2017-11-27
Philipsブース
RSNA 2017[1日目:11月26日]
Philips(フィリップス)は,垣根を越えて,シームレスにつながるという考え方を示した“No Silos. No Limits.”を展示テーマに掲げた。Philipsは,デジタル化を進めることで“一連のヘルスケアプロセス”におけるイノベーションのさらなる加速に取り組んでおり,日本では2017年10月に社名を「フィリップス・ジャパン」へと変更し,新たな企業価値の創造に向けた施策を展開させている。今回の展示では,デジタル技術を活用してさまざまなデータをつなぎベネフィットを生み出すという方針を表現すべく,背骨のようにHealthcare Informatics/Performance Servicesセクションを置き,その周囲に各モダリティを配置するブースデザインで来場者を迎えた。
Philipsは,世界共通の課題となっている医療費抑制や高齢化による患者の増加に対応するべく,1回の検査で確実に診断する“First time right”にフォーカスし,その考え方のもとに開発された各種モダリティをアピールした。
ITEM 2017で発表された血管撮影装置の次世代プラットフォーム「Azurion」は,シングルプレーンの実機を展示するとともに,FDAと薬機法の承認がとれたばかりのバイプレーンタイプを紹介した。
MRIは,最新の1.5T MRIシステム「Prodiva 1.5T CX」を展示。また,アプリケーションとしては,2D・3Dで適用可能な“Compressed SENSE”と“3D APT”(Amide Proton Transfer imaging)がリリースとなり,原理や臨床画像のプレゼンテーションが行われた。
超音波診断装置のエリアでは,ブレストの新ソリューションとして「AI Breast」(薬機法未承認)のデモンストレーションが行われた。これは,磁場を使用したトラッキング情報により位置情報を得ることが可能で,スキャンしていないエリアがないかなどを視覚的に把握でき,スクリーニングなどでの活用が期待される。
CTは,レトロスペクティブにスペクトラルイメージングが可能な「IQon Spectral CT」を展示し,新しいイメージングとして骨挫傷の診断に有用な“Calcium Suppression”などをアピールした。
核医学では,日本でも2017年10月にリリースとなったPET/CT装置「Vereos PET/CT」を展示。このほか,X線撮影装置のラインアップなど,最新のモダリティが一堂に会している。
また,将来的な医療支援の一つの形として,Augmented Reality(AR)を用いたソリューションを参考展示した。ゴーグル型デバイスを通してナビゲーション画像などのデータを空間に表示したり,仮想的なモジュールでどこからでも装置の操作ができるといった,ARによる医療支援の可能性を紹介した。ノースビルディングに設けられたMachine Learning Showcaseにも出展し,AIやARなど注目の技術を活用した,フィリップスの考える未来の医療の形を来場者に提案した。