2015-4-9
3.0T MRI 「SIGNA Pioneer」
GEヘルスケア・ジャパン(株)は,日本開発の3.0T MRI 「SIGNA Pioneer」(シグナ パイオニア)を4月9日(木)より販売開始する。この製品は,GEヘルスケア・ジャパンのエンジニアが各国のニーズ,特に日本の顧客の声を取り入れ,グローバルの持つ総合技術力の上に,製品企画から開発にいたるすべてを日本チームが主導で行ったもの。国内の総合大型病院や地域中核病院などの高性能MRIを必要とし,かつ収益を重視する専門性の高い施設,また1.0Tや1.5Tからの買い替えを検討している施設を主要ターゲットとして販売される。この製品は,今後GEヘルスケア・ジャパン本社内にある日野工場で製造され,In Japan For Global製品として,国内のみならず世界に向けて販売する。
MRIに求められるニーズは,その国の医療環境によって異なる。日野の開発チームは,多くの客先を訪問することで広く意見やニーズを聞き,開発に生かす手法を取った。日本をはじめとするアジア圏でのMR検査では,特に高機能かつコンパクトな性能を持つ機種が求められる。一方,医療後進国などでは一日に50件以上の検査をするフル稼働の施設も少なくなく,いつでも安定して高画像を供給できる品質が求められている。また,スキャン時の静音,時間短縮など患者負担の軽減は世界共通の課題としてあげられる。「SIGNA Pioneer」は,GEヘルスケア・ジャパンが30年以上にわたって蓄積された豊富な技術を基礎に,世界各国,国内の顧客の声から得られたニーズを反映させ,従来機種からハード,ソフトともに一新し,検査効率向上,高画質と優れた設置性を実現した次世代型MRI。一回のスキャンで複数画像が得られる高性能の画像再構築技術MAGiC(MAGnetic resonance image Compilation)を臨床向け機器としては業界で初めて搭載し,検査効率の向上に寄与するとともに,MR検査時に音を発生させない*1 同社独自の技術SILENT SCAN(サイレント スキャン)を搭載するなど患者の負担軽減を図っている。また,設置面積が3.0Tとしては業界最小*2で,1.5T機器設置に必要となる面積とほぼ同等の30m2以下としたほか,業界最少のシステム必要電源容量で77kVAを実現する(通常は100kVA以上。同社製品比)など,病院経営者の収益面での要望にも応えたものとなった。
医療現場では,病院の差別化を可能とする高性能技術へのニーズが多くあり,既存の1.0Tや1.5Tから3.0Tへの買い替えを中心に,3.0Tの稼働台数が増加の傾向にある。これまでの3.0T MRIの導入においては,初期費用および運用コストの負担に加え,より広いスペースを確保するための工事など,大きな投資を余儀なくされていた。「SIGNA Pioneer」は,それらの課題を解消すべく,多くの新技術を搭載し,検査効率,高画質,設置性,そして患者快適性を実現し,今後の3.0T MRIの新たな基準となる次世代MR装置となる。
●「SIGNA Pioneer」製品特長
高い生産性・撮像能力・高齢者や小児患者の快適性
- 頭部ルーチン検査では,読影に求められるT1強調画像,T2強調画像などの各コントラスト画像に対して,その都度,撮像が行われている。SIGNA Pioneerでは,1回の撮像を行うことで,T1強調画像やT2強調画像を含む,6つの異なるコントラスト画像を取得できる「MAGiC」を業界初搭載。これにより,検査時間短縮による検査効率の向上,検査枠の増加等,今後のMR検査を変えていくことが期待される。画像は,一回の撮影で6つのコントラスト画像を取得でき,撮影時間も3分の1の約5分になることを示す。
- 頭部に加え脊椎,整形領域においても静かな環境で検査を実現する「SILENT SCAN」
- 頭部の3次元動き補正技術「3D PROMO」,全身領域に対応可能な高度な動き補正技術「PROPELLER3.0」を搭載
- 息止め下での腹部のダイナミック検査でのより高速,高分解能化を実現した「DISCO」,撮像タイミングのずれ等のリスクを最小限に
- 自由呼吸での撮影を可能とする横隔膜同期「Body Navigator」により,高齢者など息止めの検査が難しい患者にも対応しやすく,かつ患者負担も軽減
- MRコンディショナルなインプラントによるアーチファクト(ノイズ)を低減する「MAVRIC SL」
- 「TDI/Total Digital Imaging」デジタル信号の光ファイバーによる伝送方式を用いたOptix(オプティックス)をさらに進化させて,MR本体側レシーバーチャンネル(AD変換機)を97ch備え,1ch毎にデジタル変換を実現して,更なる高画質の描出を可能に
- 「DST/Digital Surround Technology」内臓BodyコイルとSurfaceコイルの2つのコイルの同時受信が可能になり,SNRの高さに加え,体幹部の深さ方向への信号強度の均一性が向上
- 「ワイドボア」マグネット開口部のエントランス部分(ボア)を広く開放的にすることで,検査時の閉塞感を軽減
- 「低くて広い患者テーブル」(最低テーブル高52cm,テーブル内クレードル幅56cm)により,高齢者や小児患者を始めとしたすべての患者に,より快適な検査環境を提供
省電力・経済性
- 設置面積が30m2以下と,3.0T市場で業界最小*2(同社調べ)。
- 本体システム設置に必要な電源容量が77kVAと,3.0T市場で業界最小*2(同社調べ)。通常は100kVA以上(同社製品比較)
- 稼働していない時,システムに不必要な通電を避け電力消費を抑える事が可能
*1 検査環境音+3db以下
*2 2015年3月現在。各社製品設置計画書に基づく比較
●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)コミュニケーション本部
ブランチャード/松井
TEL 0120-202-021
www.gehealthcare.co.jp