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ITEM2013 島津製作所 / 島津メディカルシステムズ ブースレポート「New Values for a New Tomorrow」をテーマに,臨床的付加価値を付けたX線撮影装置などを提案

2013-4-24

島津製作所/島津メディカルシステムズブース

島津製作所/島津メディカルシステムズブース

島津製作所/島津メディカルシステムズは,継続して掲げているITEMのテーマ「New Values for a New Tomorrow」のもと,長年同社が力を入れてきた各種X線撮影装置を中心にブースを展開した。今春にバイプレーンタイプが発売予定の12インチ角FPD搭載血管撮影装置「Trinias」シリーズや,第4世代のシステムとして低被ばくを追究し,新しいアプリケーションを搭載可能なFPD搭載多目的装置「SONIALVISION G4」,全世界で1700台の販売実績を持つFPD搭載デジタル回診車「MobileDaRt Evolution」などの撮影装置や,高機能アプリケーションなど,臨床的付加価値を付けた提案を行った。

 

 

●血管撮影装置:今春にバイプレーンタイプをリリース予定の「Trinias」シリーズ

血管撮影装置では,2012年10月に発売した12インチ角FPDを搭載した血管撮影装置「Trinias F12/C12」packageを展示した。Triniasは,循環器・血管治療の範囲がPCIなどの心血管にとどまらず,弁置換術や頭部インターベンション,下肢インターベンションなど全身へと広がってきていることから,頭頸部から下肢までの広い範囲をカバーする装置を求める臨床現場の声を受けて開発された。FPDの取り付け部分が,9インチFPD装置のサイズに近いコンパクトサイズのため,心臓撮影では深い角度での撮影が可能となっており,心臓検査に十分に対応できるという。
なお,すでに同社のシステムを使用している施設に対しては,既存システムを部分的にTriniasにアップグレードする“reBornパッケージ”での提供も行う。
Triniasのシリーズとして,今年度第一四半期に,バイプレーンの「Trinias B12」packageと8インチ角FPD搭載の循環器専用装置(床置き/天吊りシングルプレーン,バイプレーン)のリリースを予定している。
ブースでは,検査に必要なモニタや3Dワークステーションなどをパッケージとした提案も行われた。装置とともに展示された56インチの大画面モニタでは,透視像や撮影画像とともに,IVUSやバイタル,3D画像などを自由に表示でき,手技を強力にサポートする。
従来からあった血管撮影装置用のアプリケーションも,Triniasへの搭載にあたりブラッシュアップされた。RSM-DSAの画質を改良した新しい“SCORE RSM”は,血管とバックグラウンド(骨)とのコントラストをより高くし,細い血管まで確認しやすくなっている。体動によるアーチファクトのない画像を得られることから,造影剤や被ばくの低減,短時間での検査を可能にする。また,追加できる高機能アプリケーションとして,リアルタイムにステントの強調,固定表示が可能な“SCORE StentView”や,短時間で自動的に3D再構成画像を表示できる“SCORE 3D”,治療中にCTライクイメージングを表示できる“SCORE CT”などが,最新画像とともに紹介された。

パッケージ提案が行われた「Trinias」

パッケージ提案が行われた「Trinias」

“SCORE-RSM”

“SCORE-RSM”

   
“SCORE StentView”(オプション)

“SCORE StentView”(オプション)

 

 

●X線テレビシステム:“Best in Class”の「SONIALVISION G4」や可搬型FPD搭載装置を展示

X線テレビシステムは,2013年1月に発売となったミドルクラスのFPD搭載多目的装置「SONIALVISION G4」と,小規模医療施設向けの「FLEXAVISION F3 package」が展示された。
SONIALVISION G4は,中〜上位機種の透視装置でベストな装置“Best in Class”として開発された,第4世代のシステム。17インチ×17インチの大視野FPDを搭載し,消化器や泌尿器検査,整形外科領域の一般撮影まで幅広く対応する。最新の画像処理技術“SUREengine advance”により,高ダイナミックレンジの画像の取得が可能になっている。
被ばくへの対策として,容易に着脱可能なグリッドや,検査時にボタン1つでコリメータのビームハードニングフィルタが自動で切り替わる機能を搭載し,効果的な被ばく低減を実現する。また,透視装置では中央に絞られるコリメータが一般的だが,左右片側だけを絞る半動絞りも可能となっている。さらに,従来は透視をしながら行われたコリメータの設定を,撮影画像上で指定できるバーチャルコリメーション機能を搭載し,さらなる被ばく低減を追究している。
映像系は天板の端まで移動するため,泌尿器検査などにおいても,医師がアクセスしやすい。また,天板はフルフラットで低い位置まで下がるため,被検者の乗り降りやストレッチャーからの移動が容易に行えるなど,被検者や検査者に優しい装置となっている。
可搬型FPDを搭載した「FLEXAVISION F3」は,透視・撮影の両方に対応する新しいコンセプトの装置として中小規模施設を中心に評価され,2011年の発売から好調に受注。中小規模病院や検診施設,診療所に加え,大学病院での2台目,3台目に追加する装置として導入されているという。ブースでは,1.5mまで引き伸ばせるX線管を生かした嚥下造影検査のパッケージの提案が行われ,嚥下検査専用のス
トレッチャー車椅子とともに展示された。

「SONIALVISION G4」

「SONIALVISION G4」

「FLEXAVISION F3」の嚥下検査パッケージ提案

「FLEXAVISION F3」の嚥下検査パッケージ提案

 

透視から胸部,整形など多様な検査に対応するFLEXAVISION F3

透視から胸部,整形など多様な検査に対応するFLEXAVISION F3

 

●回診用X線撮影装置:「MobileDaRt Evolution」にFPDのラインナップが追加

回診用装置では,全世界で1700台の販売実績を持つFPD搭載デジタル回診車「MobileDaRt Evolution」を展示した。病棟回診だけでなく,NICU(新生児集中治療室)や手術室,災害医療などでの運用実績を積み重ねていることから,ブースでは,タブレット端末も活用した幅広いトータルソリューションの提案を行った。
これまでMobileDaRt Evolutionには,キヤノン社製ワイヤレスFPDが搭載されていたが,新しく富士フイルムメディカル社製のワイヤレスFPDも組み合わせ可能となり,初めて展示された。FPDサイズは,ともに14×17インチの半切りサイズであったが,富士フイルムメディカル社製FPDとの組み合わせシステムの場合は最大17×17インチまで可能。ほかにも,NICU向けに14×11インチのワイヤレスFPDと保育器を組み合わせての展示も行われた。富士フイルムメディカル社製FPDとの組み合わせシステムの発売は,第一四半期を予定している。

「MobileDaRt Evolution」

「MobileDaRt Evolution」

富士フイルムメディカル社製FPDとも組み合わせ可能に。

富士フイルムメディカル社製FPDとも
組み合わせ可能に。

 

氏名やIDが決まっていない新生児の画像を,NICUのミニPACSやタブレット端末を活用して取り扱う運用を紹介

氏名やIDが決まっていない新生児の画像を,NICUのミニPACSや
タブレット端末を活用して取り扱う運用を紹介

 

●一般撮影装置:オールインワンコンソールが特長の「RADspeed Pro V4」

今秋のリリースを予定している「RADspeed Pro V4」が紹介された。RADspeed Pro V4の最大の特長は“オールインワンコンソール”で,X線条件や撮影パラメータの設定,画像処理など,撮影検査にかかわる一連の操作を1つのユーザーインターフェイスで実行可能となっている。また,X線管球の前面モニタに確認用画像が表示されるため,被検者の側で位置ズレの有無などの確認ができ,ワークフローの向上が期待できる。シンプルな基本システムに,長尺撮影機能やオートポジショニング機能,ダイヤル式コンソール,検査室情報モニタ,側面撮影用ホルダーなどを追加することができ,施設のニーズに合った検査室の構築が可能となる。

さまざまな組み合わせが提案された「RADspeed Pro V4」

さまざまな組み合わせが提案された
「RADspeed Pro V4」

オールインワンコンソール

オールインワンコンソール

 

●アプリケーション:新しいトモシンセシス再構成処理法“T-smart”などを最新画像とともにアピール

最先端のアプリケーションを紹介する「Safire Gallery」が設けられ,トモシンセシスやスロットラジオグラフィなどが最新画像とともに紹介された。
新しいトモシンセシス再構成処理法“T-smart”は,同社独自の逐次近似法と金属アーチファクト除去技術を組み合わせたアプリケーションで,人工関節などによるアーチファクトを大幅に低減でき,人工骨と骨の癒着やギャップを評価しやすい。臨床への導入も始まっており,整形外科で高い評価を受けているという。
13日(土)には,同社のアプリケーションをテーマとした日本医学放射線学会総会共催のランチョンセミナー「FPD臨床技術の進化」が開催され,今井 裕氏(東海大学医学部学部長/専門診療学系画像診断学教授)の司会進行のもと,油原俊之氏(東京女子医科大学東医療センター放射線科主任)による「最新のトモシンセシス技術」と,小川健二氏(医療法人社団こうかん会日本鋼管病院院長)による「FPDアプリケーションの臨床有用性」が行われた。

Safire Galleryの様子

Safire Galleryの様子

 

単純X線撮影(各症例左)と比べ,T-smartでは明瞭な画像を得ることができる。

単純X線撮影(各症例左)と比べ,T-smartでは明瞭な画像を得ることができる。

 

●放射線治療用動体追跡システム:高精度な照射を可能にする「SyncTraX」を紹介

北海道大学大学院医学研究科と共同開発した放射線治療用動体追跡システム「SyncTraX」(薬事承認済み)が,パネルとムービーで初展示された。放射線治療の動体追跡システムは,2012年の診療報酬改定で加算が付いたことから関心が高まりつつある。
SyncTraXは,床と天井に設置されたそれぞれ2機のX線管球と受像部によるシステムで,治療中に2方向から透視による腫瘍近傍のモニタリングを行い,肺がんや肝臓がんなど,呼吸により動く腫瘍を監視する。術前に腫瘍周辺に留置した金マーカーを検出し,高速に演算を行うことで,接続したリニアック装置で高精度に腫瘍を照射することができる。正常組織への照射を1/4程度にまで減らすことができるという。2方向からのモニタリングによって三次元情報を得ることができるため,高い精度での照射が可能となり,高い線量を効果的に腫瘍に照射することが可能となっている。

放射線治療用動体追跡システム「SyncTraX」

放射線治療用動体追跡システム「SyncTraX」

 

高い精度で腫瘍への照射が可能

高い精度で腫瘍への照射が可能

 

お問い合わせ先:
株式会社島津製作所
医用機器事業部グローバルマーケティング部販売促進グループ
〒604-8511 京都府京都市中京区西ノ京桑原町1
TEL 075-823-1272 FAX 075-823-2921
http://www.med.shimadzu.co.jp/

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