ITEM 2008

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ブースリポート
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2007 2006 2005

Fine-tune your sight
- 臨床評価を取り入れ,より洗練されたモダリティを展示

 今回,日立メディコブースでは,“Fine-tune your sight”をテーマに掲げ,展示を行いました。ITEM2007では多くの新製品を発表し,この1年,多くのユーザーに臨床の現場で活用していただきましたが,そうした中からいただいたたくさんの声を製品開発に反映させることで,新しい機能が登場し,画質も飛躍的に向上しました。同社ではこれからも,ユーザーの声を生かすことで,いまある装置をより洗練させていくとともに,新製品開発にもよりいっそう力を入れていきたいと考えています。
(4月4日取材)

貝間 仁氏
総務本部 法務・コミュニケーション部 広報・IR担当

  ブース

◆CT あらゆるユーザーにフィットするMDCT「ECLOS」

 “Multi-Fit CT”をコンセプトに開発された「ECLOS」は,各医療機関の検査数や検査内容,設置スペースなどに応じたカスタマイズの自由度の高さが大きな特長となっている。近年,心臓CT検査は16列から64列MDCTへと移行するなか,心臓CT検査に必要なハイスペックな機能は極力カットし,臨床での使いやすさと検査効率を追究している。検出器列数は4,8,16列の3種類があるほか,3.5HUと5.0HUの2種類のX線管,ロングテーブルとスタンダードテーブル,ネットワーク構成を自由に選ぶことができ,導入後の変更やアップグレードも可能で,昨年6月の発売から今年3月末までの納入実績は,全世界で約200台を誇る。
  このECLOSに今回,CT検診アプリケーション“Pointerシリーズ”の2つの機能が新たに追加された。“wallPointer”は肋骨よりも内側の特に胸膜部分の高吸収領域を抽出する機能であり,抽出箇所を2D/3D画像上でカラーマッピングすることにより,その分布状況を容易に観察することができる。また,“osteoPointer”は,頸椎および胸椎の海綿骨のSV値(Sparse Value)を算出する機能であり,脊椎のRaySum画像上にSV値を表示して解析することにより,脊椎の脆弱性を推定するツールとして期待されている。

 

ECLOS


◆MRI 診断能の向上につながる新アプリケーションが登場

 MRIブースでは,永久磁石型0.3TオープンMRI「AIRIS Elite」と,超電導型1.5T MRI「ECHELON Vega」が展示された。
  0.3Tでありながら,高画質が得られるAIRIS Eliteは,そのコンパクトな設計と,横方向にスライドするテーブルやフットスイッチなどによる操作性の良さと開発性に優れたオープンデザインで,クリニックを中心に高い支持を得ている。このAIRIS Eliteと0.4TオープンMRI「APERTO Inspire」の新アプリケーションとして,造影検査を支援する「ASCENDING 6.0」が登場した。これにより,X線を用いたDSAのような画像が得られるTRAQ(Time Resolved Acqisition)や,TRAQによって造影到達を画像で確認しながら撮像を開始できるFLUTE(Fluoro Triggered Exam),血液の信号を抑制して血管内腔の信号を落とし,血管壁を描出するBlack Blood Imagingなどが可能となった。

 

AIRIS Elite

 超電導型1.5T MRI「ECHELON Vega」では,使用経験から生まれたユーザーの声を生かして開発された,多数のアプリケーションが発表された。なかでも,特にユーザーから高く評価されているアプリケーションとして,「H-sinc」,「TIGRE/3D-GEIR」,「NATURAL」が紹介された。
「H-sinc」は,STIR法とCHESS法の両方のメリットを組み合わせ,脂肪を安定的に抑制する手法である。RF照射不均一に強く,広範囲でも安定した脂肪抑制が可能である。「TIGRE/3D-GEIR」は,腹部や乳房撮像における息止めダイナミック撮像用の脂肪抑制併用高速連続撮像シーケンス「TIGRE」と,IR併用グラディエントエコーによる高速なT1強調撮像機能「3D-GEIR」を組み合わせた3D高速撮像法であり,短時間でも高コントラスト・高空間分解能を得ることができる。また,感度分布を計測して補正対象画像の感度補正を行う「NATURAL」では,受信コイルの感度分布の影響を考慮し,より診断しやすい画像を得ることができるようになった。
  さらに,永久磁石型装置で高画質を得るために培ったノウハウを生かして開発されたアプリケーションとして,良好なMRAが得られるFIT(Fine Tune Technology)が紹介された。

 

ECHELON Vega


◆XRシステム コンパクトでありながら多彩な能力を発揮するX線システム

・多目的X線テレビ
 治療支援を含む多目的な検査に対応するX線テレビ「CUREVISTA」は,“最適な多目的検査環境の提供”,“安全な検査の実現”,“充実した治療支援機能の搭載”という3つの大きな特徴を持つ。テーブルをシフトするオフセット機構とオフセットアームによって,テーブルの奥側のワークスペースを広げ,さまざまな周辺機材を術者の近くに置いた状態での検査や被検者へのケアが行いやすくなったほか,映像系を動かすだけで天板を動かさずに任意の視野が得られる2ウェイアームによって,内視鏡やカテーテルなどを体内に挿入した状態でも,安全に検査が行えるようになった。また,CUREVISTA用に開発されたFPD「VISTAパネル」は,FPD上の1画素を1データとして撮影像と同様に透視像を表示することで,マイクロカテーテルやステントなどの視認性が向上する。さらに,CUREVISTAを画像サーバとネットワークで接続すれば,装置自身がサーバからCTやMRIなどの治療に必要な画像を取り込み,参照モニタに透視像と並列表示できるため,的確で迅速な検査をサポートする。
 このほか,システムを構成するコンポーネントが,透視台,高圧制御ユニット,コンソールのみと少コンポーネント・省スペースである点も,大きなメリットとなっている。

  CUREVISTA

・移動型X線装置
撮影したその場で高画質な画像が確認できる,CRを搭載した移動型X線装置「Sirius Ubiquitas」は,日立メディコの移動型X線装置「Sirius」と富士フイルムのFCRを融合して開発された。デジタルX線画像診断システムFCRは,イメージングプレート(IP)に記録したX線画像情報を読み取り,高精度な診断画像を得ることができる。画像読み取り開始から約40秒で画像が表示されるほか,IPは何度も書き込めるため,多くのカセッテを搬送する必要もない。また,Sirius Ubiquitasには画像が約2000枚保存できるため,院内で一通りの検査を終了後にサーバへの保存やフィルム出力ができるなど,検査効率の向上にも貢献する。FPDシステムに比べて低価格でカセッテ部分がコンパクトであるため,導入しやすい点もメリットである。

  Sirius Ubiquitas

◆US エラスト機能が搭載可能となった普及機「Apron EUB-7000HV」

 同社超音波装置全機種へのReal-time Tissue Elastography(エラスト機能)の搭載が発表されたUSブースでは,「Apron EUB-7000HV」に注目が集まった。
  エラスト機能とは,同社が世界ではじめて製品化した,組織の硬さの情報を映像化する機能である。モノクロのBモードでは描出できない病変が検出できる可能性があり,特に乳腺領域で有用性が高い。エラスト機能は従来,上級機の「HI VISION 900」や,中級機の「EUB-7500」に搭載されていたが,今年2月に普及機のApron EUB-7000HVにも搭載された。乳がん検診のニーズが高まると同時に,産婦人科などでも乳腺疾患の診断のニーズが高まっており,従来の診断モードに加えて新たにエラスト機能が追加されることで診断能が向上することが期待されている。また,最近では,乳腺領域だけでなく,甲状腺,前立腺,皮膚,整形,肝臓,膵臓などの領域においても,エラスト機能の有用性が報告されている。
 Apron EUB-7000HVは,コンパクト設計でありながら高画質が得られるなど,使いやすさが追究されている。ハーモニック信号を広帯域化し,低周波成分をプローブ帯域内にシフトして画像化することで高画質化を実現する第3世代のティッシュハーモニック機能(HdTHI)によって,従来よりも空間分解能と深部感度が向上したほか,アダプティブイメージング機能(HI REZ)が搭載されており,超音波画像に特有のスペックルノイズを低減,コントラスト分解能が向上した。

  Apron EUB-7000HV

◆Medical IT solution 人間中心設計を取り入れ操作性に優れたITソリューション

 Medical IT solutionブースでは,人間中心設計を取り入れ,高性能と同時に優れた操作性やユーザーに優しいデザイン性を実現したとして,2007年度のグッドデザイン賞を受賞した放射線情報管理システム「OPEN- RIS」,OPEN PACSシリーズの「NV-1000」(写真:右と中央のモニタ),および音声認識レポーティングシステム「Natural Report」(写真:左のモニタ)が展示された。これらの製品は,開発時から工業デザイナーを現場調査に加え,診療放射線技師の業務フローの詳細な解析が行われている。タッチパネルのボタンサイズ,色彩,明度,操作性などをユーザーにフィードバックしながら開発を進めており,これらの点が評価されての受賞となった。そのため,今回の展示では,NV-1000とNatural Reportの連携などが体験できるようになっており,多くの参加者が操作性の良さを実感していた。
 このほか,今年4月から実施される特定健診・特定保健指導を支援する新しいソリューションの「Hellseher Willing」や,「METABOlic prevention NAVIgator」(メタボナビ:写真)が紹介された。

 

「NV-1000」(写真:右と中央のモニタ)「Natural Report」(写真:左のモニタ)

METABOlic prevention NAVIgator

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