2022-5-13
根本杏林堂ブース
安全・安心・確実な造影検査の実施に貢献する造影剤注入器や技術を提供する根本杏林堂は,「臨床画像を支える,検査の安全を支える」をテーマに掲げて展示を行った。展示の中心となったCT用注入器「DUAL SHOT GX7」,MRI用注入器「SONIC SHOT 7」,アンギオ用注入器「PRESS DUO elite」の3製品は,すべてデュアルタイプとなっている。コンソールは,いずれの製品も統一されたデザインでシンプルな操作性のユーザーインターフェイスが採用されており,直感的に使用することができる。ブースでは,これらの製品の特長のほか,CTの新しい注入プロトコールなどが紹介された。また,医師の働き方改革に伴い求められているタスク・シフティングに貢献するシステムとして,「CEエビデンスシステム」,「圧力監視モニター」,「造影剤モレ検知サポートシステムLD」(共にオプション)などが紹介された。
●CT用注入器「DUAL SHOT GX7」のコーナーでは,新しい注入プロトコール“split-bolus protocol”をアピール
CT用注入器であるDUAL SHOT GX7は,シリンジセッティングが容易で迅速・安全な造影検査に貢献するとして高く評価されている。部位に応じた注入プロトコールを事前に登録しておけば,検査時には検査部位の選択と患者の体重入力を行うだけで,最適な注入量と注入速度が自動計算される。また,コンソールのインターフェイスは,操作性に優れた画面デザインとなっており,ヒトを模したアイコンなどを用いて多数の注入プロトコールから必要なものを直感的に呼び出すことができる。
さらに,検査の安全性を高めるオプションとして,「CEエビデンスシステム」「圧力監視モニター」「造影剤モレ検知サポートシステムLD」が紹介された。造影検査情報管理システムであるCEエビデンスシステムは,RISから患者情報を取得し,事前に確認すべき過去の副作用履歴や腎機能測定値などを注入器のコンソールに表示することで,造影剤投与前の安全確認をサポートとする。検査後には,造影投与情報を画像化してPACSに送信するため,検査情報の一元管理も可能となる。なお,CEエビデンスシステムは,MRI用注入器SONIC SHOT 7にも対応している。圧力監視モニターは,注入器本体に装着するヘッドディスプレイで,操作室で設定した注入プロトコールを撮影室側で確認することができ,注入時には圧力グラフを表示する。造影剤モレ検知サポートシステムLDは,センサーから照射される近赤外線により造影剤の漏出を検知できるほか,注入器と連動させることで,異常を検知した場合は注入を自動停止することもできる。これら3つのオプションは,現在議論されているタスク・シフティングにおいて,安全性の確保に貢献する製品となっている。
このほか,新しい注入プロトコールとして,“split-bolus protocol”が紹介された。これは,2つの異なるヨード量設定を1回の注入の中で行うことができる注入法である。ITEMブースでは,1回の撮影で動脈,静脈の3D画像をミスレジストレーションなく作成することが可能となる注入法として,臨床画像とともに紹介された。
●アンギオ用注入器「PRESS DUO elite」とミキシングチューブ「SPIRAL FLOW」で任意の濃度の希釈造影剤を即座に提供
アンギオ用注入器のPRESS DUO eliteは,造影剤と生理食塩水の両方を装着可能なデュアルタイプのインジェクタ。コンソール上で希釈割合をコントロールできるため,診療放射線技師が希釈造影剤を作成する手間を削減し,かつ衛生的に検査を行うことができる。希釈割合の表示は,%,倍率,比率での設定が可能で,コンソールの画面表示も非常にわかりやすい。また,希釈造影剤の作成のカギとなる製品として,ミキシングチューブSPIRAL FLOWが紹介された。SPIRAL FLOWは,独自の流路設計によって内部で乱流を作り出す三次元混合を実現しており,造影剤と生理食塩水が希釈ムラなく効率良く混ざり合い,目的とする造影剤濃度を即座に得ることができる。
このほか,新たな注入プロトコールとして,静脈ルートで造影する頭部のパーフュージョンに特化した“Perfusion Protocol”が紹介された。
●非磁性体の超音波モーターの採用により確実なMRI造影検査の安全な実施に貢献する「SONIC SHOT 7」
SONIC SHOT 7のインジェクタヘッド部には,非磁性体で,応答性と制御性に優れた超音波モーターが採用されており,磁場環境に影響を与えることなくMRI装置のすぐそばでも安全に使用できるほか,少量の造影剤でも正確に注入することができる。シリンジ製剤ごとの専用のアダプタによって,ワンタッチで簡単に着脱でき,シリンジを装着するとすぐにコンソールに薬剤情報が反映される。また,オートプレッサー機能が搭載されており,プレッサーに搭載された近接センサによって,シリンジをセットすると自動的にプランジャー後端を検出して停止する。これにより, シリンジのセッティングが容易に可能となる。プロトコールの設定は,CT用注入器と同様にプロトコルメモリーごとに造影剤量の係数を登録しておけば,検査時には患者の体重を入力するだけで造影剤量が自動計算される。
●お問い合わせ先
社名:株式会社根本杏林堂
住所:東京都文京区本郷2-27-20
TEL:03-3818-3541
URL:www.nemoto-do.co.jp