ITEM2013 ザイオソフト / アミン ブースレポート
PhyZiodynamics技術など高い技術力で定量化を可能にするziostation2の新アプリケーションや多彩な機能を紹介


2013-4-16

ザイオソフト


ザイオソフト/アミンブース

ザイオソフト/アミンブース

ザイオソフトは,ITEM2012同様にブースのテーマを「定量化」と,「マルチクリニカル・マルチモダリティ・マルチフュージョン」にフォーカスして展示を行った。展示ホールの中央入口のすぐ脇に位置したブースは,こちらも昨年と同様に黒をベースに,臨床画像が映えるデザインで来場者の注目を集めていた。
展示では,参考出展として3D画像を立体視する「3Dモニタ」,非接触センサー(Kinect)を使ってziostation2の3D表示を操作する「ゼスチャービジョン」を紹介した。また,同社の独自技術であるPhyZiodynamicsを利用したアプリケーションとして形態と機能(動き)の情報をフュージョンして表示する「4Dモーション解析」を世界初の製品として紹介したほか,動脈瘤内の血流情報のシミュレーションを短時間で可能にするhemoscopeの「血管シミュレーションプロトコル」を展示した。また,ziostation2の新アプリケーションおよび機能追加として,経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)をサポートする「TAVR術前プランニング」や「MR右心機能解析」,“CT大腸解析”のデジタルクレンジング機能の精度向上や“PhyZio Enhance Filter”の搭載などを大型のタッチパネルと実際のワークステーションで紹介していた。
最終日(14日)には,学会共催ランチョンセミナー「New Horizon of 4D Imaging〜超四次元画像PhyZiodynamicsテクノロジーによる定量解析の可能性」を開催し,真鍋徳子氏(北海道大学病院)が心機能診断,森谷浩史氏(大原綜合病院附属大原医療センター)が4Dモーション解析による呼吸動態の解析について,それぞれPhyZiodynamicsを用いた成果を報告した(詳細はインナービジョン7月号目次裏企画およびインナビネットザイオソフトスペシャルで紹介予定)。
ザイオソフトは創立15周年を迎えるが,PhyZiodynamicsをはじめとする先進の画像処理技術の開発力によって画像診断領域のさらなる発展に貢献することをアピールしていた。(4月12日取材)

ザイオソフトは1998年の創立から15周年を迎えた

ザイオソフトは1998年の創立から15周年を迎えた

 

●3Dモニタでの立体視表示や非接触センサーを用いた操作体系などを提案

ブースでは,新しい技術利用の提案として,画像を立体的に投影できる「3Dモニタ(薬事未承認)」を用いてziostation2で作成した3D画像を表示して立体視する展示を行った。業務用の市販の3Dモニタを使い,ziostation2で左右の眼に角度の違う画像を作成して投影し専用の眼鏡で見ることで立体感のある映像を得る仕組みのシステムだが,CT/MRI/アンギオ等の検査画像を立体視することで術前シミュレーションなどへの応用を提案するもの。
また,非接触センサー(Kinect)を使ってziostation2の3D表示を操作する「ゼスチャービジョン(薬事未承認)」も紹介し,手術室での術中操作など,こちらも参考展示ながら非常に高い注目を集めていた。

非接触センサー(Kinect)でのziostation2の操作を可能にした「ゼスチャービジョン」を参考展示

非接触センサー(Kinect)でのziostation2の操作を
可能にした「ゼスチャービジョン」を参考展示

3Dモニタを利用した3D再構成画像の立体表示を提案

3Dモニタを利用した3D再構成画像の立体表示を提案

 

●“世界初”の動態変化と機能情報のフュージョン画像「4Dモーション解析」と「血管シミュレーションプロトコル」を出展

“世界初”の製品として出展されたのが,PhyZiodynamics技術によって4次元の形態と4次元の機能情報を,4Dでフュージョンして表示する「4Dモーション解析」と,動脈瘤内の血流情報のシミュレーションを短時間で可能にする「血管シミュレーションプロトコル」である。4Dモーション解析は,ADCTで撮影したボリュームデータから,PhyZiodynamics技術によって組織の動きの速度をカラーマッピング(速い:赤→遅い:青)して重ね合わせて表示することで,視覚的な動態画像と定量化された機能情報から疾患の程度や病変の場所などが判断できる。展示では肺野領域や心臓領域の症例について,4Dモーション解析によって動態と同時に速く動いている部分と動きの遅い部分がわかり診断に寄与することが紹介された。
「血管シミュレーションプロトコル」は,CTAやMRAの画像データから脳動脈瘤の形状計測だけでなく,血流解析によって瘤の破裂のリスクや手術法を支援するソフトウェアだ。従来は流体解析:CFD(Computational Fluid Dynamics)用の専用ソフトを複数組み合わせて長時間(数時間から2,3日)に及ぶマニュアル作業と計算時間を経て解析結果を求める研究テーマであった。EBM社が開発した“hemoscope”というアプリケーションを利用することで,ziostation2は検査画像の表示、血管の抽出、解析モデル化、解析計算、解析・計測表示までを最短で2,3分で実現する世界初の環境を提供する。これによって研究レベルではなく臨床での応用が可能になるほか,解析方法を標準化してより多くのデータを集めることでシミュレーション精度の向上も期待できるという。

PhyZiodynamic技術を利用し動態に機能情報をフュージョンした「4Dモーション解析」

PhyZiodynamic技術を利用し動態に機能情報を
フュージョンした「4Dモーション解析」

 
   
血管シミュレーションプロトコールの解析画面:脳動脈瘤を含む血管の抽出

血管シミュレーションプロトコルの解析画面:
脳動脈瘤を含む血管の抽出

血管シミュレーションプロトコールの解析画面:CFDに基づいたシミュレーション結果

血管シミュレーションプロトコルの解析画面:
CFDに基づいたシミュレーション結果

 

●“TAVR術前プランニング”や“MR右心機能解析”などPhyZiodynamics技術を応用したziostation2の新機能を紹介

ziostation2は,2012年にリリースされたバージョン2.1が最新だが,今回の展示では近く搭載予定の新しいアプリケーションや強化される機能を紹介した。新規に追加されるのは,日本での臨床導入も近いと期待されている経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)をサポートする「TAVR術前プランニング」。PhyZiodynamics技術を応用したDynamic ROIによって,1つの位相で設定したROIが異なる位相にも追従して,より正確な計測が可能になる。「MR右心機能解析」は,右室の心機能解析を左室と同じ操作感で実現する。機能の追加としては,「CT大腸解析」では読影者の診断を支援する“PhyZio Enhance Filter”,アシアロシンチグラフィとのFusionが可能になった「CT肝臓体積測定」,2つのシリーズからQp/Qs(肺体動脈血流比)が計測可能になった「MRフロー解析」などを紹介した。
また,根本杏林堂のインジェクタと連携して造影検査の注入情報などをziostation2に取り込み,画像データを連動して表示する新機能「プロファインジェクト」を展示した。

経カテーテル的大動脈弁置換術をサポートする「TAVR術前プランニング」を新搭載

経カテーテル的大動脈弁置換術をサポートする「TAVR術前プランニング」を新搭載

 

左室と同じ操作感で心機能解析を実現する「MR右心機能解析」

左室と同じ操作感で心機能解析を実現する「MR右心機能解析」

 

CTCでの読影者の診断を支援する“PhyZio Enhance Filter”

CTCでの読影者の診断を支援する“PhyZio Enhance Filter”

 

アシアロシンチグラフィとのFusionが可能になった「CT肝臓体積測定」

アシアロシンチグラフィとのFusionが可能になった「CT肝臓体積測定」

 

インジェクタと連携して造影剤注入の情報をziostation2に取り込む「Profinject」

インジェクタと連携して造影剤注入の情報をziostation2に取り込む「Profinject」

 

お問い合わせ先:
ザイオソフト株式会社/アミン株式会社
TEL 03‐5427-1921
http://www.zio.co.jp/

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