X線撮影の新しいスタイルを提案する
「Multitom Rax」

RSNA 2015［第1日目：11月29日］

X線撮影装置のコーナーでは，“Robotic Advanced X-ray”技術を搭載した，従来とは異なる新しい撮影装置として「Multitom Rax」（日本国内医薬品医療機器等法未承認品）が注目を集めた。Multitom Raxは，天井懸垂の2本のレールにX線管とFDをそれぞれ搭載する。管球とFDを支える部分にRobotic Advanced X-ray（Rax）と呼ばれる多軸稼働が可能な機構が組み込まれており，管球とFDが連動して稼働することで自由度の高い動きを実現した。それによって，単なる立位や臥位の撮影にとどまらず，透視撮影やDSA，Real 3D（コーンビームCT），トモシンセシス撮影などが可能になる。整形外科領域では，立位での腰や膝に負荷のかかった状態での3D撮影が可能で，新しい知見が得られることも期待される。また，撮影の際にはアームが自在に動くことで，被検者の体位変換を最低限に抑えることができ，検査の負担やリスクを抑えることができる。さらに，多目的な撮影に対応できることから，救急や外傷患者への対応や他の撮影装置のバックアップなど，“Multi”な活用が可能になる。

血管撮影装置では，ハイエンドのラインナップである天井懸垂型の「Artis Q TA」を実機展示した。Artis Qには，新たに“PURE”プラットフォームが採用され，“Artis with PURE”として，Heads-up Displayなどの新しいインターフェイスや，“3D Wizard”，“QuickZoom”，“syngo 2D/3D Fusion”といった機能を搭載し，スムースでインテリジェントな手技をサポートする。PUREを搭載したArtis Q TAでは，さらに“syngo CTO Guidance”，“syngo EVAR Guidance”，“syngo LA Segmentation”の3つの新しいアプリケーションが追加されている。

モバイルCアーム撮影装置では，シーメンスとしては初めてFDを搭載した心臓血管外科領域向けの「Cios Alpha」と，X線管の容量やCアームの内径をコンパクトにした整形外科領域向けの「Cios Fusion」を展示した。

Multitom Raxの“Robotic Advanced X-ray”技術	スムースでスマートなインターベンションを サポートする“Artis with PURE”を搭載
PUREプラットフォームに対応したハイエンドの 血管撮影装置「Artis Q TA」	FDを搭載した外科用Cアーム撮影装置「Cios Alpha」
整形外科領域向けにコンパクト化を図った 「Cios Fusion」