CTブースは今回,"CT Re-imagined. "をコンセプトとして掲げた。中心となったのは64列MDCT「LightSpeed
VCT」,「BrightSpeed」,Advantage Workstation「VolumeShare
2」の3つで,豊富な臨床データが併せて展示された。 LightSpeed
VCTは新たな機能として,"SnapShot Pulse","ECG
Editor","VolumeShuttle"の3つの新技術が搭載された。"SnapShot
Pulse"は心臓に対応するアプリケーションで,撮影とテーブル移動を交互に行うコンベンショナルスキャンを採用し,無駄な被ばくを避けることで従来比最大90%の被ばく低減を可能にする。CTの原点であるコンベンショナルスキャンをもう1度見つめなおし,被ばく低減を図りつつ,画質を向上させるのがねらいだ。"ECG
Editor"では,心電図の波形を被検者ごとに追加または削除して調整し,心臓撮影時に課題となっていた不整脈を回避して最適な心位相の画像を得ることができる。また,"VolumeShuttle"は,本来は1回転が40mm収集であるところを,テーブルを高速に往復運動させることで80mm収集し,頭部における広範囲のCTパーフュージョン,CTアンギオグラフィが可能になった。これらの技術は,いずれも心臓および頭頸部の撮影時の課題を解消すると同時に,画質の向上にも貢献しているのが大きな特長だ。また,全身の高速撮影が可能になり,従来は心臓に特化されがちな64列MDCTを,全身にも対応可能な装置としてアピールした。
4・8・16列のラインナップを持つBrightSpeedシリーズでは,日本の顧客ニーズや市場の動向に合わせて開発されたコンパクト設計の新製品が登場した。X線管球も6.5MHUと3.5MHUの2種類が用意され,特に16列については,心臓撮影を視野に入れている施設は6.5MHUで回転スピードは0.5秒というように,ニーズに応じて選ぶことができる。また,コンパクトでありながらLightSpeed
VCT技術を搭載することで,従来の性能が維持されているほか,操作性も向上している。
Advantage Workstation「VolumeShare 2」は,血管解析機能が新たに搭載され,血栓などが半自動的に抽出できるようになった。また,より高精度な全身の自動骨削除機能や,三次元処理された画像から病変が疑われる領域だけを二次元処理して観察可能な機能では,臨床的に価値のある診断画像を作成するためのプロセスの重要性などが示された。
(取材協力:瀬川晃司さん CTセールス&マーケティング部アプリケーショングループグループ長)