ホーム 取材報告 RSNA2011スペシャル 取材レポート RSNA2011: HITACHI Medical Corp(日立)- 高い検査能力を誇る64列マルチスライスCT
RSNA2011 |
RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)] |
CTは,64列マルチスライスCT 「SCENARIA」が展示された。SCENARIAは,高い検査能力をめざして開発された装置で,0.35s/rotの高速回転と全身撮影,被ばく低減,高画質にこだわり,先進的な機能を備えている。
特長のひとつが,高速サンプリング技術。2880view/sという高いビューレートにより,画質を確保しながら,0.35s/rotで全身のどの部位でも撮影が可能になったことに加え,アーチファクトを生じやすいFOV辺縁部も高精細な画像を取得できるようになった。10秒間の撮影で比べると,従来機(1800view/s)は心臓撮影のみに対応していたが,同機は撮影範囲を42%広くすることができる。
横スライド寝台と心臓専用のBow-tieフィルタを組み合わせた被ばく低減技術“IntelliCenter”も特長のひとつである。寝台が,左右にそれぞれ8cm(計16cm)スライドすることにより,被検者の心臓をFOVの中心にセットすることができ,かつ,専用のBow-tieフィルタによりFOV辺縁部の被ばくを抑えることができる。IntelliCenterにより,FOV全体では24%,FOV外側では35%の被ばく低減が可能となる。
ほかにも,操作性を向上させる“ECG Conductor”や不整脈によるR波を除外して再構成画像を作成する“ECG Editor”,画像ノイズの30%低減(被ばく51%低減相当)を実現する逐次近似法を応用した“Intelli IP”など,有用な機能を搭載している。さらに現在,Intelli IPを超える逐次近似画像再構成法“W.I.T(Weighted Iterative Technology)”(W.I.P.)を開発中で,20回の反復処理により画像ノイズを60.6%低減(被ばく84.5%低減相当)可能とのデータも出ているという。
SCENARIAの左右16cmスライドの様子
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