2019-12-4
“AIR”のコンセプト
RSNA 2019 MRI
GE Healthcare(GEヘルスケア)のMRIで最も注目を浴びたのが,コイル技術として登場した“AIR Technology”から発展させ,新たな製品・技術群として構成された“AIR”である。AIRの名を冠した製品・技術群は,コイル,ワークフロー,画質にかかわるものであり,MRIの臨床的な有用性を高めることはもちろん,効率化や生産性向上に寄与する。
その中でも代表的な技術が,ディープラーニングを用いたアプリケーション“AIR Recon DL”(開発中,技術参考展示)である。画質とスループットを向上させるもので,従来同等の画質を維持する場合には撮像時間を短縮でき,従来と同じ撮像時間ならば画質を改善することが可能となる。
同じく,Edison Platformでのディープラーニングで開発された“AIR x”(W.I.P.)は,脳・中枢神経のMRI検査において,解剖学的構造を自動的に認識することで,高精度の画像を安定して収集することが可能となる。これにより検査の生産性を向上する。
さらに,“AIR Touch”は,検査を自動化し,スピードアップを図れる。コイルセッティングに関する多くの作業を簡略化して,被検者のセットアップ後に,撮像したい部位をワンタッチで指定することで最適なコイルエレメントが自動的に選択される。これによりワークフローの改善はもちろん,画質の向上も期待される。
また,AIRのコイルも進化している。ブランケットのような“Multi-Purpose Coils”は,従来よりも小型化されたタイプが登場。膝や肘などに巻き付けやすくなり,画質向上を図れる。
このほか,MRIの関連技術として,天井に映像を投影して被検者をリラックスさせる検査環境を実現する“Caring MR Suite”や,ガントリ内にプロジェクターを設けて映像を流す“In-bore viewing”も展示された。