フラットディテクタを搭載した外科用移動式CアームX線撮影装置「Veradius(ベラディウス)」(日本でも2010年5月より販売)を展示した。フラットディテクタには,27cm×27cm(12インチ相当)のパネルを採用し,いろいろな診療科で使えるように汎用性を意識したデザインになっている。フラットディテクタによって,広いダイミックレンジと高コントラストの画像を提供し,I.I.に比べてひずみや線量の低減を実現している。表示モニタは,18インチカラー液晶モニタを採用し,BVシリーズから引き続き,上下動や回転移動がスムーズにできる使いやすい設計になっている。
血管撮影装置は,全身のインターベンションに対応する汎用性の高いAllura Xper FD20を展示。FD20では,56インチの大型マルチモニタ「FlexVision」を搭載している。FlexVisionは,複数の入力信号を扱うことができ,信号の変更やレイアウトのカスタマイズ,拡大,縮小が簡単に行える。モニタは,FD20に統合されており,ベッドサイドのXperモジュール(操作卓)から,術中に画像の変更やレイアウト,入力ソースの変更などが操作できる。また,本体内にバックアップの電源系を内蔵し,一部が壊れても残った部分で表示が継続して可能な設計になっている。ケーブルを太くしてノイズの影響を減らし,画像の劣化を防ぐほか,拡大表示では間隙補間,辺縁処理などの画像処理をして,最適な画像が表示できる機能を搭載するなど,インターベンションに特化したモニタになっている。
FD20は,超音波診断装置とのインテグレーションも可能で,Xperモジュールからの超音波画像のコントロールを可能にする(日本国内薬事未承認)。また,インターベンションと手術を連携して行うハイブリッドORへの対応としては,テーブルをオペ専用テーブルに変更可能で,マッケ社のテーブルとシステムをインテグレーションしている。日本では,国立循環器病研究センターでの稼働を予定している。アプリケーションとしては,3D-RA,XperCT,3Dロードマップ,MR,CTの画像を利用したナビゲーション機能を紹介していた。新しい機能としては,XperCTの進化形として,脳神経外科領域での血管狭窄に対するステント留置術のフォローなどに使われる,静脈造影画像のCTライク画像であるVasoCTを搭載した。
マンモグラフィは「MammoDiagnost DR」を出展した。直接変換方式のフラットディテクタを搭載したデジタルマンモグラフィ装置で,87μmのピクセルサイズで,撮影後6秒で画像が表示される。表示方法の選択など,使い勝手の向上を図っているのが特長だ。フィリップスでは,ウィメンズヘルスケア(WHC)として,女性医療に対してトータルのソリューションを提供するアプローチで,マンモグラフィのラインナップを加えることで,MRI,超音波とあわせてWHCに対するソリューションをトータルに提供していくという。MammoDiagnostDRは,日本では2011年1月から本格販売を予定している。
直接変換方式フラットディテクタ搭載の「MammoDiagnost DR」
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