RSNA2015 シーメンス - テーマ
Clinical,Operational,Financialで医療機関の価値を高める製品,サービスを提供する総合力をアピール
2015-12-1
Siemens Healthcareブース
RSNA 2015[第1日目:11月29日]
Siemens Healthcareは,サウスビルディングのホールAの中央に例年のように大きなスペースでブースを構えた。テーマは“Making healthcare pay off.”で,昨年から掲げるClinical(臨床的価値の向上),Operational(運用の効率化や操作性の向上),Financial(コスト削減や経営支援)の3つの価値を高めることができる,さまざまな製品やソリューション,サービスを展示した。
CTでは,最初の製品開発から40年,Dual Souce CTの登場から10年のアニバーサリーイヤーに当たることから,これまでの歴史を紹介すると同時に2管球CTのフラッグシップである「SOMATOM Force」を中心に展示。MRIでは,最新のソフトウエアバージョン“syngo MR E11”の中から,脳神経領域のアプリケーションとして“GOBrain”と“Simultaneous Multi-Slice(SMS)”などを最新のトピックスとして紹介した。また,2011年のRSNAで発表されたMR-PETの「Biograph mMR」がバージョンアップしてMR部分の機能が強化され,最新バージョンのE11を利用できるようになったことをアピールした。
また,X線では,Robotic Advanced X-ray(RAX) technologyによってまったく新しい撮影環境を提供する「Multitom Rax」(医薬品医療機器等法未承認品)を展示した。そのほか,超音波のACUSON Sファミリー,核医学ではPET-CT「Biograph Horizon」などの新製品を紹介した。
また,ITソリューションでは,線量や機器の使用状況などをクラウドを利用しビッグデータ解析を可能とした「teamplay」をアピールした。
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RSNA2015 シーメンス・ジャパン代表取締役社長兼CEO 森秀顕氏 インタビュー
シーメンスの“イノベーション”のDNAで真に信頼されるパートナーをめざす
シーメンス・ジャパンは,2015年10月1日に組織再編を行い,ヘルスケア事業を専業とする事業体に変更された。2016年1月1日からは,社名をシーメンスヘルスケアに変更して,新たなスタートを切る。代表取締役社長兼CEOに就任したが森氏に,RSNA2015のポイントと今後の事業展開について聞いた。
−−新体制についてお聞かせ下さい。
● 医療機関を取り巻く環境が厳しくなる中で,医療機器を含めたヘルスケア領域に特化した体制を構築しました。今後は,モダリティを横断した疾患ごとのアプローチを強化していきたいと考えています。もう1つは,医療機関の経営者層へのアプローチで,新たに本社直轄のコーポレート営業本部を設けました。コンサルティングが可能な人材をそろえ,パートナーや重要顧客に対して,経営面も含めたトータルな提案を行います。
−−どういう方向性で進めるのですか。
● われわれのビジョンは,お客様にとって真に信頼されるパートナーになることです。そのためにはシーメンスヘルスケアとして提供できる価値(バリュー)の種類と質を最大化する必要があります。シーメンスは,“イノベーション”のDNAを持っていますが,それを単に臨床的(Clinical)な価値にとどめるのではなく,OperationalやFinancialの面でも価値を提供していきます。
--今回のRSNA2015のブースのテーマとも重なります。
● 今回のRSNAのブースでも,Clinical,Operational,Financialの3つの方向で価値のある製品を展示しています。Clinical面では,最新のMRの機能を搭載したMR-PETの「Biograph mMR」や,まったく新しいタイプのX線スキャナである「Multitom MAX」など,臨床的に先端を究めた製品を出展しています。Operational面では,クラウド上でビッグデータアナリシスを行い,ユーザーの施設運用のための情報を提供できる「teamplay」というサービスを発表しました。Financialでは,シーメンスのイノベーションをより低価格で利用していただけるように,再生品のラインナップの拡充や,装置の陳腐化を防ぐためのアップグレードのラインナップを大幅に拡充しています。
−−日本市場の今後の事業展開についてお聞かせください。
● 日本の今後のマーケットは楽観視できない状況ですが,だからこそ,シーメンスのさまざまな技術力を生かし,多面的に病院の経営をサポートするという取り組みが必要とされてくると考えています。厳しい医療環境の中で,病院経営の中で画像診断をいかに位置づけて,運営していくかをわれわれが少しでもサポートできればと考えています。また,事業の方向性としては,画像診断で培った技術を治療分野に提供できるのではと考えており,今後,M&Aを含めてポートフォリオの拡充を検討しています。