2015-4-18
GEヘルスケア・ジャパンブース
今回のITEM2015では,会場の中心側にブースを確保したGEヘルスケア・ジャパン。展示テーマは,“Advancing healthcare...together.——お客様とともに医療の未来を”として,ユーザーと協力しながら技術開発,製品開発を進めていくという同社の姿勢を示した。新製品としては,MRIの3機種がITEMに先だって発表され,ブース内でもひときわ大きな人だかりができていた。かつて同社のMRIに名付けられていたブランドネーム「SIGNA」が復活。その名を冠した3T MRI「SIGNA Pioneer」,同社初のPET/MRI「SIGNA PET/MR」が展示されたほか,1.5T MRI「SIGNA Explorer」「SIGNA Creator」が紹介された。同社の川上 潤CEO兼代表取締役社長も,これらの新製品に自信を持っており,来場者の反応も好評だと述べていた。
SIGNA Pioneerは,同社の“In Japan For Global”製品であり,日本の臨床現場からの声を基に開発が行われ,日野工場で製造される。1.5T装置からのリプレースにも対応できるコンパクトな設置スペース,経済性を実現しつつも,3T装置ならではの高画質の提供を実現している。最大の特長は,最新のアプリケーション“MAGiC”を搭載したことである。このMAGiCは,1回の撮像でT1・T2強調画像など6つのコントラスト画像を得られる。また,本体側に97chのレシーバーチャンネル(AD変換機)を持ち,1chごとにデジタル変換して高画質を提供する“DDI(Direct Digital Interface)”や内蔵のBodyコイルとSurfaceコイルの同時受信により高いSNRと深さ方向への信号強度の均一性を実現する“DST(Digital Surround Technology)”を搭載した。
ITEM初展示のSIGNA PET/MRは,「Discovery MR750w 3.0T」をベースにした一体型の装置。PETとMRIのデータの同時収集が可能で,PETの検出器には,半導体検出器“SiPM(シリコンフォトマルチプライヤー)”を採用した。SIGNA Explorerは,“SILENT SCAN”や非侵襲アプリケーション,体動補正技術を搭載した1.5T MRI。同じく1.5T MRIのSIGNA Creatorは,中小規模病院,診療所向けに,臨床検査に必要な性能を十分に持ちながら,省エネルギー,省スペースを実現した装置である。
CTのコーナーでは,「Revolution CT」本体と「Revolution EVO」のガントリ,そして「Revolution GSI Spectral World」が展示された。同社のハイエンドCTであるRevolution CTは,広範囲,高分解能,高時間分解能をコンセプトに開発されたフラグシップ機。160mmの撮影範囲を持ち,散乱線を抑制する3D collimator,電子ノイズを最大25%カットする検出器など,同社の最先端技術が惜しみなく投入されている。Revolution CTを頂点とするRevolutionファミリーとして2014年9月に発表されたのが「Revolution GSI」とRevolution EVOである。Revolution EVOは,新型検出器“Lumex Clarity Detector”と逐次近似応用再構成法“ASiR-V”により,被ばく線量と造影剤量の低減という“Double Dose Reduction”を実現しており,小児などの被検者に優しい検査が可能になる。被ばくに関しては,線量最適化ソリューション「DoseWatch」のデモンストレーションも行われた。
X線撮影装置関連では,血管撮影装置の「Discovery IGS」シリーズがマッケ社の寝台を組み合わせて展開されることが,会期中にグローバルでアナウンスがあった。TAVIなどハイブリッド手術のニーズに幅広く対応できるようになる。また,Women's Imagingのコーナーでは,デジタルマンモグラフィ装置「Senographe Essential」に搭載されるトモシンセシス“SenoClaire”が紹介された。
Women's Imagingのコーナーでは,超音波診断装置の新製品も紹介された。2014年9月に発表された乳房用超音波診断装置「Invenia ABUS」は,ワンタッチ操作でプローブが自動的に乳房をスキャン。検査者に依存しない定量性の高い検査を行える。このほか超音波診断装置の新技術としては,“Volume Navigation”用の新開発のプローブ「C1-6VN」が披露された。Liverコーナーに展示された「LOGIQ E9 with XDclear」に装着されたC1-6VNは,センサー用のケーブルをプローブ用のケーブルを1本にまとめたことで操作性が向上し,手技を支援する。
このほか,ヘルスケアITコーナーでは,“進化”“連携”“標準化”をコンセプトに展示。アプリケーションを強化した画像ビューワ「Centricity Universal Viewer」や,DICOM画像以外の診療情報も統合的に管理できる「Centricity Clinical Archive」,クラウドサービスの「医知の蔵2.0」のデモンストレーションやプレゼンテーションが行われた。
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