ホーム 取材報告 RSNA2011スペシャル 取材レポート RSNA2011: Siemens - X-ray:新製品と血管撮影装置の機能の進化をアピール
RSNA2011 |
RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)] |
X-rayのコーナーでは,モバイル型の新しい装置として,ワイヤレスのフラットパネル(FD)を搭載した「Mobilett Mira」を展示した。従来からの高出力,高画質はそのままに,日本の病棟に合わせて首振り機能を搭載し,より日本の市場を意識した製品になっている。アームにはケーブルがなく,ロックレスのカウンタバランス機構によってスムーズな位置決めができるなど,操作性が向上した。ワイヤレスFDのパネルサイズは半切(14×17インチ)。画像は10秒以内で表示され,その場で画像確認ができる。フラットパネル1枚ですべての撮影に対応でき,ワイヤレスFDの採用で患者情報の取り込みなど,検査の準備から撮影後の後処理までワークフローを大きく改善する可能性が広がった。FDから装置本体までシーメンスがオールインワンで提供できることがメリットである。
一般撮影装置では,軽量化(約3.3kg)を図った半切サイズのワイヤレスFDを採用し,立位,臥位で1枚のFDをセッティングして利用できる「Multix Fusion」(W.I.P.)が出展された。FDパネルを軽量化することでより使い勝手を向上し,FDを共有することでよりコストパフォーマンスに優れたシステムになっている。
血管撮影装置のコーナーでは,RSNA 2010と同様に多軸血管撮影装置「Artis zeego」とLarge Displayの組み合わせで展示されたが,今年はハードウエア,ソフトウエアの進化を図り,DynaCTが360°回転で可能になったことをアピールした。従来のLarge Volume syngo DynaCTでは,2回の撮影データを統合するため,16秒の息止めが必要だった。しかし,360°の回転によって1回転で収集が可能になり,6秒間の息止めでDynaCTを撮影することができる(syngo DynaCT360)。広いFOVが要求される肺野や腹部領域でも,モーションアーチファクトを抑制し,より高画質なコーンビームCTが可能になる。ソフトウエアでは,ロードマップの精度が向上したほか,DynaCTではメタルアーチファクトの抑制や低コントラスト部分の描出能の向上などを図っている。
ワイヤレスFDを共用することで コストパフォーマンスを高めたMultix Fusion |
必要に応じてパネルをセットして撮影を行う |
重さ3.3kgとパネルを軽量化し取り回しも容易になった |
360°のDynaCTが可能になったArtis zeego |
■関連リンク