2007 国際医用画像総合展

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2006 2005

日立メディコ

 
Evolution for you Wonder of 6 Conpernicus. 発想の転換で新たな方向性を打ち出す

西村尚悟さん(宣伝部)
西村尚悟さん

今回のブースのコンセプトは"Evolution for you Wonder of 6Copernicus."です。6とはCT,MRI,X線,超音波診断,核医学・治療,医療情報システムの分野を合わせた数を表しています。また,"Copernicus"には,地動説を唱え天文学で世の中に衝撃を与えたコペルニクスにならい,発想を転換するという意味が込められています。これまで画像診断機器開発において重点が置かれていた技術面から,機器を使用する医師,技師,被検者の立場に立った物づくりへと発想自体を変えていくことを表現しています。展示製品の中心は,マルチスライスCT「ECLOS」とX線撮影装置の「CUREVISTA」です。「ECLOS」は使用する施設に合った性能の製品を提供するという,今までとは少し違った発想でCTという概念を変えていくものです。また「CUREVISTA」も使いやすさを重視して,検査する側と受ける側両方に優しいという観点から開発されました。

(4月13日取材)

●CT  施設にあわせたオーダーメイドが可能なマルチスライスCT「ECLOS」

CTでは,2007年6月から発売される4/8/16スライスの全身用X線CT診断装置「ECLOS」が展示された。「ECLOS」は,被検者,医師,技師,経営者,すべてのユーザーが満足できるCTをめざして,"Multi-Fit CT"をコンセプトに掲げた製品。「Patient Friendly」(患者様に優しい),「Easy Operation」(操作が簡単),「Custom-made」(オーダーメイド)を特長としている。なかでも,施設の検査数,検査内容,設置スペースなど個別のニーズに合わせて装置のカスタマイズが可能な「Custom-made」は大きな特徴である。3.5MHUと5.0MHUの2種類のX線管球,4,8,16の3種類のスライス数,ショートとロングの2種類の寝台,ネットワークの構築を最適な組み合わせで選択することができる。また,導入後に施設の状況変化に合わせてアップグレードが可能。このほか,被検者の体厚や部位に応じて管電流を制御する「Adaptive mA」や低線量撮影時の画像ノイズを効果的に除去する「Adaptive Filter 」を搭載し,被検者の被曝低減を実現。また,視覚的にわかりやすい色分け表示をする「fatPointer」や「riskPointer」により,インフォームドコンセントや検診を支援する。さらに被検者セッティングから撮影・解析までの一連の操作を簡素化し,被検者に対してだけでなく,操作する医師や技師にも優しい装置となっている。
(取材協力:北野 仁さん CT・MR 営業本部主任)

ECLOS

北野 仁さん

●MRI  アプリケーションの充実で高画質撮像を可能に
ECHELON Vega  APERTO Inspire  
MRIは,超電導型1.5TMRI装置「ECHELON Vega」と永久磁石型オープンMRI装置「APERTO Inspire」が展示された。2006年に発売を開始した「ECHELON Vega」はガントリ長160cmのショートボアタイプを採用し,検査中の被検者の圧迫感軽減に配慮した設計になっている。最大傾斜磁場強度が30mT/m,スリューレートが150T/m/sと,強力な傾斜磁場性能を持つ。テーブルのスライド長は業界最長の2800mmロングストロークタイプで,足から入っていけるメリットがあり,閉所恐怖症の被検者などに有用である。また,高い撮像機能を実現するためのアプリケーションが充実している。高い静磁場均一性を維持する"HOSS",高速撮像法"RAPID",脂肪抑制技術"Water Excitation",動きのアーチファクトを補正する"RADAR",非造影MRA"Non-CE MRA",高画質MRA総合技術"FITT"などを搭載し,1.5装置でありながら,3T装置と同程度の画質が得られるとの評価を得ている。装置とともに,これまでに導入された施設で得られた臨床画像も多数展示発表された。
(取材協力:伊藤陽一さん MRIマーケティング本部部長)
伊藤陽一さん MRIマーケティング本部部長


●XRシステム  安全性と検査効率の向上を実現したX線システム
X線システムでは,多目的イメージングシステム「CUREVISTA」,血管撮影システム「Partire α」,CR搭載移動型X線装置「Sirius Ubiquitas」を発表した。
CUREVISTA  小田和幸さん XR戦略本部部長
「CUREVISTA」は"最適な操作環境・安全な検査・IVR支援機能"をコンセプトに,近年要望が高まる多目的検査に対応したX線透視診断装置。超音波装置,内視鏡などの周辺機器と併用できるように広いワークスペースも確保した。ワークスペースが広くなったことで,被検者の左右からのアプローチを実現しただけでなく,操作室とのコミュニケーションが取りやすくなり,安全性と検査効率が向上した。また,2ウェイアームの採用により,天板を動かさずに視野が移動できるため,ガイドワイヤやカテーテルが体内に挿入された被検者に対しても安全に検査を実施できる。
(取材協力:小田和幸さん XR戦略本部部長)
Partireα  大森幹之さん XR戦略本部課長
「Partireα」のコンセプトは"安全で確実なIVRの遂行を強力にサポート"。心臓カテーテル検査を中心とした循環器系や,頭部の検査を対象に開発された。トリプルピボット機構により,横手方向140cm,長手方向190cmのワイドエリアをカバーする。天板を動かすことなく視野の移動が可能なため,カテーテル挿入部である両腕,鼠径部を含む全身の観察を安全に行うことができる。
(取材協力:大森幹之さん XR戦略本部課長)
Sirius Ubiquitas  阪口喜晃さん XR戦略本部主任
"回診業務の効率向上"がコンセプトの「Sirius Ubiquitas」は,日立メディコの移動型X線装置「Sirius」と,富士フイルムが開発した「FCR」を融合させたもので,2社が共同開発した。移動型X線装置にCRを搭載したモデルは国内で初めての製品。撮影した画像をその場で確認することができる上,画像を記録するイメージングプレート(IP)は何度も使用が可能なため,多くのカセッテを搬送する必要がない。さらに,FPD搭載回診車と比較すると,価格も安く,フラットパネルケーブルがないため,より使いやすいというメリットがある。
(取材協力:阪口喜晃さん XR戦略本部主任)

●US  エラストグラフィに歪みの違いを数値化する新機能を追加
HI VISION 900  EUB-7500  鈴木里枝さん US営業本部アプリケーション担当
超音波診断装置では,高画質かつ豊富な専門アプリケーションで研究・検査目的にも有用な「HI VISION 900」,ハイエンドクラスの画像性能をコンパクトなボディに搭載した「EUB-7500」,新製品「Apron EUB-7000HV」が展示された。 「HI VISION 900」と「EUB-7500」にオプションで搭載が可能な,組織の硬さを視覚化する「Real-time Tissue Elastography」が改良された。これまで色分けの表示だけだったが,任意の2か所の歪みの違いを数値化できるようになった。Strain Ratio機能により,脂肪と関心領域の歪比FLR(Fat Lesion Ratio)を算出する。特に乳がんの検診に有効で,発見率の上昇や要精査率の減少が期待できる。 新製品「Apron EUB-7000HV」は,「HI VISION 900」で開発された先端技術HdTHI,HI Zoom,新世代探触子を搭載。また,コンパクトな本体で使いやすさを重視した製品となっている。
(取材協力:鈴木里枝さん US営業本部アプリケーション担当)

●Medical IT solution  IHE-Jに準拠した円滑に相互利用できるシステムを紹介
Metabolic Simulator

井桁嘉一さん メディカルIT戦略本部本部長(右),奥山岳志さん メディカルIT事業部主任技師(左)
医療情報システムのコンセプトは,"SURF Interface"。SURFとはStandard,Useful,Rapidly,Friendlyを意味する。放射線情報管理システム「OPEN-RIS」,画像診断ワークステーション「NV-1000」,音声認識レポートシステム「Natural Report」,PACS「We VIEW」,Web型電子カルテシステム「Open-Karte」,生活習慣病リスクシミュレーション「Metabolic Simulator」が展示された。また,各システムがIHE-Jに準拠していることがひとつの特徴として強調された。今回注目を集めた「Metabolic Simulator」は,次世代型健診システム「ヘルゼアネオ」の新機能で,2008年4月から始まる特定健診・特定保健指導に対応した製品。保健指導を受ける対象者に,ITを活用して効率的な指導を実現する。「Metabolic Simulator」は,約2万人の検査値,問診データをもとに,主に生活習慣病(メタボリックシンドローム,糖尿病,高血圧,高脂血症)の発症リスク,推奨改善項目,健常者と比較した場合や,生活習慣改善後の発症リスクを表示する。
〔取材協力:井桁嘉一さん メディカルIT戦略本部本部長(右),奥山岳志さん メディカルIT事業部主任技師(左)〕

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