2015-4-24
東陽テクニカブース
東陽テクニカブースは今回,「テクノロジーで次の医療へ」をコンセプトに,ブースのイメージを一新し,従来提案してきたフィルムレスソリューションに加え,クラウドソリューション,最新テクノロジー,OEMソリューションなど,7つのコーナーで同社が扱う最先端医用技術を紹介した。なかでも,デジタル・マンモグラフィ画像ビューア「MammoRead」が発売開始から10周年を迎えたことが大きくアピールされた。(4月17日取材)
●あらゆるシーンで胸部X線画像読影を支援する「ClearRead」シリーズ
胸部X線読影支援ソリューションコーナーでは,ClearReadシリーズとして,骨組織透過ソリューション「ClearRead BS」,経時差分ソリューション「ClearRead+Compare」,医療用チューブ強調ソリューション「ClearRead+Confirm」の3つが紹介された。同社製品の中でも最も注目を集めており,すでに10を超える医療機関に導入されているという。
ClearRead BSは,胸部単純X線画像から骨組織を透過することで,肺組織の視認性を飛躍的に向上することができる。これにより,従来は骨と重なって検出が困難だった病変の視認が可能となり,病変検出能の向上に貢献する。骨組織透過処理は,X線装置の種類やメーカーに依存せず,専用サーバにて自動で行われるほか,撮影後のデータに対して処理を行うため,撮影時に特別な作業は必要ない。また,専用の画像処理サーバをPACSなどに接続するだけで骨組織透過処理が可能になるため,院内のネットワーク環境にも容易に接続することができる。
ClearRead+Compareは,現在・過去のそれぞれの画像に対してClearRead BSにて骨組織透過処理後に経時差分処理を行い,経時的に変化があった部分を強調表示することができる。骨組織透過処理後に経時差分処理を行うことでアーチファクトのほとんどない高精細な画像が得られるため,微小な病変の検出が可能となる。
ClearRead+Confirmも同様にClearRead BS上で動作する技術であり,骨組織透過処理後のデータにComfirm処理を行うことで,中心静脈栄養(IVH)用チューブやカテーテルなどの医療用チューブを強調することができる。これにより,特に重要なチューブ先端の確認も容易に可能となる。
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●整形外科デジタルプランニングツール「OrthoPlanner Pro」に新機能が登場
整形外科フィルムレス・ソリューションコーナーでは,OrthoPlanner Proの新機能が紹介された。OrthoPlanner Proは,国内外31社のデジタルテンプレートをサポートし,100種類を超える整形専用計測ツールや,モニタ上で骨をトレースする「アウトライントレース機能」が搭載されているほか,新機能として,2方向の画像上の一方でインプラントのテンプレート位置を補正すると,もう一方の画像でも自動で同じ位置に補正される“テンプレートリンク機能”が搭載された。従来は2つの画像上で別々に位置補正を行わなければならなかったが,この新機能により,プランニングがより正確かつ容易に可能となる。OrthoPlanner Proは,すでに約250施設に導入されており,整形外科デジタルプランニングツールとしては国内最多の導入実績だという。
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●発売から10周年を迎えた「MammoRead」シリーズ
デジタル・マンモグラフィ画像診断のコーナーでは今回,MammoReadが発売から10周年を迎えたことが大きくアピールされた。デジタル・マンモグラフィ画像ビューア「MammoRead Viewer」,乳腺所見レポート・システム「MammoRead Report」,乳房トモシンセシス読影モジュール「MammoRead TOMO」,画像保存マネージメント・システム「MammoRead DataManager」が12MP LEDカラー高輝度ディスプレイを用いてデモンストレーションされたほか,500施設を超える導入実績を誇ることなどがパネルで紹介された。
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●クラウドで対応可能な医用画像ソリューションおよびセキュリティソリューションを紹介
クラウド&セキュリティコーナーでは,クラウド上で対応可能な医用画像ソリューションおよびセキュリティソリューションが紹介された。
●Web画像配信システム「IMS Web Viewer System」
IMS Web Viewer Systemは,メーカーに依存しない画像表示(vender neutral archiving:VNA)が可能なカスタムWebビューワで,院内の各サーバの医用画像をWebブラウザで表示することができる。クライアント側に特別なソフトウエアは必要とせず,各種タブレットにも対応するほか,サーバレンダリングではなくクライアント側でデータを読み込んでレンダリングするため,例えば100台規模の多数の端末での高速な画像の同時参照を可能とする。また,セキュリティ面では,個人情報が残らない完全なゼロフットプリントを実現している。
●モバイルセキュリティ脅威防御ソリューション「zMTD」
zMTDは,端末側のセキュリティ(mobile device management:MDM)だけでは対応できないサイバー攻撃からモバイル端末を防御するソリューションで,モバイル端末を防御する「zIPS」とレポーティングリスクベースのポリシマネジメント「zCONSOLE」で構成されている。zIPSは,未知・既知の攻撃を検出するために,コミュニケーションが始まった時点でのモバイル端末の振る舞い傾向を解析して検知し,防御するため,特に近年増加している成りすましへの対策として有効である。また,zCONSOLEでは,登録されたすべてのモバイル端末が受けた攻撃の履歴を一元管理し,グラフやリストにして表示するほか,誰が,どこから,どのように攻撃してきたのかを追跡することもできる。
●組み込み用画像レジストレーション・モジュール「Blackford Analysis」
新製品として,Blackford Analysisが紹介された。これは,複数のボリュームデータ間で自動でレジストレーションを行う技術で,マルチモダリティに対応している。現在と過去の画像の比較や,CTとMRIなどモダリティ間の比較,同一患者で向きの異なる画像の比較などが容易に可能なため,各種疾患の経過観察や,新病変および複数病変の検出などに有用である。
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●小動物用X線マイクロCTスキャナなど最新技術を紹介
最新テクノロジーコーナーでは,小動物用のX線マイクロCTスキャナ「Bruker SkyScan 1176」,医療廃棄物処理装置「DISPOPAC Super Pre-Heater System」が展示された。
Bruker SkyScan 1176は,高分解能in vivo X線CTスキャナで,11MPのX線カメラにより,高分解能,広いイメージ領域,高速スキャンを実現する。
また,DISPOPAC Super Pre-Heater Systemは,高温での熱処理により医療ゴミを産業廃棄物にする装置で,大量の医療廃棄物が出る400床以上の大規模病院であれば,医療経済的にかなりのメリットがあるという。
そのほか,皮膚科向けの光診断システムやリンパ節シンチグラフィポータブルガンマカメラシステムが参考出品された。
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●各種モダリティの画質改善などに貢献するOEMソリューション
モダリティOEMソリューションコーナーでは,モダリティ画質改善ソフトウエア「GOP VIEW」,フラットパネルディテクタ・インターフェース「FP CONNECT」,カスタム・ビューア・ツールキット/SDK「Myrian Toolkit SDK」が紹介された。
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●お問い合わせ先
株式会社東陽テクニカ
住所:〒103-8284 東京都中央区八重洲1-1-6
TEL:03-3245-1351
URL:http://www.toyo.co.jp/medical