ホーム 取材報告 RSNA2011スペシャル 取材レポート RSNA2011: HITACHI Medical Corp(日立) - FPD搭載モバイルCアームを発表&ヘルスケア事業
RSNA2011 |
RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)] |
X線システムは,FPDデジタル一般撮影装置「Radnext PLUS」,モバイルCアームシステム「Sirius Abeille」(W.I.P.,日本国内薬事未承認),モバイルX線撮影装置「Sirius Starmobile tiara」(日本国内薬事未承認)の3機種を展示した。
Radnext PLUSは,ユーザーの要望を取り入れて駆動部分を一新し,片手で操作可能なワンハンドコントローラーと新しい天井走行装置SX-A300を組み合わせることにより,操作性を向上させた装置。操作者にとって使いやすく,ワークフローが向上するのはもとより,空いた片手で被検者のサポートも可能となり,被検者にとってもやさしい装置となっている。
X線高電圧発生器とFPDのコンソールを一緒にしたオールインワンコンソールも特長のひとつで,撮影条件入力操作と画像処理操作を一画面に集約することで,操作の簡便化と省スペース化を実現した。また,FPDはフルサイズ(無線タイプ,参考出品)と半切カセッテサイズの2タイプを用意し,多様なニーズに対応する。製品ラインナップとしては,角度計のみをデジタル表示する“スマートセット”と,タッチパネルで条件設定などが可能な“アドバンストスマートセット”の2タイプで,会場ではアドバンストスマートセットが展示された。
また,画像処理エンジンは,最高機種「Radnext α」と同じ“FAiCEα(Full Automatic Image Control Engine α)”を採用し,グリッドモアレ除去や濃度の安定化,コントラスト向上,階調特性の最適化により,さまざまな部位や体型において,安定した画像の提供を可能にしている。NDD法による表面線量を自動計測・表示し,RISに送信できるため,被ばく線量管理が可能となる。ほかにも,トラッキング機能やオートトリミング機能,ポジショニング補助機能を搭載し,ワークフローの向上に重点が置かれたシステムとなっている。インターネットを利用したリモートカスタマーサポート(オプション)も,時代に応じたサービスとしてニーズが見込まれる。
参考出品したSirius Abeilleは,現在ではまだ少ないFPD搭載型のモバイルCアームシステム。装置自体を動かさずに,アームを前後左右に動かすことができる日立独自の“フローティング式Cアーム”の採用により,Cアーム左右方向に35cm移動でき,下肢撮影にも有用である。手術での使用をメインに想定されているが,“Abeille(みつばち)”が自在に飛び回るように,消化管や外科,泌尿器科など,オペ室で行われるさまざまな領域の検査で活用できる装置として,現在開発中である。
Sirius Starmobile tiaraは,ワイヤレスFPDを搭載したモバイルX線撮影装置で,最大出力を従来機(Sirius Starmobile)の15kWから32kWに増大。また,撮影後約3秒で画像を表示可能な15インチの本体モニタを搭載しながらも,従来機と同じサイズでの製品化を実現した。さらに,同社独自のパンタアームを採用し,高さ方向の稼働域を広くしたことで,手術室での使用にも適しており,X線可動絞り操作部を前後に配置し,ベッドの両サイドからの操作を可能にしている。Sirius Starmobile tiaraは,日本および東南アジアに向けて,2012年度以降に発売を予定している。
Sirius Abeille |
Sirius Starmobile tiara |
●日立グループヘルスケアコーナー
日立グループとしてヘルスケア事業を強化していく姿勢を示し,その一端を来場者に伝えることを目的に,今回,ブース内に“日立グループヘルスケアコーナー”が設けられた。グループのヘルスケア事業の主なポイントをまとめたビデオ上映や,フラグシップと位置づけている陽子線治療システムについてのパネル展示,また,米国のHitachi Data Systems Health & Life Sciencesが提供するデータストレージシステムの実機展示による紹介が行われた。
日立グループヘルスケアコーナー |
データストレージシステム |
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