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ITEM2019 バルコ ブースレポート 医用ディスプレイ「Nioシリーズ」の新モデル「NC(No Cover)モデル」をはじめとする日本の医療現場に最適な新製品・ソリューションを展示

2019-5-8

バルコブース

バルコブース

バルコは,例年のとおり,読影用モニタを中心とする医用画像表示ディスプレイコーナーと,手術室環境を再現したサージカルディスプレイソリューションコーナーに分けて展示を構成した。読影用モニタでは,医用ディスプレイ「Nioシリーズ」に新たに追加された「NC(No Cover)モデル」,サージカルディスプレイでは27インチのサージカルディスプレイ「MDSC-8427」など,最新のソリューションを紹介した。

●保護カバーなしの「Nioシリーズ」など日本の医療現場のニーズに対応した新製品を紹介

医用画像表示ディスプレイコーナーでは,「Nioシリーズ」に新たに追加された「NC(No Cover)モデル」が紹介された。Nioシリーズは,バルコの医用ディスプレイの主力シリーズで,500cd/m2の高輝度表示やバルコ独自の画面内輝度均一化技術(ULT)などで高い表示品質を提供するほか,独自の低反射コーティング処理を施した保護カバーで外光の映り込みを抑え,安全性と耐久性を高めている。一方で,日本の医療現場では環境光の影響をより受けやすい設置条件で使用されることが多く,そのニーズに対応する形で,保護カバーを外してディスプレイ画面表面自体にアンチグレア処理を行うことで低反射を実現したNCモデルが開発された。今回販売されたのは,「Nio Color 5.8MP」「Nio Color 3MP」「Nio Color 2MP」の3機種のNCモデルで,ブースでは,比較しやすいよう両モデルが展示された。そのほか,2015年に発売された12メガピクセルカラー液晶パネル採用の「Coronis Uniti」が展示された。

新たに追加された「Nio Color 5.8MP」のNCモデル

新たに追加された「Nio Color 5.8MP」のNCモデル

 

12メガピクセルカラーディスプレイ「Coronis Uniti」

12メガピクセルカラーディスプレイ「Coronis Uniti」

 

●歯科診療室での使用に対応した「Dental 2MP Color」などをラインアップ

2018年に発売された歯科画像表示用ディスプレイ「Dental 2MP Color」や,新製品の24インチワイド型ディスプレイ「Eonis24" MDRC-2324」などの歯科画像表示ソリューションが展示された。歯科診療室は,室内の照度が明るく,血液や唾液が飛沫するなど,機器にとって過酷な環境が多い。そのため,これらのディスプレイは,前面に保護カバーを採用,飛沫した血液や唾液を払拭しやすくし,防塵防滴設計を採用するほか,デンタルチェアに取り付けやすいよう,薄型軽量になっている。Dental 2MP Colorでは,保護カバーに特殊な低反射コーティング処理を行うことにより,光の映り込みを抑え,コントラストや鮮鋭度を向上させるなど,歯科画像表示に特化した工夫が施されている。

歯科画像表示用ディスプレイ「Dental 2MP Color」

歯科画像表示用ディスプレイ「Dental 2MP Color」

 

24インチワイド型ディスプレイ「Eonis24" MDRC-2324」

24インチワイド型ディスプレイ「Eonis24" MDRC-2324」

 

●4Kの非圧縮無遅延映像配信を可能にする“Nexxis 4K”と多彩なディスプレイをPR

サージカルコーナーでは,バルコの非圧縮無遅延4K外科画像伝送ソリューションである“Nexxis 4K”による画像伝送の環境を構築し,それを表示する多様なディスプレイを紹介した。Nexxisは,画像・映像信号をIP変換し,光ファイバーを用いたケーブルで送信する。光ケーブルの使用により,距離の制限も少なく,ノイズにも強いのが特長。また,非圧縮のため,画像を劣化させることなく,かつ遅延なく表示可能である。さらに,検査室内のディスプレイの映像を,ネットワークに接続したタブレットで操作できる。

Nexxis 4Kによる最新ソリューションが体験できるサージカルコーナー。58インチサージカルディスプレイ「MDSC-8358」(右)などを展示した。

Nexxis 4Kによる最新ソリューションが体験できるサージカルコーナー。58インチサージカルディスプレイ「MDSC-8358」(右)などを展示した。

 

検査室内のディスプレイの映像を,ネットワークに接続したタブレットで操作できる。

検査室内のディスプレイの映像を,ネットワークに接続したタブレットで操作できる。

 

55インチサージカルディスプレイ「MDSC-8255」は,主にX線テレビ室向けに提案しているモデルで,X線透視下での内視鏡手技などの際に,透視画像や内視鏡のカラー画像など複数ソースの画像を一つのモニタ上に表示可能で,検査効率の向上に貢献する。内視鏡画像を忠実な色調で再現でき,軽量化によってさまざまなアームに取り付けが可能である。また,従来の4Kディスプレイの最小サイズは31インチだったが,さらに小型化したのが27インチディスプレイ「MDSC-8427」である。従来は側面にあった操作ボタンを前面に配置して厚さを薄くし,前面に保護パネルを貼ることで防水性を向上させている。

55インチサージカルディスプレイ「MDSC-8255」

55インチサージカルディスプレイ「MDSC-8255」

 

27インチサージカルディスプレイ「MDSC-8427」

27インチサージカルディスプレイ「MDSC-8427」

 

●ワイヤレスプレゼンテーションなど読影業務を支援するソリューションを参考展示

参考展示として,複数のPCの画面をワイヤレスで大型ディスプレイやプロジェクタに投影できるワイヤレスプレゼンテーションシステム「ClickShare」を紹介した。“ClickShareボタン”をUSBでPCに接続するだけで,プロジェクタに投影できる。ケーブルやアダプタ,ソフトウエアのインストールなどは必要なく,ボタンをつなぎ替えるだけでPCが簡単に切り替えられる。設定次第で一つのプロジェクタに複数のデバイスから画面を投影できるなど,医療施設でのカンファレンスや読影室での使用を想定している。

ワイヤレスプレゼンテーションシステム「ClickShare」

ワイヤレスプレゼンテーションシステム「ClickShare」

 

また,“ポータブルリーディングソリューション”が紹介された(参考展示)。グラフィックスボードが増設可能なボックスに,モバイルPCと高精細ディスプレイをつないで読影するもので,自宅読影を行う医師が多い米国ではすでに発売されている。バルコでは,今回の展示を通じて日本での需要を探っていくとしており,働き方改革が叫ばれる日本の医療現場でどの程度ニーズがあるのかが注目される。

参考出品されたポータブルリーディングソリューション

参考出品されたポータブルリーディングソリューション

 

●お問い合わせ先
社名:バルコ株式会社
住所:東京都大田区平和島5-1-1 ヤマトインターナショナルビル8F
TEL:03-5762-8720
URL:https://www.barcohealthcare.jp


キヤノンメディカルシステムズ ITEM2019