RSNA2015 事前トピックス
2015-11-24
1.放射線医学の新世紀の幕開けを告げる101回目のRSNA
2.Opening Sessionでは,AAMCのDarrell G. Kirch会長兼CEOが講演
3.GE・イメルトCEOの講演など充実したプログラム
4.Technical Exhibitsには初出展94社を含む651社が参加
101回を数える北米放射線学会(RSNA2015)が,現地時間2015年11月29日(日)に開幕する。12月4日(金)までの4日間,放射線医学の最先端の知見を得る場として,世界各国から参加者が訪れる。
記念すべき101回目の大会長はRonald L. Arenson, M.D.が務める。Arenson大会長は,カリフォルニア大学サンフランシスコ校のRadiology and Biomedical Imaging部門の教授。今回のRSNAについて,患者中心の医療とともに,「価値に基づく医療(value-based practice:VBP)」を重視した放射線医学の進歩に焦点を当てるとし,患者のためになるITのツールの開発を進める必要であると説明している。このことを踏まえて,今回のテーマには「Innovation is the Key to our Future」が掲げられた。
RSNAのウェブサイトには,このテーマに基づいて,「Centennial Website(http://centennial.rsna.org
)」と題したコンテンツが設けられている。このコンテンツは,さらに「Interactive Timeline」「Image Contest」「Centinal Showcase」と分かれており,3Dプリンティングやホログラフィ,個別化医療などの放射線医学に関する最先端の技術が紹介されることになっている。
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2.Opening Sessionでは,AAMCのDarrell G. Kirch会長兼CEOが講演
「Innovation is the Key to our Future」をテーマに掲げた101回目のRSNA。初日11月29日(日)の8時30分からは,Arie Crown Theaterにおいて,恒例のOpening Sessionが行われる。この中に設けられたPresident's Addressにおいて,Ronald L. Arenson大会長は,「Going Boldly into Radiology's Technological Future: Why Our Profession Must Embrace Innovation」をテーマに講演する。
現在の医療において,放射線医学は重要な役割を果たしているが,その放射線医学の発展には,技術革新が多大な貢献をしている。画像診断装置だけではなく,PACSやCADなどのITは,臨床現場に新しい価値をもたらしてきた。そして,今後も人工知能やビッグデータ解析といった新しい技術が,放射線医学に影響を与える。Arenson大会長は,このような観点から,これからの放射線医学と技術革新のかかわりについて述べる。
また,Opening Sessionでは,2014年に亡くなった放射線医学におけるIT活用の先駆者であるJoseph N. Gitlin氏への追悼が行われるほか,Association of American Medical CollegesのDarrell G. Kirch会長兼CEOによる特別講演「Radiology, Medicine, and Healthcare: Will Inaction or Innovation Determine Our Future?」が設けられている。
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RSNAでは,学術発表だけでなく,各界の著名人を招いての特別講演など,毎回,趣向を凝らしたプログラムを組んでいる。近年では,元・米国大統領のビル・クリントン氏が講演し,多くの参加者でArie Crown Theaterの座席が埋まった。今回は,GEのCEOであるジェフリー・イメルト氏のNew Horizons Lecture「Redefining Innovation」が11月30日にArie Crown Theaterで行われる。イメルト氏は,GEヘルスケアのCEOとして活躍した後,GE全体のCEOとなった。講演では,放射線医学をはじめとしたヘルスケア領域におけるイノベーションがテーマとなる。
また,恒例となった諸外国・地域を限定したセッションであるCountry Presentsは,ドイツとメキシコが予定されている。それぞれの国の放射線医学の最新動向が報告される。
Country Presentsが毎回設けられていることからもわかるとおり,RSNAは,放射線医学に関する世界最大級の学術集会であり,海外からの参加者も多い。今回は海外も含め,scientific papersが17の専門領域で1728題,education exhibits が1762題,scientific postersが921題アクセプトされている。また,優れた発表を表彰するEducation Awardsは,12月2日の午後に判明する。
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4.Technical Exhibitsには初出展94社を含む651社が参加
RSNA期間中,最も賑やかな場所となるのがTechnical Exhibits。今回は651社が出展。展示面積は42万100平方フィートに上る。前回の出展社数は636社で,これを上回ったものの,前々回2013年の出展者数662社よりも低くなった。
また,Technical Exhibitsに初出展する企業は94社となっている。このうち日本からは,次の企業が始めて出展する。
・株式会社AIIM JAPAN(Hall B:7934)
・フジデノロ株式会社(Hall B:8034)
・プレキシオン株式会社(Hall A:3679)
・Vocsis Corporation(Hall A:1761)
なお,株式会社AIIM JAPANとフジデノロ株式会社のブースは,日本貿易振興機構(JETRO)が展開するJAPAN Pavilion内に出展する。
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