ITEM2016 島津製作所/島津メディカルシステムズ ブースレポート
最新のX線システムに加え,予防から診断・治療,予後まで幅広くヘルスケアに貢献するビジョンを提示
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2016-4-28
島津製作所/島津メディカルシステムズブース
島津製作所/島津メディカルシステムズは,継続した展示テーマ「Passion for Details -Discovering new clinical values in diagnostic imaging」の下,多彩な製品群を来場者にアピールした。島津の主力製品となるX線システムについては,すべて最新のJIS規格にいち早く適合し,表面線量表示や着脱式グリッドなどを標準装備している。昨2015年に140周年を迎えた島津製作所は,X線診断装置に強みを持つ国内メーカーとして確固たる地位を築いているが,今回は,従来の診断・治療のための装置に加え,予防・先制医療・予後までも視野に入れた製品を出展。より幅広くヘルスケアビジネスを展開していくことを来場者に紹介した。(4月16日取材)
●一般撮影装置:診療所向け新製品「X’sy Pro EFX」とシンプルな運用を支援するソリューションを紹介
近年は診療所においてもX線システムのDR化が進んでいることを受け,2015年9月に発売したのが診療所向け一般撮影システム「X’sy Pro EFX」である。DRシステムを,キヤノン,富士フイルムメディカル,コニカミノルタジャパンから選択できるDR “NEUTRAL”を採用し,ユーザーの要望に合わせて提供できる。臥位撮影台が標準パッケージとなっており,立位スタンドを追加することも可能だ。また,成安造形大学芸術学部(滋賀県)との産学連携で,学生がデザインしたデコレーションバージョン(3タイプ)も提案でき,小児検査などにおいて患者の心理的不安を軽減する。
また,新しい機能としてX’sy Pro EFXとキヤノンのCXDI,診療所向け電子カルテシステム「SimCLINIC T3α」を連携させ,オーダから診断までのスムーズなフローを実現する“SMS-Link”が紹介された。SimCLINIC T3αで検査オーダを出すと,CXDIのコンソールに撮影条件が自動で反映され,撮影室では撮影開始ボタンと体厚を選択するだけで撮影が可能になる。検査終了後は,撮影画像がSimCLINIC T3αに送られ,標準搭載された医用画像表示ソフトウエアで画像診断を行うことができる。3月から提供が始まっており,ブースでは2016年で創立50周年を迎えた島津メディカルシステムズの記念特別キャンペーンとして来場者に紹介された。
一般撮影装置としては,長尺撮影,デュアルエナジーサブトラクション,トモシンセシスのアプリケーションを搭載可能な最上位機種「RADspeed Pro EDGE package」も展示され,臨床データを中心に紹介した。トモシンセシスの振り角は臥位で最大60°となっており,検査ごとに適切なプロトコールが組み込まれている。また,長尺撮影は最大160cmまで撮影可能で,脊椎から踵まで撮影したいというニーズにも応えうるシステムとなっている。
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●回診用X線撮影装置:島津のDRと融合した「MobileDaRt Evolution MX7 Version」を発表
第7世代の回診システムとなる「MobileDaRt Evolution MX7 Version」(W.I.P.)を参考展示した。島津開発のデジタルインターフェイスとワイヤレスFPDを組み合わせたシステムで,17インチのタッチパネルモニタの搭載により視認性・操作性を高めている。システムでバッテリー管理をすることで,詳細な管理と省電力化を実現。また,FPDのカバー着脱を容易に行えるようにFPDを差し込むスロットや収納ボックスも備え,使いやすさにも配慮されている。2016年上期の発売をめざしている。
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●血管撮影装置:造影剤低減に貢献する“SCORE Navi+Plus”など高機能アプリケーションを紹介
FPD搭載の血管撮影システム「Trinias MiX」シリーズのエリアでは,低侵襲手技を支援するアプリケーションを中心にアピールした。3D-CT画像と透視画像をアリルタイムにフュージョンする“SCORE Navi+Plus”(オプション)は,造影3D-CT画像と透視画像を重ねたフュージョン画像を寝台とアームに追従しながら表示することで,新たに造影をすることなくIVR手技を完遂することができる。動きに強い“SCORE RSM”やデバイスの視認性を向上させる“SCORE StentView+Plus”など高機能アプリケーションを活用することで,被ばくや造影剤を低減した低侵襲治療を実現できることをアピールした。
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●近赤外光カメラシステム装置:新分野となる外科用イメージングシステム「LIGHTVISION」を発売
X線システムを扱ってきた島津が開発した新しいイメージングシステムが,近赤外光を使った「LIGHTVISION」である。血管やリンパ管に投与した薬剤インドシアニングリーン(ICG)に近赤外励起光を照射し,ICGから発生する近赤外蛍光を画像化することで血管やリンパ管を可視化するイメージング法で,モニタには肉眼の視野画像と蛍光画像を重ね合わせた画像が表示される。同手法は乳がんセンチネルリンパ節切除の手技において保険適用となっており,主にリンパ節を同定するイメージング装置として展開していく。先端にカメラがついたアームは手動で伸ばして適切な位置に配置することができ,また,カメラはリモコン操作可能なため,執刀医の手技を妨げずに高画質画像を提供する。
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●乳房専用PET装置:実機と臨床データを展示し,乳房専用装置の有用性をアピール
2015年から出荷を開始した乳房専用PET装置「Elmammo」は,国内施設への導入が始まったことから,臨床画像を中心に紹介した。マンモグラフィで観察が難しいデンスブレストでもPETでは腫瘍に集積するFDGを明瞭にとらえられることや,ホルモンの影響で偽陽性が出やすい乳腺MRIもPETとフュージョンすることで真偽の判別ができるといった,PET検査を追加する有用性を臨床画像を示して説明した。また,全身用PETと比べて圧倒的な高解像度(感度約10倍,解像度約2倍)を実現していることから,化学療法後のわずかな残存腫瘍も拾い上げることができると期待される。
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●質量分析装置:予防・先制医療・予後に貢献する新分野製品で幅広くヘルスケアをサポート
島津はこれまで,研究分野などに分析計測技術を提供してきたが,これをヘルスケアでも活用することで予防や先制医療,予後に貢献していく。展示された質量分析装置「Nexera LC-MS/MS」は,新生児のマス・スクリーニングや,抗がん剤治療における患者ひとりひとりに合った投与量のコントロールなどに活用できる。医療用として,2014年にFDA,2015年に薬機法の承認を取得し,日米においてヘルスケア分野で販売していく。島津は今後,このような分析装置の投入により,予防から診断,治療まで幅広いヘルスケアビジネスを展開していく。
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●放射線治療装置用動体追跡システム:新型システム「SyncTraX FX4 version」を展示
島津は,放射線治療装置用動体追跡システムとして2013年から「SyncTraX」を提供しているが,今回,2016年上期に発売予定の新型システム「SyncTraX FX4 version」を模型や動画で紹介した。従来のシステムは,2組のX線管とI.I.がU字型トラックを動いてマーカーをとらえる方式であった。これに対しSyncTraX FX4 versionは4組のX線管とFPDを固定設置し,ガントリヘッドを避ける最適方向に切り替えて透視・撮影を行うことで,精度高く追従することができる。また,オプションとしてIGRT機能“Smart Aligner”を搭載でき,治療計画位置からのズレを算出し,治療計画に反映することで,より高精度なIGRTを支援する。
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●お問い合わせ先
株式会社島津製作所
住所:京都市中京区西ノ京桑原町1
TEL:075-823-1271
URL:http://www.med.shimadzu.co.jp/
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