ITEM2018 インフォコム ブースレポート 
チーム医療を支援するための機能強化を図った治療RIS「iRad-RT」など,診療現場のニーズに応える最新システムをPR


2018-5-1


インフォコムブース

インフォコムブース

インフォコムは,診療情報や薬剤情報の管理システム,手術・看護向けシステム,経営支援システム,災害・救急向けシステムなど,多様な製品を展開し,診療現場の業務を支援するソリューションを提供している。その中でも放射線部門に対しては,検査・診断関連としてRIS「iRad-RS」,PACS「iRad-IA」,検像システム「iRad-QA」,レポートシステム「iRad-RW」,DICOM画像ビューワ「eFiLm Workstation」,整形外科用画像システム「iRad-OT」をラインアップしているほか,放射線治療関連として治療RIS「iRad-RT」,治療ビューワ「RT Image Viewer」を提供。放射線部門の業務をカバーする多くの製品を用意している。特に,診療報酬改定や診療現場のニーズに速やかに対応して,それぞれのシステムがバージョンアップを重ねることで,ユーザーからの信頼を勝ち得ている。今回のITEMでも,既存システムのバージョンアップで追加された新機能などの紹介が行われた。
iRad-RTは,新バージョン「V9」へと進化。そのコンセプトや新しい機能が紹介された。また,RT Image Viewerも,地域連携での利用を意識した機能が強化されている。一方,iRad-RSも今回の診療報酬改定で新設された画像診断管理加算3の施設基準を踏まえた新機能についてアナウンスが行われたほか,iRad-RWでも読影レポートの見落としを防ぐための機能の追加されたことがPRされた。

チーム医療を推進する機能を強化したiRad-RTの新バージョン

チーム医療を推進する機能を強化したiRad-RTの新バージョン

 

●放射線治療のチーム医療を推進する治療RIS「iRad-RT」

治療RISの最新バージョンiRad-RT V9は,従来システムから大きな進化を遂げ,新パッケージシステムとして,ブース内で大々的にPRされた。2017年11月17日(金)〜19日(日)に開催された日本放射線腫瘍学会(JASTRO)第30回学術大会の機器展示でも同社ブースで参考展示され,製品版は今回のITEMがお披露目の場となった。効率的なチーム医療の実現をめざした新バージョンは,「チーム医療の向上」「業務効率の向上」「安心・安全の向上」「簡単操作の向上」という4つのコンセプトに基づいて開発が行われた。ユーザーインターフェイスを大幅に改良し,“治療InformationPortal”では,治療計画CT撮影や照射などの業務スケジュールがカレンダー式に表示され,医師や診療放射線技師,看護師,事務員などのスタッフが内容を確認できる。また,メモ機能により情報共有が促進され,確実な業務も遂行につながり,多職種連携による放射線治療を支援する。さらに,専用メニューボタンの採用などによって,治療・照射のワークリスト画面から,治療計画CTの撮影オーダを行ったり,治療情報管理画面を起動させたりといったことが可能となり,業務効率の向上に寄与する。医療安全対策についても抜かりはなく,患者の顔写真による治療内容の照合など,受け付け時や照射開始・完了時にRISの情報を確認しながら確実に業務を行えるほか,QA/QA管理機能も搭載した。これら以外にも,ウィザード形式の治療情報の入力や有害事象のレポート作成支援,照射オーダの一括登録といった機能を採用。JASTROの放射線治療症例全国登録(JROD)などのデータ作成も容易に行えるなど,入力作業の効率化も図られている。
iRad-RT V9は,これらの機能がオールインワンパッケージのシステムとして提供されるが,医療機関のニーズに合わせて取捨選択することも可能。運用に合わせた柔軟なシステム構成にすることができる。

情報共有を支援するユーザーインターフェイスを採用した“治療InformationPortal”

情報共有を支援するユーザーインターフェイスを採用した“治療InformationPortal”

 

メニューボタンにより業務効率を向上する治療ワークリスト画面

メニューボタンにより業務効率を向上する治療ワークリスト画面

 

ウィザード形式の治療情報の入力

ウィザード形式の治療情報の入力

 

●パブリッシャー出力に対応した治療ビューワ「RT Image Viewer」

iRad-RTともシームレスに連携する治療ビューワのRT Image Viewerも新機能が追加された。新たにパブリッシャー機能が追加され,紹介用のCD/DVD出力が可能となった。紹介元の医療機関にあるRT Image ViewerのクライアントからCD/DVDを作成することで,紹介先施設でもdose volume histogram(DVH)や線量分布図などを参照できる。CD/DVDには,データだけでなく簡易ビューワソフトウエアも収録しているため,紹介先施設はRT Image Viewerがなくてもよい。今後は放射線治療においても地域連携が進むと予想されることから,RT Image Viewerの新機能搭載は,放射線治療のすそ野を広げるという視点からも歓迎される。

「RT Image Viewer」のパブリッシャー機能の説明

「RT Image Viewer」のパブリッシャー機能の説明

 

「iRad-RT」(左)から「RT Image Viewer」(右)を起動

「iRad-RT」(左)から「RT Image Viewer」(右)を起動

 

●レポートシステム「iRad-RW」は既読管理機能により医療安全に貢献

レポートシステムのiRad-RWも機能強化が図られた。新バージョン「V9」では,読影レポートの既読管理機能が拡充された。近年,放射線科医が作成した読影レポートをオーダ元の診療科の医師が詳細に確認しておらず,読影レポート上で指摘されていた病変の見落としなどの医療過誤が発生し,訴訟に発展するケースが出てきている。こうしたリスクを低減し,医療安全に貢献する機能がiRad-RWに追加された。その一つとして,検査目的の部位と異なる箇所に病変が疑われる異常があった場合,放射線科医が重要フラグによる通知を行えるようにした。これにより,診療科の医師に注意喚起する。また,診療科の医師が,読影依頼したレポートを参照した時に,「既読」の登録を行う機能ができた。既読の確認については,放射線科医や診療放射線技師だけでなく,ほかの診療科からも行える。

既読管理機能により見落としを防止する「iRad-RW」

既読管理機能により見落としを防止する「iRad-RW」

 

重要フラグで注意を喚起できる「iRad-RW」

重要フラグで注意を喚起できる「iRad-RW」

 

●新たに搭載した線量管理機能がPRされたRIS「iRad-RS」

2018年度の診療報酬改定で新設された画像診断管理加算3では,施設基準として線量管理を行っていることが盛り込まれ,特にCT検査の線量情報を電子的に記録し患者や検査プロトコール管理で集計・管理し,線量の最適化に取り組んでいることが明記された。これを受けて,線量管理システムのほか,線量管理機能を搭載したRIS,検像システムに注目が集まっているが,同社のRISであるiRad-RSでもモダリティやPACSからDICOM RDSRの線量情報を収集・蓄積し,RISの患者情報,検査情報と統合して線量管理を行える。

RIS「iRad-RS」には線量管理機能を追加

RIS「iRad-RS」には線量管理機能を追加

 

●お問い合わせ先
社名:インフォコム株式会社
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル
TEL:03-6866-3790
URL:http://www.infocom.co.jp/healthcare/irad/index.html


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