2013-4-22
サイバネットシステムブース
サイバネットシステムは,可視化技術を生かして専門領域に特化したさまざまな医用画像処理ソフトウエアを提供しているが,今回の展示では,肺気腫計測ソフト「LungVision2」の新機能を中心に呼吸器領域をサポートするソフトウエアを紹介した。LungVision2では,これまでレポート形式で提供されていた計測結果を数値(CSV)やサムネイルで出力できる“計測結果出力機能の強化”,肺気腫領域の測定と同時にあわせて“気管支体積情報”の出力,シンスライスのCT検査が難しい健診センターなど低線量で撮影された画像を計測する際にLAA判定基準をユーザーが変更できる機能などが追加された。また,同社が開発を担当しオリンパスメディカルシステムズが販売する,仮想気管支鏡画像で気管支鏡検査をサポートする「Bf-NAVI」を展示した。そのほか,自動処理に対応した内臓脂肪面積計測ソフト「SlimVision5」などを紹介した。(4月13日取材)
●LungVisionの新バージョン2.1の機能強化を中心に紹介
LungVisionは,増加しているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)について,CT画像の低吸収領域(Low Attenuation Area:LAA)の面積や肺に占める割合などで評価するソフトウエアで,呼吸器科や健診センター,禁煙外来などで利用されている。LungVisionの開発では,領域抽出などの技術で名古屋大学の協力を得て,医学的な評価では日赤長崎原爆諫早病院の福島喜代康氏の監修を受けている。
今回のITEMでは,新バージョンとなるVer.2.1をブースで紹介した。Ver.2.1で機能強化されたのは,1)計測結果出力,2)気管支体積情報出力,3)ノイズ対策の3点。
1)計測結果出力:これまで肺気腫計測の結果はレポート形式で紙やPDFで提供されていたが,電子カルテへの入力や他の検査データとの統合管理が必要となってきたため,レポートの中の計測結果を数値データ(CSV)で,キー画像をサムネイルで出力できる機能を強化した。レポート作成後,必要な情報のみ患者ごとにワンボタンで出力できる。
2)気管支体積情報出力:LungVisionでは,従来からLAAの抽出時に気道や気管支領域の抽出を同時に行っていたが,データとしては提供していなかった。今回のバージョンより,肺気腫領域の測定と同時に気道,気管支の体積および結果画像が表示できるようになった。従来のCT肺気腫レポートへの追加記載はもちろん,気管支計測用の専用レポート出力が追加された。
3)ノイズ対策:呼吸器科などにおける肺気腫計測のCT撮影では,低吸収領域の過小評価を防ぐ意味から1mm間隔のシンスライスを奨励していたが,被ばくなどの点からシンスライスの撮影が難しい健診センターや禁煙外来など低線量撮影による画像の不鮮明化に柔軟に対応できるように,LAA判定基準をユーザーが変更できるようにした。スライスの厚いデータや息止め不十分などでノイズの影響が大きい画像の場合に,LAAの判定値を変更し再計算を行うことで適切な判定を可能にする。
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●メタボリック検診用ツール内臓脂肪面積計測ソフト「SlimVision5」
内臓脂肪面積計測ソフト「SlimVision5」は,腹部のCT画像から内臓脂肪/皮下脂肪面積を簡単に計測し,ワンクリックでレポート作成が可能なメタボリック検診に最適な計測,レポート作成ソフトウエア。過去検査との比較や内臓脂肪,皮下脂肪の色分けなどが可能になっている。
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●気管支鏡検査をサポートする仮想気管支鏡ソフトウエア「Bf-NAVI」
また,呼吸器科向けのソフトウエアとしてCTデータから仮想気管支鏡画像を作成し,気管支鏡検査での目的部位までのルート案内,分岐情報などを表示して事前シミュレーションやナビゲーションに利用できる仮想気管支鏡ソフトウエア「Bf-NAVI(ビーエフ・ナビ)」を紹介した。Bf-NAVIは,サイバネットが開発・製造を行い,販売はオリンパスメディカルシステムズが担当する。気道の始点と目的地を設定するだけでルートを自動的に選択し,分岐では実際の内視鏡画像の向きに合わせた画像の回転なども行える。経験の浅い医師の手技をサポートすると同時に,熟練の医師にとってもルートが確認できることで,より安全で確実な手技が行えいるように支援できる。
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お問い合わせ先:
サイバネットシステム株式会社
東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフトビル
ビジュアリゼーション部 営業2グループ
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FAX 03-5297-3637
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