2019-12-4
AiCE,CSを搭載した3T MRI
「Vantage Galan 3T / Focus Edition」
RSNA 2019 MRI
Canon USA Inc.(キヤノンメディカルシステムズ)は,2019年10月11日に日本でリリースされた新しい3T MRI「Vantage Galan 3T / Focus Edition」と,1.5T MRI「Vantage Orian」を前面に大きく展示した。Vantage Galan 3T / Focus Editionには,同社が開発しすでにCTでは先行して搭載されているAI技術(ディープラーニング)を用いた画像再構成技術“Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)”を搭載,さらに圧縮センシング応用技術“Compressed SPEEDER(CS)”によって高速撮像も可能になっているが,このAiCEとCSが新たに1.5TのVantage Orianにも搭載されたことを併せてアピールした。
Vantage Galan 3T / Focus Editionは,3Tの最上位機種である「Vantage Centurian」に搭載されている多くの機能やアプリケーションを搭載するだけでなく,検査効率や病院経営にも貢献するコストバランスに優れた装置となっているのが特徴だ。Vantage Galan 3T / Focus Editionに搭載されたAiCEは,ディープラーニングによって画像のデノイズ(ノイズ除去)を可能にする。AiCEのノイズ低減効果は,撮像時間短縮に使うことも,さらなる高分解能画像の収集に使うこともでき,検査目的によって使い分けも可能だ。さらに,CSは,パラレルイメージング法と圧縮センシング法を組み合わせた高速撮像技術であり,高速で高画質の撮像を可能にする。AiCEとCSを組み合わせることで,さらに短時間で高画質化と高速化を可能にしている。CSでは,デノイズの際にある閾値を決定し,それ以下をノイズとして処理するが,画像のボケや信号が消失するなどの課題があった。そこで,AiCEでノイズを除去することで閾値を下げることができ,画質を保ったまま高速撮像が可能になった。
検査効率を向上するさまざまな機能が搭載されているのも特徴で,着脱可能な移動式の寝台(ドッカブル寝台)を同社の3T装置としては初めて採用した。また,ガントリの上部には患者情報や検査内容などのデータを表示する“Intelligent Monitor”を設けた。患者のセッティングなどを行いながら,そばを離れることなく必要な情報が確認できる。また,Vantage Galan 3T / Focus Editionは同社のMRIとしてオープンボアの71cmを実現しているほか,患者にやさしい快適な検査空間を提供する技術として静音化技術“Pianissimo Zen”を搭載するなど,MRIとしての特徴を継承している。
1.5T MRIの最新機種となるVantage Orianは,3T装置で定評のある“Saturn Gradient”,“PURERF Rx”などの技術を搭載して高画質化を図っているほか,“Quick Star”“k-t SPEEDER”などの高速撮像を生かした豊富なアプリケーションを搭載していることをアピールした。