電子カルテのスピード低下の原因は,ソフトウエアのバージョンアップによる高機能化,フィルムレス化によるグラフィック処理の増大,導入後の時間経過による端末の陳腐化,予算不足による低パフォーマンス機の導入が挙げられる。その結果として,患者待ち時間や医師・看護師などの労働時間の増大,1日の診療件数の減少,そして,それらによる医師・看護師などのストレス増大が起こる。 電子カルテを効率化するためには,サーバーのアップグレードや電子カルテソフトウエアの変更,バージョンアップが考えられるが,これらはコストもかかり,検証が必要になるなど,工数が増えてしまう。一方,高性能PC(例:Z200SFF)やPACS相乗りの多画面端末(例:Z400),高性能モバイル端末(例:EliteBook 8740w)を導入することによる効率化はコストも低く,工数も少なく,診療・看護業務の効率化も期待できる。HPではパフォーマンス検証のための,機器の貸し出しも行っている。
●事例1
A病院では,医師や看護師から電子カルテの速度が遅いという苦情が多く,PACSの画像配信も表示に時間がかかっていた。端末に原因があると推察されたことから,HPのワークステーション「Z400」を検証。その結果,10〜20秒程度だった画像表示速度が,2,3秒と劇的に改善した。これにより,A病院は,電子カルテ端末として「Z400」,「EliteBook 8540w」を多数導入。診療時間の短縮を図り,患者待ち時間を大幅に減少させた。
●事例2
B病院では,患者待ち時間が2時間にも及ぶ。大手カルテメーカ製を使用していたが,小回りのきく電子カルテ環境への更新を決定。また,ナナオ社製モニタによる多画面のPACSの相乗り端末によって医師の診察環境も改善し効率化を計画。HPの「Z200SFF」の検証により速度の向上がみられたので,電子カルテ端末として「Z200SFF」,PACS相乗り用として「Z400」,看護師用にモバイルワークステーションを導入した。これにより診療の効率化と時間短縮を図っている。
●事例3
多摩総合医療センター・小児総合医療センターでは,現場の看護師から電子カルテ端末の動作レスポンスが悪いという不満点があった。また,ソフトウエアのバージョンアップに伴い,画面に表示する情報量が増えた,数字の読み間違いを防ぐため高解像度で大画面のノートPCの必要性が高まった。そこで,モバイルワークステーション「EliteBook 8730w」を660台導入。満足のいくレスポンスが得られ,視認性の向上と数字入力の効率化が図れた。
HPのワークステーションに搭載されているテクノロジーによってパフォーマンスの向上が可能になっている。例えば,ワークス―ションに搭載されるインテル® Xeon® プロセッサー 5600番台は,電力効率を従来からさらに向上させ,電力消費を抑えつつスピードアップを図っている。また,インテル® ターボ・ブースト・テクノロジーは,高負荷時にプロセッサーの周波数を上げることで,処理速度を向上させる。さらにインテル®ハイパースレッディング・テクノロジーは,マルチスレッド・ワークロードで高い性能を実現している。このような技術の採用により,「Z200SFF」では,コンパクトな筐体ながら前世代のデスクトップ型ワークステーションxw4600と同等の性能を発揮。3Dレンダリングでは約2〜5倍の処理能力を発揮する。
HPの電子カルテ向けワークステーションは,省スペース型高性能モデル「Z200SFF」,PACS相乗りに適した「Z400」,1680×1050の解像度を持つモバイルワークステーションの「EliteBook 8540wと8740w」がある。
モバイルワークステーションは,振動や落下からハードディスクを守る「HP 3Dドライブガード」,耐久性に優れた筐体「HP DureCase」などを採用し,高信頼性を実現している。また,万一液体がこぼれた場合,本体内に液体が侵入することを防止する構造となっており,医療現場でも安心して使用することができる。
さらにHPのデスクトップ型のワークステーションは,標準保証が3年間土日・祝日対応の長期保証となっており,土日・祝日も診療を行う病院の現場でも安心して使用できる。また,HPワークステーションの全機種とナナオの電子カルテ用モニタの検証も行っており,医療現場で安心して使用できる端末となっている。
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