ホーム 取材報告 RSNA2011スペシャル 取材レポート RSNA2011: Siemens - MRI:マルチトランスミットほか,豊富な新アプリを紹介
RSNA2011 |
RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)] |
MRIは,3T MRI「MAGNETOM Skyra」,1.5T MRI 「MAGNETOM Aera」を中心に展示を構成した。今回のトピックスは,パラレルトランスミットに対応したアプリケーションである“syngo ZOOMit”がリリースされたことだ。マルチトランスミットは各社が取り組んでいるものの,アプリケーションとシーケンスはまだ製品化されていないが,syngo ZOOMitはパラレルトランスミットのメリットを生かしてSARを低減し,局所励起を行うシーケンスである。従来は,FOVの外側は折り返しによってアーチファクトが発生していた。しかし,syngo ZOOMitでは,観察したい部分のみを励起することが可能になり,折り返しのアーチファクトを考える必要がないため撮像時間も短縮した。
さらに,新しいMRIのアプリケーションとして,“syngo RESOLVE”,“syngo WARP”,“syngo SPACE DIR”が紹介された。syngo RESOLVEは,ディフュージョンのセグメント化を行って歪みのないデータを得ることでサジタル,コロナルの撮像が可能になり,歪みのない高分解能の撮像によってディフュージョンの形態情報とトラクトグラフィの同時収集を可能にする。
syngo WARPは,インプラントなどの金属が入った症例での撮像を可能にするもので,slice encording metal artifact correctionという方法を使っている。view angle tilting(VAT)によって,k-spaceの空間をずらすことで金属のアーチファクトを除去し,本来の信号を抽出する。
syngo SPACE DIRは,double inversion recoveryによって水の信号を抜き,白質,灰白質のコントラストを上げる手法で,てんかんや多発性硬化症の診断に威力を発揮する。
パラレルトランスミットを生かしたsyngo ZOOMit |
局所励起によって撮像時間を短縮 |
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