Area Detector CT「Aquilion ONE Volume Evolution Edition」は,160列のヘリカルスキャンやボリュームスキャンの特長を生かした多彩なアプリケーションを搭載するAquilion ONEの新バージョンである。
従来のAquilion ONEでは,320列はコンベンショナルスキャンであり最大のヘリカルスキャンは64列だったが,Volume Evolution Editionでは160列でのVolume Helical Scanを実現し,体幹部の60pを3.8秒でスキャンできる。同社によれば,技術的には320列のヘリカルスキャンも実現できたが,テーブル移動速度が速すぎ安全性が確保できないため160列でのスキャンにしたとのことで,実際のテーブル移動速度をステージで再現していた。
アプリケーションとしては,「心筋パーフュージョン」「ボディパーフュージョン」「Dual Energy」などのアプリケーションを搭載する。心筋パーフュージョンは,心臓をワンショットで撮影できるAquilion ONEの特長を生かし,薬剤負荷による心筋の血流を画像化する。現在,世界的な多施設合同臨床試験である“CORE320”で,心筋SPECTとの比較検討による有用性の検証が行われている。ボディパーフュージョンは,ボリュームデータから解析された各臓器の灌流情報をカラーマップで表示する。ボリュームデータのため,MPRや3Dでの観察が行える。Dual Energyは,CTの新しい撮影法として各社が取り組んでいるが,東芝の方法は高電圧と低電圧を高速に切り替えて異なるエネルギーのボリュームデータを連続収集してサブトラクションを行うもの。管電圧の違いによって得られたCT値の差を解析して,尿管結石などの物質の性状を判断することができる。
その他,被ばく低減機構として逐次近似再構成法の原理を応用したAiDR(Adaptive Iterative Dose Reduction)による低線量での撮影や,3D解析などのコンソールの機能をリモートで利用できるシュア・エクステンション機能など,新たな機能をプレゼンテーションした。 |