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Healthcare Re-imagined.―医療の一歩先を見据えた新ブランド戦略を発表

木内 大 マーケティング本部本部長 木内 大 マーケティング本部本部長


 GE社ではここ数年,グローバルビジョンである“Healthcare Re-imagined.”をテーマに掲げ,Early Healthアピールしてきましたが,今回はそれに加えて,各製品の特長を皆様によりわかりやすくお伝えし,かつ,それぞれの製品に応じた最適な開発を行っていこうということで,新しいブランド戦略を発表しました。今後はモダリティの枠を超えて,ハイエンド装置の「Discovery」,高い検査効率により臨床で有用性を最大限に発揮する「Optima」,使いやすさと経済性を重視した「Brivo」という3つの統一ブランドを展開していきます。ITEM 2009では,Discoveryという最上位ブランドの製品のみを発表していますが,今後は徐々にこの3つのブランドに集約していきます。

 ブースについては今回,よりオープンなデザインを取り入れました。中央に展示されているのはMRIとCTですが,それ以外の製品にも新製品がたくさん登場しています。また,医療の分野においても国を挙げてIT化を推進していますが,われわれはPACSの次を見据えた製品の開発にもいち早く取り組み,そうしたシステムも展示しています。当社は,“in Japan for Japan”をコンセプトに,より日本のお客様にフィットした製品づくりを行ってきましたので,その点にもぜひ注目していただけたらと思います。(4月17日取材)

 
GEブース

GEブース受付

◆ CT 分解能と低被ばくにフォーカスしたHigh Definition CT(HDCT)「Discovery CT750 HD」
   

 CTは新製品として,High Definition CT(HDCT)「Discovery CT750 HD」,64列MDCT「Light Speed VCT VISION」,8列/16列CT「Bright Speed SDシリーズ」がラインナップされた。

 最も注目を集めたDiscovery CT750 HDは,“See More. Know More. Less Dose.”をキャッチコピーに掲げ,分解能と低被ばくにフォーカスして開発された。view数を2496viewへと大幅に増加して空間分解能を向上し,高精細な情報が得られるようになったほか,Adaptive Statistical Iterative Recon (ASIR)という,逐次近似法を応用したノイズリダクションのアルゴリズムによって,従来と同X線量での撮影なら従来の半分以下に被ばくを低減することができる。さらに,Snap Shot Pulseの併用により,心臓検査については0.43mSvという,世界最小の被ばく線量を実現した。また,デュアルエナジーの撮像法として,Gemstone Spectral Imaging(GSI)が紹介された。これは異なる2つのkVを高速にスイッチングしてヘリカルスキャンによる連続したデータ収集を可能にする技術であり,画像を定量化できるようになることから,例えば,組織の変性や血流分布などが評価できるようになると期待されている。X線管球が1回転する間に,約5msごとに管電圧を切り替えるという手法を採用し,デュアルエナジーで最も問題になっていたミスレジストレーションを最小限に抑えることができる。

 

Discovery CT750 HD
Discovery CT750 HD

     

 実機は展示されなかったものの,新製品としてLight Speed VCT VISIONが紹介された。これは,DiscoveryCT 750HDの技術を取り入れたモデルで,ASIRと,寝台を高速に往復運動させながら撮影する“Volume Helical Shuttle”が搭載されており,500スライスの4D収集を低被ばくで実現する。これにより,最大で約31cmの広範囲の撮影が可能となる。

 このほか,画質と撮影スピードを追究したBright Speed SDシリーズが紹介された。

  Light Speed VCT VISION はDiscovery CT750 HDの技術が取り入られており,Volume Helical Shuttleにより最大で約31cmの広範囲の撮影が可能
Light Speed VCT VISION はDiscovery CT750 HDの技術が
取り入れられており,Volume Helical Shuttleにより最大で
約31cmの広範囲の撮影が可能

◆ MRI 新製品3機種と豊富なアプリケーションを中心に
「Signa HDxt」,「Signa HDe Second Edition」を展示
   

 1.5T/3T共通の外観を持つSigna HDxtが中心に展示された。1.5Tは“まだ見ぬ領域を可視化するためのボリュームの表現力”,3Tは“一歩先行く3.0Tクオリティ”が,それぞれテーマとして掲げられた。使用できるアプリケーションは1.5T/3T共通であり,その中核として,局所磁場の不均一を抑制する“IDEAL”,ボリューム撮像アプリケーション“Cube”,非造影MRAの新技術が紹介された。なかでもIDEALは,これまでMRIでは解決できなかった局所磁場の不均一によって生じるアーチファクトを大幅に低減し,全身のすべての部位で高精細な画像の描出を可能にしている。今回は,特に国内で撮像したデータを来場者に見てもらうことを大きなテーマとしており,実際の画像がパネルなどで展示された。また,Cubeは,全身のT2強調画像を3Dで撮像し,アイソトロピックなボリュームデータを得ることができる。さらに,3T装置については,“エリプティカルドライブ”という新しいハードウエアが搭載された。3T MRI特有の画像の送信ムラが抑制され,骨盤および体幹部領域の画質が大幅に向上している。

 

1.5T/3T共通の外観を持つSigna HDxt
1.5T/3T共通の外観を持つSigna HDxt


  1.5T MRIでは,Signa HDeに,新たに「Signa HDe Second Edition」が登場した。Signa HDeについては,「臨床のベストスキャナー」をコンセプトとしており,すでに全世界で500台以上,国内でも120台以上が稼働している。Signa HDe Second Editionではそれがさらに進化し,より使いやすく,研究的な要素が含まれる新しいアプリケーションが搭載された。

◆ I & XI (Intervention & X-ray Imageing) 外科用X線装置の新製品「OEC 9900 Elite」を発表
 

 I&XIブースでは,外科用X線装置の最上位機種「OEC 9900 Elite」,デジタルマンモグラフィ「Senographe DS LaVerite」,FPD搭載一般撮影装置「Definium8000」が展示された。

 

●外科用X線装置「OEC 9900 Elite」

  外科用X線装置に新たにOEC 9900 Eliteが登場した。従来のOEC 9800と同様,モバイルのCアーム装置としては唯一,電動でCアームが回転するのはもちろん,OEC 9900 Eliteでは,新たに血管撮影装置「Innova」シリーズに採用されている画像処理技術“ダイナミックレンジマネジメント(DRM)”が採用された。これは,骨や軟部組織,デバイスなど,画像情報を構成する複数の空間周波数成分を的確に処理する技術で,従来のI.I.装置やモバイル装置では成し得なかったレベルでの,血管やデバイスなどの視認性の向上を実現した。 また,心臓や脊椎など,撮影部位に応じた最適な条件を自動的に設定する“アナトミカル・プロファイル”機能を搭載。さらに,シリーズで初めて高輝度液晶モニタを搭載したほか,モニタを伸縮自在なアームに取りつけることで,固定ではなく前に引き出すことができるようになっているなど,術者の利便性が向上している。

  OEC 9900 Elite
OEC 9900 Elite
     

●血管撮影装置「Innova」シリーズ

 血管撮影装置は新たに,高画質,低被ばく,高い操作性を実現した「Innova 2100IQ Pro」(循環器用),「Innova 3100IQ Pro」(全身領域用),「Innova 4100IQ Pro」(腹部用)の3機種が登場した。新たに搭載された「StentViz」は,ステントのマーカーボールの2点間のガイドワイヤのすべての動きをトラッキングして,マーカーとガイドワイヤの加算平均を取ることで,マーカーボールだけでなく,ステントの非常に微細な構造まで的確に認識して高精細に抽出することができる。約30秒で本体での処理が可能であり,ワークステーションに画像を転送しなくても,術者がその場で画像を確認することができる。また,新しい被ばく低減技術として,「パーソナライズド・ドース」機能が搭載された。従来はX線量と画質のバランスの選択肢が少なかったが,パーソナライズド・ドース機能によって,ベッドサイドで術者自身が60通りの選択肢の中から,検査の目的や患者さんの状態などに応じて最適なX線量と画質のバランスを簡単に選べるようになった。

     

●デジタルマンモグラフィ
  「Senographe DS LaVerite」

  マンモグラフィは今回,Japanの“J”をキーワードに,特に日本にフォーカスした新機能が中心に紹介された。Senographe DS LaVerite には以前から,乳房の厚さと圧迫の圧力,乳腺の密度などから自動的に適切な線量を計算する“Automatic Optimazation Parameter(AOP)”が搭載されているが,これに加えて新たに“AOP-J”が搭載された。これは,日本人のデンスブレストな乳房に特化したプログラムであり,より高画質が得られるようになった。また,ワークステーション「SenoAdvantage2.1」には,瞬時にコントラストを最適化できるPremium Viewの新機能として,“Premium View-J”が搭載された。ウインドウ幅やウインドウレベルが自動で調整されるほか,モニタ診断だけでなくフィルム診断にも対応可能なパラメータとなっている。

  Senographe DS LaVerite
Senographe DS LaVerite
     

●一般撮影装置「Definium8000」

  FPD搭載一般撮影装置「Definium8000」が展示された。最大150cmの長尺撮影が可能な“オートイメージペースト”や,X線管の支持軸に採用されたモータによって自動でポジショニングを行うことができる“オートポジショニング”,高速で安定性のある1枚形成のFPDを最大限に生かした“デュアル・エナジー・サブトラクション”などのほか,オプションでトモシンセシス“Volume RAD”を搭載することができる。

 なお,GE社は4月15日,デジタルX線一般撮影装置「Definium6000」について,コニカメディカルエムジー社が独占販売することで両社が合意したと発表した。これによりGE社は,さらなる中・小規模病院などを中心とする顧客層の拡大と販売網の強化をめざす。

  Definium8000
Definium8000

◆ 核医学 モーションフリーをテーマにSPECTとPET-CTの新製品を展示
   
 MIのブースでは,“モーションフリー”をテーマにSPECTの新製品“Ventri”と,PET-CTの新製品「Discovery PET/CT 600」が展示された。
     

●SPECT「Ventri」

 Ventriは国内で唯一,心臓検査に特化した装置で,最小設置面積が10m2と小型化が図られている。患者さんがリラックスして検査を受けられるよう,アームサポートとレッグサポートが搭載されていおり,特にアームサポートは,テープなどで腕を留める必要もなく,腕を上げておくだけ検査を受けることができる。また,コリメータの構造に由来する幾何学的な分解能や散乱線などによるSNRの劣化などを補正する“Evolution”が搭載された。これにより,収集時間を従来の約半分にまで短縮することができる。画像処理についても進化しており,画像データがワークステーションに自動転送される機能に加えて,再構成まで自動で行えるようになった。

 

Ventri
Ventri

     

●PET-CT「Discovery PET/CT 600」

  16列CT搭載のDiscovery PET/CT 600は,小型のモックアップが展示された。日本ではPET検査の95%が腫瘍検索目的であることを受け,3D収集専用のみを行う腫瘍検索に特化した装置となっている。呼吸同期用のセンサーを搭載し,検出器自体の感度を向上することで,より正確な同期データ収集を行い,さらにCTとPETの位相をきちんと合わせた正確な吸収補正を行うことで,以前は呼吸性移動によって見えなくなってしまっていた小さな腫瘍もきちんと描出されるようになった。また,撮影とほぼ同時に画像再構成が始まるため,撮影終了後約1分で画像を確認することができる。

  Discovery PET/CT 600
Discovery PET/CT 600

◆ 超音波 他のモダリティとのコラボレーションが可能な「LOGIQ E9」
   

 超音波については今回,他のモダリティとのコラボレーションをテーマに,4か所に「LOGIQ E9」が展示された。血管撮影装置やCT,MRIとの連携が可能であり,たとえば,画面を2分割してCT像と超音波像を表示し,CTの画像上に超音波装置で見ている領域を緑色の枠で示すことで,CT画像で目的部位を確認しながら診断することができる。病変の位置情報をマーキングして保存することも可能で,病変を見失うことなく診断できるなど,診断精度の向上に貢献する。また,超音波の課題である死角の情報もカバーされ,特に肝臓のRF治療や乳房の生検で有用性を発揮すると考えられている。

 

CTコーナーに展示されたLOGIQ E9
CTコーナーに展示されたLOGIQ E9

MRIコーナーに展示されたLOGIQ E9
MRIコーナーに展示されたLOGIQ E9


◆ Healthcare IT 診断から画像配信までのトータルなワークフローを提供
   

 Healthcare ITでは,診断から画像配信までのトータルなワークフローを提供することをテーマに展示が行われた。

 院内全体のフィルムレス化にあたっては,外来や病棟で画像やレポートをどのような形で見ていくかがカギとなる。そこでGE社では,いかにワークフローの効率化を図るかに重点を置いてシステム開発が進められているが,そのシステムの軸となるのが「Centricity iDIR」(セントリシティ・アイディアイアール)である。患者さんのID情報から,その患者さんがいつ,どのような検査を受け,どのようなレポートがあるかをサムネールで一覧表示することができる。以前は,医師が電子カルテなどからさまざまな情報を随時探し出さなければならなかったが,Centricity iDIRでは,患者IDによって過去や現在のDICOM画像はもちろん,病理の報告書や手書きカルテをスキャンしたPDFやJAPEGデータなどの患者履歴が一元管理されるため,サムネールをクリックするだけで簡単に必要な情報を見ることができる。これらの情報は,Webビューワ「Centricity Web」で参照可能である。また,新たに保存された情報は,自動的にCentricity iDIRのサムネールに追加される。

 

Centricity iDIRで患者履歴をサムネール表示することができる。
Centricity iDIRで患者履歴をサムネール表示することができる。

Centricity Webで画像やレポートの情報を表示
Centricity Webで画像やレポートの情報を表示

     
 読影レポーティングシステム「Centricity i3」(セントリシティ・アイキューブ)では,患者さんの当日のレポートを選ぶと同時に,同一モダリティ,同一部位の過去レポートおよび,その患者さんがその日に行った検査の画像と同一モダリティ,同一部位の過去画像が同時に開くため,読影時に容易に過去比較読影を行うことができる。画面を分割して画像データ,検査の承諾書,レポートなどをすべて1画面に表示することもできる。   Centricity i3では,読影時に容易に過去比較読影を行うことができる。
Centricity i3では,読影時に容易に過去比較読影を行うことができる。
     
 このほか,循環器科のワークフローを飛躍的に向上する循環器統合ネットワークシステム「Centricity Cardiology XI2」(セントリシティ・カーディオロジー・エックスアイ・スクエア)が紹介された。   Centricity Cardiology XI2
Centricity Cardiology XI2

◆ サポート リモートサービスに新たに遠隔予兆監視機能や遠隔トレーニング機能を搭載
   

 リモートサービスの新機能として,遠隔予兆監視機能「InSite OnWatch」(仮称)が搭載された。また、遠隔トレーニング機能「TipVA」が紹介された。

 遠隔予兆監視では,システムに不具合が生じる前に必要な情報が遠隔監視センター送信にされる。それにより,故障などを未然に防ぐことができる。

 また,TipVAは,通信回線を使用し,リアルタイムに遠隔トレーニングを提供することができる。

 

遠隔予兆監視機能「InSite OnWatch」
遠隔予兆監視機能「InSite OnWatch」

遠隔トレーニング機能「TiPVA」
遠隔トレーニング機能「TiPVA」


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