ホーム 取材報告 RSNA2011スペシャル 取材レポート RSNA2011: GE Healthcare(GEヘルスケア) - CT:冠動脈CTAを変える「FREEdom」なCTが登場
RSNA2011 |
RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)] |
GE Healthcareは今回,2台のCTのモックアップを展示した。「Discovery CT750 HD」の新バージョンとなる「Discovery CT750 HD FREEdom Edition」(日本国内薬事未承認)と,“In Japan for Global(IJFG)”製品である「Optima CT660」の2機種。
Discovery CT750 HD FREEdom Editionは,低被ばくかつ高分解能CTとして定評のあった従来装置の機能を強化。“Motion FREEdom. Calcium FREEdom. Horizon FREE.”をキーコンセプトに開発された。これまで,心臓CTでのdual energy imagingには対応していなかったが,新バージョンでは対応できるようになった。これにより,冠動脈CTAにおいても,飛躍的な画質改善が見られるとしている。冠動脈CTAは,冠動脈の動き,高心拍患者への適応,高度石灰化のブルーミング,プラークのキャラクタリゼーション,精度の高い心筋perfusionが課題として挙げられていたが,dual energy imagingによりこれらの課題を解決する。
Motion FREEdom.というキーコンセプトでは,高心拍な被検者の冠動脈CTAにおいて,左前下行枝,左回旋枝,右冠動脈それぞれの動きを解析して画像化する。この“SnapShot Freeze”と呼ばれるスキャン法により,0.35s/rotの1/6の速度で回転しているのと同じ効果が得られ,時間分解能は29ms相当になるという。
また,Calcium FREEdom.というキーコンセプトでは,“GSI Cardiac”という心電図同期でdual energy imagingを行うことで,石灰化と造影剤を分離して描出する。高速のkV Switchingによる“Gemstone Spectral Imaging(GSI) Cardiac”で単色X線等価画像(モノクロマティック)を撮影することで,ブルーミングのない画像を得ることが可能となる。
Horizon FREE.のコンセプトは,ビームハードニングアーチファクトの改善である。心電図同期でdual energy imagingを行うことで,ブルーミングアーチファクトを抑えた画像が得られ,さらにプラークのキャラクタリゼーションも明確になる。
このDiscovery CT750 HD FREEdom Editionは,日本でも展開する予定。早ければ来春のJRC 2012で行われる国際医用画像総合展(ITEM)でお目にかかれる。
Discovery CT750 HD FREEdom Edition |
Discovery CT750 HD FREEdom Editionのキーコンセプト |
一方のOptima CT660は,日本の医療機関の声をもとに開発した装置。日本の施設事情に合わせて,省スペース,低消費電力を実現しつつ,高い性能を持つ64列CTである。ガントリ上部に12インチのカラーモニタを配置。被検者への説明が行えるなど,日本の技術開発ならではのきめ細かな配慮がなされている。
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