2015-5-1
JVCケンウッドブース
JVCケンウッドは,TOTOKUブランドのLEDバックライトタイプ21.3型5MPカラー医用画像表示用ディスプレイ「CCL550i2」をはじめ,JVCブランドからはカメラ/ビデオ分離型4Kカメラシステムおよび4K対応8MPディスプレイ(参考展示)と,デジタルワイヤレスインターカム「WD-D10シリーズ」など,多くの新製品を発表した。読影から手術室での録画,スタッフ間のコミュニケーションまで,同社ならではの製品ラインナップにより幅広い医用ソリューションを提案し,多くの来場者の注目を集めた。(4月17日取材)
●「新しい乳がん検査画像表示の始まり」をテーマに,新製品のCCL550i2などを展示
TOTOKUブランドのモニタでは,新製品のマルチモダリティ画像表示に対応するマンモグラフィ画像表示用21.3型5MPカラーディスプレイCCL550i2が展示の中心となった。
●CCL550i2
CCL550i2は,5MPモノクロモニタと同じ165μmのピクセルピッチを有し,同等の価格帯を実現しつつ,5MPモノクロモニタよりも実際のフィルムに近い黒を実現し,微小な石灰化をより明瞭に描出することができる。また,従来,マンモグラフィ画像とMRIや超音波などのカラー解析画像を比較読影する場合は,カラーとモノクロのモニタを2台並べてそれぞれ別のモニタで参照するか,マンモグラフィ画像をカラーモニタにドラッグして参照する必要があった。しかし,CCL550i2では,“ダイナミックガンマ調整機能”により,画面内に混在するカラー画像とモノクロ画像をピクセル単位で自動判別し,カラーはガンマ2.2,モノクロはDICOM part14で表示することができる。これにより,1つの画面上でカラーとモノクロの画像を最適な輝度と階調で同時に参照できるため,比較読影がより容易に可能となる。このほか,通常のモニタでは,レポートや患者リストの白い部分が明るく表示されすぎてしまうが,CCL550i2では“テキストゲインコントロール機能”により,表示面積が大きくなると自動で明るさが抑制されるため,目の負担軽減に貢献する。
●MS55i2
同じくマンモグラフィ画像表示用として,同社の特許技術である“サブピクセル独立ドライブテクノロジー”が搭載された5MPの21.3型モノクロディスプレイ「MS55i2」が紹介された。通常のモノクロモニタは,3つのサブピクセルを1つの画素として駆動し表示するが,サブピクセル独立ドライブテクノロジーでは3つのサブピクセルそれぞれを独立駆動している。これにより,水平方向(サブピクセル方向)の画素ピッチが1/3となって解像度が向上し,超高精細な画像表示が可能となる。特に,マンモグラフィ装置においては現在,出力される画像のピクセルサイズは25〜100μm,画素数は4〜67MPであるが,従来のマンモグラフィ用モニタの最大画素数は5MP,ピクセルピッチは165μmと大きく劣っていた。しかし,MS55i2では165μm×55μmのピクセルサイズにより画素数が15.73MP相当となっており,より原画像に忠実な表示が可能となる。これにより,大量の画像読影における精度向上とストレスの低減に大きく貢献する。
●CCL650i2
このほか,30型の医用画像表示用6MPカラーディスプレイ「CCL650i2」が紹介された。3MPモニタ2台分の表示をフロントベゼルなしで行えるため,3MPモニタを2台並列表示した場合の左右の視線移動の負担が軽減されるほか,画面内のレイアウトの自由度が高まり,より見やすい表示が可能となる。
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●デジタルワイヤレスインターカムシステムにシンプル&コンパクトなWD-D10シリーズが登場
病院内のスタッフ間のコミュニケーションツールとして,同社では広範囲かつ多機能な「WD-3000」シリーズを展開してきたが,今回は新製品として,よりシンプル&コンパクトなWD-D10シリーズを発表した。親機であるベースステーション「WD-D10BS」と,子機のトランシーバー「WD-D10TR」を組み合わせるだけで,簡単に,しかもローコストで運用を開始することができる。交互通話を行う一般的なトランシーバーと異なり,トークボタンを1回押すだけで最大10人での同時通話がハンズフリーで行えるため,手術中など両手がふさがっている状態でも問題なく使用することができる。通話可能範囲はベースステーションを中心に半径30mであるが,同時通話は10人のため,比較的小規模な場所,例えば手術室とその隣の操作室といった場所での運用を提案している。特に,カテーテル手術など局部麻酔の患者に手術中の会話を聞かれたくない場合などに有用だという。
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●手術室での展開を視野に4Kカメラシステムと4K対応8MPカラーディスプレイを参考展示
カメラ/ビデオユニット分離型4Kカメラシステムは,4K対応Super35mmイメージセンサを搭載し,マイクロフォーサースレンズマウントを採用している。カメラヘッドとコントロール部分を分離した構成としたことでカメラヘッドが小型化されており,術野ソリューション,硬性内視鏡ソリューション,手術顕微鏡ソリューションとしての展開を視野に入れた展示となっていた。具体的には,外科手術の際に医師の近くにスタンドを立てて術野を撮影したり,硬性内視鏡や手術顕微鏡にアダプタなどを介して4Kカメラを取り付け撮影する。また,ビデオユニットには4K用,HD用のSDカード用スロットが2つずつ,計4つ用意されているため,4KとHDそれぞれで1枚目から2枚目のSDカードへのリレー録画が可能なほか,4KとHDの両方で同時録画も可能となっている。
また,4K対応8MPカラーディスプレイにはカラーマネジメント機能が搭載されており,複数台のディスプレイにおいてもキャリブレーションしたデータをエクスポートすることで,まったく同じ条件で表示することが可能となる。これにより,遠隔医療などでも有用性が期待される。
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●お問い合わせ先
株式会社JVCケンウッド プロフェッショナルシステムセグメント ヘルスケア事業統括部 営業部
住所:〒221-0022 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地
TEL:045-540-1890
URL:www.jvckenwood.co.jp/