ITEM 2008

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ブースリポート
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過去のリポートがご覧いただけます
2007 2006 2005

“トータルソリューション”と“Made for Life”がテーマ
患者さんのために,あなたのために,ともに歩むために。

勝俣健一郎
取締役上席常務
勝俣健一郎氏

 今回のブースのコンセプトは,「トータルソリューション」と「Made for Life〜患者さんのために,あなたのために,ともに歩むために」です。早期発見・早期診断から治療までの医療全体のワークフローに求められる装置から,それらをバックアップするITシステムまで,幅広い製品を提供できる東芝を皆さまに紹介する意味で「トータルソリューション」を掲げています。また,経営スローガンでもある「Made for Life」には,検査を受けられる患者さんやユーザーの皆さまと一緒にわれわれも成長していくという意味を込めています。このようなコンセプトに基づき,幅広い製品を展示しています。
  この4月に診療報酬が大幅に改定されましたが,今回東芝は,「4疾病・5事業」に対応した医療提供体制の見直しや「特定健診・特定保健指導」のスタート,フィルムレスの推進など,こういった国の方針に従い,病院が備えていく必要のある製品を,各コーナーで展示しています。
  また目玉の製品は,320列の検出器を搭載したArea Detector CT「Aquilion ONE」です。Aquilion ONEは,1回転で16cmという幅の広い領域を撮影する画期的な製品ですが,その実機を今回,本邦初公開しています。
(4月4日取材)

  ブース

江野裕子さん
ご案内いただいた江野裕子さん
(広報室主任)

◆CT 320列検出器を搭載したArea Detector CT「Aquilion ONE」

 CTコーナーでは,RSNA2007で製品発表を行い,学会中の話題をさらったArea Detector CT「Aquilion ONE」の実機が国内初展示された。320列の検出器を搭載したAquilion ONEは, 1回転で脳や心臓などの臓器全体を最短で0.35秒で撮影が可能である。同社は, Aquilion 64 をはじめ,これまでCTに検出器の列数に応じた製品名をつけてきたが,今回,まったく異なる概念の新世代CTとして“Aquilion ONE”という名称がつけられた。
 同装置は,連続して撮影することで四次元(三次元+時間)の情報を収集することができる。これにより,形態診断に加え,血流情報も取得することで臓器全体の動態診断が可能。脳梗塞や心筋梗塞の患者さんなど,これまで複数の診断機器で検査をする必要のあった症例の診断が1台で完了できる。関節の動きなどの動態情報も得られるため,整形外科やスポーツ医学といった領域での応用も期待されるほか,短い撮影時間で検査が終了することで,救急や小児の患者さんに対するメリットも大きい。さらに,冠動脈検査では被ばく線量を約1/4に抑えるなど,検査による被ばくを低減する。
 ブースでは,呼吸下の乳児の肺や腸蠕動の様子など,多数の臨床画像を示してその有用性を紹介していたほか,320列と64列の検出器が並べて展示され,来場者の関心を集めていた。 同装置は現在,世界の14施設で稼働しており,国内では,世界で初めて導入された藤田保健衛生大学をはじめ,6施設に導入されている。

東木 裕介さん
(取材協力:東木 裕介さん CT事業部 部長)

 

 

Aquilion ONE

CT検出器

 最終日の6日には,同社ブースにおいて,藤田保健衛生大学医学部放射線医学教室の片田和広教授と(株)東芝の西田厚聰社長による“Aquilion ONE Leading Innovation Live Talk”が開催された。
 西田社長は,東芝の医療分野におけるイノベーションの歴史を紹介した上で,「医療機器は臨床ニーズとテクノロジーが共鳴したところに生まれる。そして,お客さまの下で臨床価値がさらに磨き上げられ,患者さんにとって優しい,本当の意味で役に立つ装置になっていく」と述べた。また,Aquilion ONEは,医療の世界にイノベーションをもたらすものであり,同装置が世界中の患者さん,医療関係者に新たな臨床価値を提供することを期待しているとし,「日本発のイノベーションを世界に広げていきたい」と抱負を語った。
 Aquilion ONEの開発に当初から携わり,世界初の臨床応用を2007年10月から開始した片田教授は,脳,心臓の撮影における有用性のほか,臨床応用を開始して最も印象的だったのが,鎮静,麻酔を必要とせずに乳幼児の撮影が一瞬で可能であることだと述べた。片田教授は,「東芝のような技術力のある会社がイノベーションを起こすことは,医療関係者だけでなく,全国民にとって非常に有益であり,今後も機器開発などを通して世界をリードしていってもらいたい」と同社に対する期待を述べた。
 ライブトークには多数の来場者と報道陣が参加し,Aquilion ONEに対する注目度の高さがうかがわれた。

 
片田和広教授 西田厚聰社長
片田和広教授
(藤田保健衛生大学
医学部放射線医学教室)
西田厚聰社長
((株)東芝)

ライブトーク
片田教授(左)と西田社長



◆MRI 全身用マルチチャネルRFコイルを搭載した「EXCELART Vantage Powered by Atlas」

 MRIコーナーには,1.5T MRI「EXCELART Vantage Powered by Atlas」が展示され,全身対応マルチチャネルRFコイル「Atlas SPEEDERコイル」を中心に紹介していた。Atlas SPEEDERコイルは,同社従来比で1/3に軽量化された軽いコイルである上,柔らかい素材を採用していることが特長。患者さんの負担や圧迫感が少ない検査を行うことができる。また,全身に128個のエレメントを同時に装着したまま検査を受けることが可能で,頭部からつま先まで広範囲を撮像することができる。本体は,ボア軸長が1495mmと全身用MRIとしては世界最短クラスの奥行きを実現しながら,ガントリの開口系は65 cmと患者さんにゆったりと検査を受けてもらえる広さとなっている。このほか,静音機構である「Pianissimo」を搭載するなど,患者さんの不安軽減に配慮された装置である。
  また,アプリケーションを紹介したコーナーで特に注目を集めていたのが,同社独自の非造影技術のTime-SLIP法である。造影剤を使用しない患者さんの負担が少ない検査で,血管の選択描出や動態情報の取得が可能である。

後藤 克人さん
(取材協力:後藤 克人さん MRI事業部 主任)

 

EXCELART Vantage Powered by Atlas


◆Angio 大視野FPDによる多目的な検査が可能な「Infinix Celeve-i INFX-8000V」

 多彩なCアーム動作性能を持つ「Infinix Celeve-i INFX-8000V」を展示していた。Infinix Celeve-i INFX-8000Vは,床置き型5軸回転機構を搭載した装置。頭部からつま先までの全身をカバーするマルチアクセス機構Cアームにより,患者さんがテーブルの上で移動する必要がないため,検査時間を短縮することが可能である。また, Cアームの柔軟かつ広範な移動により,全身を無理なく検査できるだけでなく,術者の立ち位置,関連機材の配置などの自由度が高く,術者に快適,かつ患者さんに優しい検査環境を実現した。さらに,検査目的に合わせて,8インチ×8インチか12インチ×16インチのFPDを導入時に選択できる。後者のサイズでは,頭頸部,腹部,四肢を中心に,全身の検査に対応することが可能になっている。また画質については, 3D画像のほか,世界最高画質を誇る同社CTに匹敵する画質の断層像を提供することができると説明された。これにより,カテーテル室内で治療から最終的な確認,断層像の表示ができるため,患者さんと術者の動線をコンパクトにし,効率的な検査を可能にするという。

廣瀬 聖史さん
(取材協力:廣瀬 聖史さん 営業推進部 主事)

  Infinix Celeve-i INFX-8000V

◆マンモグラフィ 日本人女性に合わせたコンパクトなFPDを搭載「Pe・ru・ru DIGITAL」

 この4月から発売が開始された新製品「Pe・ru・ru DIGITAL」を紹介。Pe・ru・ru DIGITAL は,国内メーカーが開発した初のデジタルマンモグラフィ装置である。FPDを搭載したことで,従来の装置で必要だったカセッテの現像やCRでの読み取りの手間がなくなるため,検査のスループットが向上し患者さんの拘束時間を短縮することもできる。また,日本人女性の体型に合わせたコンパクトな直接変換形FPD(17cm×24cm)の搭載により,容易なポジショニングの実現した。
  女性スタッフが中心となり,女性のために開発された同装置は,曲面を多用した形状やパールカラーの外観など,デザインにも女性が安心して検査を受けられるための配慮がされている。また,日本人女性に合わせた新素材の圧迫板,圧迫制御機構や実際に体に触れる部分に角がない形状などで,検査時の痛みを低減するという。

右近 弘栄さん
(取材協力:右近 弘栄さん 営業推進部 参事)

  Pe・ru・ru DIGITAL

◆US 乳腺の微細な構造を表示する新技術”MicroPure"を搭載した「Aplio XG」

 超音波診断装置「Aplio XG」では,乳腺の微細な構造を色づけて画像化する新技術「MicroPure」が紹介された。これにより,乳房X線検査を補完する検査として注目される乳腺超音波検査において診断を強力にサポートする。
 また,新たに開発された高周波4Dプローブと腹部用4Dプローブを紹介していた。高周波4Dプローブは,縦断面,横断面,水平断面の画像が1度に見られることが特長であり,プローブを体にあてると瞬時に画像が表示される。水平断面の画像は,特に乳がんの広がりの観察に非常に有用であるという。 このほか Aplio XGは,高度な映像化技術で超音波造影剤を用いた検査における高い描出能を実現することを説明していた。

濱滝 寿伸さん
(取材協力:濱滝 寿伸さん 営業推進部 セールスマネージャー)

  Aplio XG

◆PACS 効率的な読影を支援する「Rapideyeシリーズ」

 電子カルテシステムやオーダリングシステムにおいて,迅速かつ簡単な操作で画像やレポートデータが表示できる環境を「IT-PACS」と表現し,効率的な読影を実現するシステムを紹介した。医用画像管理システム「Rapideye Hyper」を展示して比較読影の効率向上を実現するHyperLink Reportを説明していた。HyperLink Reportは,キーフレーズにキー画像貼り付ける機能。キーフレーズをクリックするだけで読影時の状態で画像が瞬時に表示され,短時間で効率の良い読影を可能にする。このほか,健診,内視鏡,超音波,マンモグラフィなどの専用レポートシステムや,マンモグラフィ,整形外科用のアプリケーションなども用意しており,院内のフィルムレス化を強力にサポートしていく姿勢を来場者にPRしていた。

藤本 智之さん
(取材協力:藤本 智之さん 営業推進部 主任)

  Rapideyeシリーズ

◆サービス 国内業界No.1規模のサービス体制

 カスタマーエンジニア1081名,サービス拠点71か所という国内規模No.1のサービス体制を有する東芝のサポートを紹介。患者さんがいつもベストな状態の診断機器で検査が受けられるための地域に密着したサービス体制に加え,新たなコールセンターの導入や機能強化されたリモートメンテナンスシステム「InnerVision Plus」により,機器トラブルの未然防止や迅速なサービスを提供する。 さらに,装置のパフォーマンスを最大限に引き出すための,アプリケーションサポートや機器の安全管理の支援を強化している。

近藤 泰平さん
(取材協力:近藤 泰平さん サービス事業部 参事)

 
サービス図
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