2015-4-19
東芝メディカルシステムズブース
東芝メディカルシステムズの展示テーマは,「360 Degrees of Safety——目を引く技術,心に残る信頼」。東芝は1915年にX線管の実用化に成功して以降,100年にわたる歴史の中で,患者さん,医療者に価値をもたらす医療機器を開発し,臨床の場に提供してきた。今回のITEMにおいても,“Made for Life”というスローガンの下,新たな価値を生み出す新製品・技術を数多く発表し,来場者の注目を集めた。その一つが第三世代ADCTの「Aquilion ONE/ViSION FIRST Edition」である。初日4月17日には記者発表会を開催し,瀧口登志夫代表取締役社長が,CTの世界シェア1位となることを,2015年における成長のためのイノベーションの一つとして掲げた。瀧口代表取締役社長は,このほかにも新技術によるさらなる被ばく低減,オンコロジー領域における治療ソリューションの拡大,ワークステーション「Vitrea」による業務効率化を挙げて,これらにより画像診断機器市場で世界のトップ3に入ることをめざすと力を込めて語った。
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Aquilion ONE/ViSION FIRST Editionは,新開発の検出器“PUREViSION Detector”と新しい逐次近似画像再構成法“FIRST”が搭載された。FIRSTは,順投影適用モデルベースで処理を行うもので,空間分解能と密度分解能が向上する一方で,FBP法と比較して最大約80%の被ばく低減が可能になる。専用の画像再構成システムを採用し,AIDR 3D Enhancedと並列処理を行って,スピーディに運用できるようにしている。17日の記者発表会では,神戸大学とともに共同研究施設となった広島大学の粟井和夫氏(大学院医歯薬保健学研究院放射線診断学教授)が,初期使用経験を報告。腹部CTにおいて劇的なコントラスト分解能の向上が得られたと述べた。
さらに,CTの新製品として,16列/32スライスCT「Aquilion Lightning」も発表されたほか,80列/160スライスCT「Aquilion PRIME」に“PUREViSION Detector”が搭載されたこともプレスリリースされた。Aquilion Lightningにも搭載されているPUREViSION Detectorによって,AIDR 3D Enhancedと“SEMAR”が可能となり,さらなる被ばく低減と高画質を実現している。
CTコーナーでは,このほか国立研究開発法人国立がん研究センターと2001年から共同研究を進めてきた「QDCT(Quarter-pixel Detector CT)」(医薬品医療機器等法未承認品)の紹介も行った。
X線撮影装置関連では,血管撮影装置の「Infinix Celeve-i」シリーズにおいて,独自の機構を採用した新型Cアーム「CAS-930A」を搭載したモデルが発表された。患者側面からのCアーム挿入と210°の回転範囲による3D撮影が可能になったことで,TAVIなどのハイブリッド手術に対応する。また,血管撮影装置用ワークステーションも新しいアプリケーション“CCC(Color Coded Circulation)”が追加され,“V6.1”となった。parametric imagingのアプリケーションであるCCCは,従来静止画でカラー表示していた造影剤到達時間を,色情報を細かく変化させて動画像で造影剤の流れを表示する。これにより,シャントポイントの同定が容易になるなど,インターベンションの精度向上に寄与する。
このほか,X線装置では,回診用X線撮影装置「Mobirex」も発表された。テレスコピック方式の支柱などにより容易な操作性を実現。今後製品化が決まっている同社初のワイヤレスFPDとの組み合わせも予定している。
また,MRIでは,3T MRI「Vantage Titan」用のRSNA 2014前に発表された“Saturn Gradient”が紹介された。傾斜磁場出力の増加に伴う発熱や振動を抑え,高画質化を実現している。
ワークステーションも「Vitrea」が大きな進化をした。新しいVitrea V7は,CT,MRI,SPECT,PET/CTなどマルチモダリティに対応。最大3ユーザーが同時に解析処理を行うことができる。さらに,患者さんの被ばく線量をトータルでマネジメントできるなど,業務支援機能も強化されている。
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●お問い合わせ先
東芝メディカルシステムズ株式会社
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