バルコ ブース

医療の映像にかかわるソリューションを提供する“Picture of Connected care”がコンセプトのバルコは，最新モデルとなる医用画像表示ディスプレイ「Nio Color 2MP LED」をはじめ，読影用から参照用，手術室向けまで豊富なラインナップを展示した。新製品としては，このほか「Eonis 21」が国内初出品。さらに，手術室向けの参照用ディスプレイでは24インチ，42インチ，さらにカタログにはまだ出ていない58インチのモデルを参考出品し，ハイブリッド手術室向けソリューション“Nexxis”を併せて紹介した。マンモグラフィ用ディスプレイではトモシンセシス対応の「Mammo Tomosynthesis 5MP」が展示された。（4月13日取材）

●日本先行発売の高精細医用画像表示ディスプレイNio Color 2MP LED

Nio Color 2MP LEDは，日本市場のために特別生産された製品で，世界に先駆け日本で先行発売された21インチ高精細医用画像表示ディスプレイ。最新のIPS液晶とLEDバックライトを搭載し，従来の製品よりも高画質・高コントラスト比でありながら，消費電力を約50％カットしている。形状はバルコの最新デザインを採用。前面だけでなく，裏側も含めた全体がラウンドシェイプし薄型となっている。スタンドにもこだわり，設置面積はほぼA4サイズと従来の製品に比べてコンパクトでありながら安定性があり，キーボードを置くこともできるほどフラットになっている。このデザインを採用したことにより，これまでの角張った製品よりもスマートで心地良い使用感を得られる。
また，ディスプレイの前面には保護ガラスを標準装備。前面センサーが取り付けられており，輝度を一定に保つ調整が行われているが，センサーにほこりなどが付着することで測定値に誤差が生じ，均一な輝度を保てなくなる。保護ガラスにより，このセンサーへほこりなどが付着する恐れがなくなり，長期にわたって均一な輝度を維持できるようになる。

日本市場のために特別生産された 高精細医用画像表示ディスプレイの Nio Color 2MP LED   設置面積はA4サイズとコンパクトで薄型

背面にはラウンドシェイプデザインを採用

●高精細医用参照用ディスプレイの最上位モデルEonis 21

医用参照用ディスプレイではEonis 21が日本で初めて展示された。Eonis 21は最新型の液晶パネルを使っており，21インチ，2Mピクセル，340cd/m²での表示が可能。DICOMに準拠しており，診断用の画像でも高精細に表示できる。形状はNio Color 2MP LEDと同じ新しいデザインを採用。モニタは90°回転させることができ，縦置きも横置きもできる。医用参照用ディスプレイはEonis 21のほか，「Eonis 22」「Eonis 24」のラインナップがあり，Eonis 21は最上位モデルとなる。
また，Eonis 22，Eonis 24は黒と白の2種類のカラーを展示。白は保護ガラスが標準搭載されており，診療科の用途にあわせて選べるようになっている。

国内初出品となる
高精細医用参照用ディスプレイ
Eonis 21

●軽量化を実現した58インチ外科用ディスプレイとハイブリッド手術室向け
外科用ソリューションNexxis

外科用ディスプレイは，すべての製品でIPS液晶とLEDバックライトを搭載。24インチと42インチのほか，58インチの大型ディスプレイが参考出品された。手術室では支持アームなどの構造物に負担がかかることから，大型ディスプレイの軽量化が求められてきた。今回展示された58インチの大型ディスプレイは従来より20kg以上の軽量化に成功。手術室の構造物の負担軽減に寄与している。
また，ハイブリッド手術室向け外科用ソリューションとしてNexxisも併せて紹介。外科手術室の各種映像モダリティは，多様な映像信号に対応した個別のコネクタが必要となるため配線が複雑になってしまい，セットアップにかかる労力や時間が膨大になることや，配線ミスなどにより映像出力ができないなどの問題が起こっていた。Nexxisは映像信号をエンコーダでIP変換して一元化することで，このような問題を解決。映像表示の遅延もないため，映像を見ながら手術をする際に起きていた，表示の誤差による手技のミスなどの問題を防ぐ。映像信号をIP変換しているため，院内に配信することもできるようになり，教育にも活用できる。

従来より20kgの軽量化に成功した 58インチ大型外科用ディスプレイ

配線が1つのコネクタにまとまっているハイブリッド 手術室向け外科用ソリューションNexxis

●マンモトモシンセシス用としてFDAの認可を受けた5Mピクセルグレイスケール
Mammo Tomosynthesis 5MP

マンモグラフィ用のディスプレイとしては，米国食品医薬品局（FDA）で乳房トモシンセシス用として認可を受けた5MピクセルグレイスケールのMammo Tomosynthesis 5MPが展示された。画像を表示する画素は，1つ1つ光り方に異なる特性があり，同じ信号でも違う光り方をするため輝度のムラができる。この光り方の特性が病変に見えるなど，乳がん検診における誤診の原因となっていた。Mammo Tomosynthesis 5MPでは独自のアルゴリズムを採用することで画面全体の明るさを均一化し，輝度のムラを極小化。これにより光り方の特性による誤診を最小限に抑えることができる。

FDAから乳房トモシンセシス用として
認可を受けているMammo Tomosynthesis 5MP