ITEM2005 ブースリポート

「Adaptive Fusion」〜人を中心に最適化された融合を
日立メディコ
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◆ブースのコンセプト
 キャッチフレーズは「Evolution for you:Adaptive Fusion」,つまり,「人を中心に最適化された融合」ということです。モダリティを超えて,使う人や社会にとって,どれだけ新しい価値を提供できるかということが技術の進化には不可欠です。私どもは,性能や品質だけでなく,あくまでも人を中心に考えられた医療環境を提供していきたいと考えています。
 例えば,「RVS:Real-time Virtual Sonography」は,CTのボリュームデータから,超音波画像と同一断面の再構成画像をリアルタイムで描画し,Image Fusionを実現しています。また,オープンMRIをベースとして治療との融合を図り,低侵襲治療を可能にしました。新製品の「APERTO Inspire」は、アクティブシミングにより磁場均一度を向上させ,CHESS法や造影パーフュージョン機能を搭載し,これまでにない「高画質」,「高機能」を実現しております。そのほか,デジタルとFPD技術を融合したX線システム,PETとCTを融合させたPET/CT「GEMINI」(薬事未承認)など,Adaptive Fusionというテーマで展開しております。
稲員(いなかず)裕三 執行役副社長
稲員(いなかず)裕三
執行役副社長

丸山拓郎さん (経営戦略統轄本部/宣伝部)
丸山拓郎さん
(経営戦略統轄本部/宣伝部)

●MRI
「APERTO Inspire」
2002年に発表した「APERTO」から3年,特にハード面の改良が加えられ,さらに進化を遂げた「APERTO Inspire」(新製品)。磁場均一度を向上させ,かつより長く品質を保つ新技術アクティブシミング「Super Shim」を搭載。高磁場装置特有のCHESS法による脂肪抑制が可能となった。また,新たに造影パフュージョンをオプションで設定できる。高磁場領域の機能に踏み込みつつ,オープンの持つ解放性や経済性,患者へのやさしさを維持した装置となっている。

●CT
2003年のデビューから3年が経過したマルチスライスCT「ROBUSTO」。2004年には大学病院でのルーチン,救急で広く使用され始め,評価が高まっている。今回は“進化する「ROBUSTO」”をテーマに,アプリケーションの新製品を紹介。穿刺支援用「guidesHOT」や,検診アプリケーションとして生活習慣病などで重要な内臓脂肪などを測定する「fatPointer」(体脂肪測定)・肺気腫などの測定が簡単にできる「riskPointer」(肺野の低吸収性領域観察)などを搭載した。
マルチスライスCT「ROBUSTO」

● PET/CT
オープンガトリ型PET/CT「GEMINI」
学術参考展示されたオープンガトリ型PET/CT「GEMINI」(薬事未承認)は,頭部,心臓,全身すべての検査に対応する汎用性の高い装置。先行している米国などでは,CT部分は6,10,16列からオプションで選択可能で,今後はさらに40列,64列も加えていく見込み。

●X-ray FPD system
大視野・高精細FPD搭載一般撮影システム「Radnext Genesys」シリーズ FPD搭載回診車「Sirius Star Mobile FP」 直接変換方式FPD搭載デジタルマンモグラフィ「M-IV Selenia」
43cm×43cmの大視野・高精細FPD搭載一般撮影システム「Radnext Genesys」シリーズは,FPDや管球などがすべて,1メーカー製品構成となっているため,ワークフローの向上とニーズに合わせたシステム構成が可能。「Radnext Genesys-U」(新製品)は,従来の天井走行式とは異なる管球とディテクタ一体型の独自のユニバーサルスタンド設計。会場には従来タイプの立位/臥位システム「Radnext Genesys-H/V」も展示された。 FPD搭載回診車「Sirius Star Mobile FP」(新製品)は,0.6mm焦点と最大撮影管電流250mAによる短時間撮影でシャープな画質を実現。X線可動絞りにX線条件設定が行える表示スイッチ部を設け,ベッドサイドでの迅速なポジショニングが可能。スリムボディで,狭いベッド間の走行やエレベーターの出入りも容易。動物のイラストをボディ部分にデザインした実機が展示され,関心を集めていた。 直接変換方式FPD搭載デジタルマンモグラフィ「M-IV Selenia」(新製品)は,ピクセルピッチ70ミクロン,マトリクスサイズ3328×4096で,高精細画像を提供する。FPDは24cm×29cmとフィルムの最大サイズに相当し,あらゆる乳房サイズに対応。

●US
「Real-time Virtual Sonography」は,超音波とCTの画像を超音波装置画面上に並べてリアルタイムで同期させることができる。あらかじめCTで撮影したボリュームデータを装置に入れて患者の位置合わせをし,磁気センサーを利用してプローブがどのように動くかがわかるという仕組み。RFA治療に有効で,穿刺する際に病変部を確実に把握できる。RSNA info RADで2年連続(2003,2004)受賞している。
「Real-time Tissue Elastography」は,組織の硬さを色分けし,硬い部分は青く,柔らかい部分は赤く表示する。悪性の組織は硬い場合が多いため,良悪性の診断に有効。特に乳腺疾患診断に有効とされ,会場のピンクリボンコーナーにも展示されていた。
「Real-time Virtual Sonography」

● Medical IT
PACS「WeVIEW」と電子カルテシステム「Open-Karte」
PACS「WeVIEW」と電子カルテシステム「Open-Karte」を展示。モダリティベンダーの1つの方向性として,IHE対応を基本にモダリティとの確かな連携を実現して,放射線科内外のシステムの最適化を提供していることをアピールすべく展示に臨んだとのこと。「WeVIEW」では,今回はIHE統合プロトコルCPI(画像表示の一貫性)とKIN(キー画像ノート)に対応している点を強調した。また,「Open-Karte」では,Webベースシステムとして,特に導入コストとランニングコストを抑えられる点を紹介。クリティカルパスを標準搭載するなど,ユーザーのニーズを重視した設計となっている。

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