の肛門側からの距離も自動的に表示・保存されるため,レポート作成の作業効率が大幅に向上する。

 このほか,パスの抽出精度が大幅に向上しており,4月8日に行われたJRCのCTCトレーニングコースにおいても,与えられた6題の課題すべてで,修正なしでパスが抽出できたという。

 

CT大腸解析
CT大腸解析


◆ MR心臓解析:MR血管フロー解析

  MR心臓解析アプリケーションに,新たにMR血管フロー解析が追加され,今回,初めて披露された。血管の輪郭を囲んでROIをとるだけで,動脈硬化や狭窄度の指標となる冠動脈の血流量と血流速度が自動計測され,グラフで表示される。大動脈弁閉鎖不全や心房中隔欠損などの心臓疾患の血流解析などにおいても有用性が高い。

 

MR心臓解析
MR心臓解析


● Webブラウザ上で3D画像解析が可能な「VersaWeb」の新バージョンを展示

  「VersaWeb」のver. 4が今回初めて披露された。VersaWebはWeb上で3D画像解析が行え,ziostationで作成した画像が参照できるクライアント。ライセンスフリーでありながら,クライアント数の制限なく使用でき,Webブラウザを使用するためソフトウエアのインストールが不要で,既存の汎用PCを使用して高精細な3D画像参照が可能となる。ver. 4では,従来よりも機能が大幅に向上し,ver. 3では表示できなかった,異なるフェーズやモダリティのデータを三次元的に重ね合わせて表示するマルチデータボリュームフュージョン画像が表示可能となったほか,画像表示スピードが向上した。Webブラウザはアップル社製品でも使用可能なFirefox,OSはWindows7など,新しいプラットフォームやOSに完全に対応している。VersaWeb のコーナーには,iPadが参考展示され,多くの来場者の注目を集めた。


VersaWebで表示可能となったマルチデータボリュームフュージョン画像
VersaWebで表示可能となったマルチデータボリュームフュージョン画像
参考展示されたiPad
参考展示されたiPad

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