ITEM2016 東陽テクニカ ブースレポート
ユーザーからの評価の高い優れたソフトウエア製品を中心に,FPDの新製品なども展示


2016-5-6


東陽テクニカブース

東陽テクニカブース

東陽テクニカは,「テクノロジーで次の医療へ」をテーマに,10のソリューションコーナーを設けて,ユーザーからの評価の高い胸部X線画像読影支援ソリューション“ClearReadシリーズ”,デジタル・マンモグラフィ画像診断“MammoReadシリーズ”,整形外科フィルムレス“OrthoPlanner Pro”のコーナーなどを中心に展示を行った。また,機能が向上したVNA対応カスタムWebビューワ“IMS Web Viewer System”や,新製品として腫瘍画像解析ソフトウエア“TEXRAD”,CMOSフラットパネルディテクタ(FPD)「CFPシリーズ」,同じくFPD「Matrixiaシリーズ」などを紹介した。(4月16日取材)

 

●クラウド化され機能が向上したVNA対応カスタムWebビューワIMS Web Viewer System

IMS Web Viewer Systemは,iOS,Andoroid,Windowsに対応したDICOM Webビューワで,メーカーに依存しない画像表示(vender neutral archiving:VNA)が可能である。OEMとして提供されたメーカーがサーバにソフトウエアを搭載すると,クラウド(アマゾンウェブサービス:AWS)経由でサービスが提供され,各端末にソフトウエアをインストールすることなくサーバに保存された医用画像をWebブラウザで表示することができる。クラウドサイドレンダリングによりきわめて高速な画像処理が可能なほか,各種タブレットでもデスクトップPCと同等のDICOM画像を参照可能。また,DICOM以外の画像もサポートされており,放射線画像,病理,内視鏡,心電図などの静止画はもとより,超音波などの動画にも対応する。

VNA対応カスタムWebビューワ“IMS Web Viewer System”

VNA対応カスタムWebビューワ
“IMS Web Viewer System”

 

 

●病変を定量解析し治療方針決定などを補助する腫瘍画像解析ソフトウエアTEXRAD

TEXRADは英国TexRAD社の腫瘍画像解析ソフトウエアで,今回のITEMで初出品された。CT,MRI,PETなど,さまざまなモダリティに対応し,再現性に優れ,撮影装置や撮影条件への依存の少ない解析が可能である。解析は,ヒストグラム解析に加え,腫瘍の悪性度を測る独自のパラメータを用いて腫瘍を定量評価。heterogeniety(不均一性)を指標とすることで,腫瘍の大きさ,広がりだけでなく,より詳細な解析が可能となる。また,100以上の論文掲載および学会発表の実績を有し,高いエビデンスを基に治療方針決定や予後評価などに貢献する。

腫瘍画像解析ソフトウエア“TEXRAD”

腫瘍画像解析ソフトウエア“TEXRAD”

 

 

●より機能が充実したカスタム・ビューワ・ツールキットMyrian Toolkit / SDK

マルチモダリティに対応したイントラセンス社の3D画像解析ビューワ“Myrian”は,3Dの豊富な画像解析機能と充実した専門家向けアプリケーションを特長としており,機能のさらなる充実も図られている。このMyrianのさまざまな計測・画像処理・ビューワコンポーネントを,Myrian Toolkitでは OEMとして提供し,提供先メーカーのビューワに搭載可能なほか,Myrian SDKではMyrianのプラットホームをsoftware development kit(SDK)として提供し,MyrianプラットホームにOEM提供先メーカーのアプリケーションを搭載できることが紹介された。ITEM2016では,ナノナイフ治療における術前プランニング用のソフトウエアなどがデモンストレーションされた。

カスタム・ビューワ・ツールキット“Myrian Toolkit / SDK”

カスタム・ビューワ・ツールキット
“Myrian Toolkit / SDK”

 

 

●新しいFPDを2種類展示

・CMOSイメージセンサ採用のFPD,CFPシリーズ
OEMとして提供されるCFPシリーズは,FPDで多く使用されているTFTに代わりCMOSイメージセンサを採用している。これにより高感度・低ノイズを実現したことで低線量でも高いDQE(量子検出効率)が得られ,被ばく線量の低減に貢献する。パネルは15cm×15cm,20cm×22cm,31cm×31cmの3種類があり,ピクセルサイズは99μmとなっている。
また,今回の展示では,CFPシリーズと併せてFPDインターフェイス“FP Connect”が紹介された。FP Connectは,あらゆるFPDに接続可能なイメージングシステムで,どのメーカーのFPDを接続してもモダリティメーカーの既存のソフトウエアインターフェイスを維持することができる。暗電流,ピクセル補正,ゲイン補正,カスタムといったX線イメージングに必要なすべての画像処理を実施可能なほか,オプションで画像エンハンス機能やグラフィック出力機能などを搭載することもできる。

CMOSイメージセンサ採用のFPD「CFPシリーズ」

CMOSイメージセンサ採用のFPD「CFPシリーズ」

 

 

・フルサイズのFPD,Matrixiaシリーズ
新製品のMatrixiaはフルサイズ〔17インチ×17インチ(43cm×43cm)〕のFPDで,OEMではなく医療機関向けに販売される。ピクセルサイズは139μmで,シンチレータはGoSとCsIが用意されている。X線曝射自動検出機能(Automatic Exposure Detection)によりX線撮影発生装置/制御装置との有線接続が不要なほか,自動化キャリブレーション制御機構(Automatic Calibration Control)によりマニュアルでのキャリブレーションが不要なため,故障などで代替品を使用する場合でも,そのまますぐに使用可能となる。オプションでClearReadシリーズを搭載することができる。

フルサイズのFPD「Matrixiaシリーズ」

フルサイズのFPD「Matrixiaシリーズ」

 

 

●ユーザーから定評のある各種ソフトウエア製品をアピール

このほか,すでに多くの医療機関に導入され,ユーザーから高く評価されているソフトウエア製品を各コーナーで紹介した。
胸部X線画像読影支援ソリューションコーナーでは,ClearReadシリーズを展示した。骨組織透過ソリューション“ClearRead BS”は,胸部単純X線画像から骨組織を透過することで,肺組織の視認性を飛躍的に向上し,従来は骨と重なって困難だった病変の検出能向上に貢献する。経時差分ソリューション“ClearRead+Compare”は,骨組織透過処理後の現在および過去画像を差分し,経時的に変化があった部分を強調表示する。また,医療用チューブ強調ソリューション“ClearRead+Confirm”も同様に骨組織透過処理後のデータにConfirm処理を行うことで,中心静脈栄養(IVH)チューブやカテーテルなどを強調表示することができる。
整形外科フィルムレスコーナーでは,デジタルプランニングツールOrthoPlanner Proが紹介された。国内外のデジタルテンプレートをサポートし,100種類を超える整形専用計測ツールや,モニタ上で骨をトレースする“アウトライントレース機能”,自動で股関節のテンプレートを配置し骨切りまで実施する“オートテンプレート機能”,2方向の画像上の一方でインプラントのテンプレート位置を補正すると,もう一方の画像でも自動で同じ位置に補正される“テンプレートリンク機能”などがアピールされた。
デジタル・マンモグラフィ画像診断コーナーでは,MammoReadシリーズとして,デジタル・マンモグラフィ画像ビューワ“MammoRead Viewer”,乳房トモシンセシス読影モジュール“MammoRead TOMO”,マンモグラフィ診断所見レポートシステム“MammoRead Report”,マンモグラフィ画像保存システム“MammoRead DataManager”がラインナップされた。

胸部X線画像読影支援ソリューションコーナー

胸部X線画像読影支援ソリューションコーナー

整形外科フィルムレスコーナー

整形外科フィルムレスコーナー

   
デジタル・マンモグラフィ画像診断コーナー

デジタル・マンモグラフィ画像診断コーナー

 

 

●お問い合わせ先
株式会社東陽テクニカ
住所:〒103-8284 東京都中央区八重洲1-1-6
TEL:03-3245-1351
URL:http://www.toyo.co.jp/medical


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