2015-4-27
千代田テクノルブース
「放射線の安全利用技術を基礎に人と地球の安心を創造する」という理念を掲げ,半世紀以上にわたって放射線関連の製品を市場に提供してきた千代田テクノル。医療現場における放射線の安全利用に貢献してきた同社は,今回のITEMにおいても,Standard Imaging社の総代理店として精度管理ソフトウエアやファントム,線量計などのQA・QC製品を中心に紹介した。また,DOSIsoft社の照射線量モニタリングソフトウエア「EPIgray」のデモンストレーションを行ったほか,Mevion Medical Systems社の陽子線治療システム「MEVION S250 Proton Therapy System(以下,MEVION S250)」(医薬品医療機器等法未承認品)を参考出品した。
これ以外にも,前立腺がん密封小線源治療計画装置やガラスバッジによる個人線量測定サービス,アイソトープ事業のPRを行った。(4月18日取材)
●EPIDやマルチリーフコリメータなどリニアックの精度管理を行う「PIPSpro」
PIPSproは,AAPM(American Association of Physicists in Medicine)のガイドラインであるTG-142「医療用加速器の品質保証」に対応したリニアックの品質管理用のシステムである。EPIDで撮影したQC-3ファントム,QCkV-1ファントムの画像から自動的にR-MTF(相対的変調伝達数),空間分解能,CNRを定量的に評価。FC-2ファントム画像から光照射野と放射線照射野の移動量などを自動解析する。また,マルチリーフコリメータ用のファントムを使い定量評価が可能なほか,CBCTが可能なリニアックでは,CATPHANファントム画像から空間分解能などを定量評価できる。オプションのWinston-Lutzテストファントムを用いてガントリの回転精度や外部レーザーとアイソセンターの位置の精度も評価することが可能である。
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●“3-ソースモデル”により治療計画におけるMU値を検証できる「IMSure QA」
IMSure QAは,治療計画の二次計算を自動化し,スピーディに検証できるソフトウエア。「Varian Enhanced Dynamic Wedge」「Elekta Motorized Wedge」「Siemens Virtual Wedge」をサポートする。また,スタンフォード大学が特許を有する3-ソースモデルで,小照射野の高勾配領域,低線量領域を正確にモデル化。「RapidArc」などVMATの治療計画を検証できる。DICOM RTに対応しており,TPSフルエンスマップ,MLCリーフ情報をRISなどに取得する。また,二次検証の結果はCSV形式に出力できるなど,利便性の高いシステムとなっている。
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●リニアックの日々のQAを容易に行える「QA BeamChecker PLUS」
リニアックでの放射線治療において日々のQA業務を容易に行えるのがQA BeamChecker PLUSである。平行平板型イオンチェンバを内蔵した測定装置(REF90501-W)をアイソセンターにセットして照射を行い測定する。測定したデータはクレードルにセットすると自動的にPCに取り込まれ,専用ソフトウエアで結果を確認する。Bluetooth通信でのデータの取り込みも可能である。「TomoTherapy」などの回転照射を行う治療装置にも使用できる。
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●定位放射線治療用「LUCY 3D QAファントム」やIGRT用「MIMIファントム」を紹介
LUCY 3D QAファントムは,定位放射線治療のQAを行うためのファントム。CTやMRIの専用インサートを用いて,三次元空間上の20ポイントにおけるスライス位置を測定でき,フュージョンの精度を検証する。また,イオンチェンバ,フィルム,ダイオード検出器,MOSFET検出器,TLDなどのから絶対線量,相対線量,ポイント線量を測定する。オプションのフレームインターフェイスを使用することで,正確な座標系の設置が可能である。
MIMIファントムは,IGRTにおける位置決め用システムとリニアックのアイソセンターが一致しているか,その精度を管理するためのもの。5本の骨等価ロッドを内部に配置しており,そのロッドの画像を基に2D/2D,3D/3Dマッチングで精度の検証を行う。
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●新製品として水等価素材の「Exradin W1シンチレータ」を用いた放射線治療用線量計を披露
放射線治療用線量計では,チェンバーの新製品としてExradin W1シンチレータを披露した。Exradin W1シンチレータは,水等価素材を採用しており,補正が不要なため,線量測定が容易になる。ミリ単位の高い精度が求められる小照射野の線量測定や,IMRTなどでの多方向からの照射におけるポイント線量測定において威力を発揮する。さらに,電位計「SuperMAX」との組み合わせることで,チェレンコフ効果の自動補正を行う。
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●in vivoでの照射線量のモニタリングを行える「EPIgray」
EPID画像から体内の放射線線量を測定できるEPIgrayのデモンストレーションも行われた。EPIgrayは,Webベースで動作する「InVivo Manager」との組み合わせて使用する。まず,治療計画のデータをEPIgrayに書き出し,その後治療を行った際のEPID画像をEPIgrayに転送して,自動解析を行う。さらに,InVivo Managerにおいて,治療計画とEPID画像の線量誤差が大きい場合は,アラートで知らせる。これにより,QA業務を効率化し,業務負担を軽減する。
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●省スペース,低ランニングコストで導入しやすい陽子線治療システム「MEVION S250」
参考出品されたMEVION S250は,加速器の小型化などにより,従来の陽子線治療システムよりも建物の面積を大幅に省スペース化できる。施設がコンパクトになるため,イニシャルコストを低く抑えることが可能。加速器には,超電導電磁石を用いており,電力消費が低減され,ランニングコストも低く抑えられる。治療室が,リニアックの治療室に近い設計となっているのも特長である。米国では,セントルイス州にあるワシントン大学付属のバーンズ・ジューイッシュ病院で稼働している。
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●お問い合わせ先
株式会社千代田テクノル 営業統括本部
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