Ultrasonic Week 2014×超音波Week2014
超音波関連の13学会・研究会が一堂に会し「未来への共振」をテーマに同時開催
2014-5-21
超音波関連の13学会・研究会が同時開催
超音波関連の学会・研究会が同時開催される「Ultrasonic Week 2014×超音波Week2014」が,2014年5月9日(金)〜11日(日)の3日間,パシフィコ横浜で行われた。テーマは「未来への共振」。日本超音波医学会第87回学術集会を中心にして5つの学会・研究会が同時開催され,8つの学会・研究会が共同企画として参画した。同時開催の学会・研究会は次の通り。
- 日本超音波医学会第87回学術集会(会長:公立昭和病院・貴田岡正史)
- 第32回日本乳腺甲状腺超音波医学会学術集会(会長:昭和大学病院・中村清吾)
- 第6回アジア造影超音波会議(ACUCI 2014,会長:東京医科大学・森安史典)
- 腹部エコー研究会(会長:社会保険中央総合病院・万代恭嗣)
- 第3回日本甲状腺Intervention研究会(会長:昭和大学横浜市北部病院・福成信博)
また,共同企画を行った学会・研究会は,日本心エコー図学会,日本母体胎児医学会,日本消化器がん検診学会,日本超音波検査学会,日本脳神経超音波学会,日本消化器内視鏡学会附置研究会超音波内視鏡下治療研究会,光超音波画像研究会,基礎技術研究会。
初日には,貴田岡会長,中村会長,森安会長が出席して開会式が行われた。貴田岡会長は,挨拶の中で「超音波Week2014において専門分化した学会や研究会が改めて一堂に会することで,学会・研究会の枠を越えて超音波医学のさらなる発展につながる機会となることを期待する」と述べた。
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併設の展示会は,「Ultrasonic Week 2014国際展示会・企業展示会」として,パシフィコ横浜展示ホールA+Bで36社が出展して行われた。Point of Care(POC)に対応するコンパクトタイプから,エラストグラフィや造影超音波まで対応する最新のハイエンド装置まで各社の最新のラインナップがそろった。また,展示ホールには,ハンズオンセッション会場やポスター展示,オープンシアターが設けられたほか,福島県で甲状腺検査に使用されている超音波健診車も展示された。
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■機器展示(順不同)
東芝メディカルシステムズ
/ 日立アロカメディカル
/ シーメンス・ジャパン
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フィリップスエレクトロニクスジャパン
/ GEヘルスケア・ジャパン
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富士フイルムメディカル
/ コニカミノルタヘルスケア
/ サムスン電子ジャパン
●東芝メディカルシステムズ
東芝メディカルシステムズのブースでは,2014年1月に発表されたばかりの新しいアプリケーションである“Superb Micro-vascular Imaging(SMI)”を全面的に押し出してPRを行った。SMIは,低流速の血液を非造影でも描出することを可能にしたもので,「Aplio 500/400/300」に搭載される。血流描出の妨げとなるモーションアーチファクトを取り除き,従来は困難だった低速の血流情報も得られるようにした。これにより,造影剤が不適応の被検者であっても,低速も含めた血流が画像化でき,がんや関節リウマチの早期診断に貢献する。すでにAplioシリーズを導入している施設も,アップグレードが可能だ。また,Aplioシリーズでは,循環器領域に特化した「Aplio 400 CV」を展示した。
装置関連では,昨年の日本超音波医学会第86回学術集会前に発表された「Xario 200」と,11月に発表された「Xario 100」も展示された。Xario 200は従来のXarioより大幅にコンパクト,軽量化を図った装置。本体は占有面積が約84%,重量が約55%になった。19インチ型モニタを採用したほか,操作パネルの左右動,上下70cmの昇降を可能にするなど,優れた操作性を実現している。また,消費電力も従来機種の約半分に抑えられている。
このほか,表在,腹部,血管,循環器など,あらゆる領域に対応した新型ゼリー「SONO JELLY」も出品した。たれ落ちにくく,乾きにくい上に,伸ばしやすくて拭き取りやすいという特長を有している。
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●日立アロカメディカル
2014年1月に発表された新ブランド「ARIETTA」の2機種,「ARIETTA 70」と「ARIETTA 60」を中心に,領域ごとにコーナーを設けて有用性を紹介した。ARIETTAは,日立メディコの「HI VISION」シリーズと旧アロカの「ProSound」シリーズの技術を融合した,新しいブランド。その第一弾となるARIETTA 70は,高感度,高分解能の画像を得られる“Multi-Layer Crystal Technology”を搭載。さらに,ノイズを抑える新開発のコネクタの採用や高速,高度な処理が可能なデジタル信号処理回路により,豊富なアプリケーションを高画質で描出する。
CT,MRIデータとのフュージョン機能である“Real-time Virtual Sonography(RVS)”やエラストグラフィ機能である“Real-time Tissue Elastography(RTE)”も可能である。操作性にも優れており,高コントラストのIPS-Proモニタを搭載。さらにモニタや操作パネルの可動範囲を広くしている。
下位機種となるARIETTA 60も操作性の良さが特長である。ARIETTA 70よりも小型,軽量の筐体を採用したほか,車輪の大径化により可搬性に優れた装置となっている。
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●シーメンス・ジャパン
シーメンス・ジャパンは,4月から販売を開始したケーブルレスの超音波診断装置「ACUSON Freestyle」が,超音波医学会の関係者に初めてお披露目され来場者の注目を集めた。
ACUSON Freestyleは,独自の高速無線通信規格(ウルトラワイドバンドテクノロジー)によって本体とプローブ間をケーブルレス化したことが最大の特長である。これによって,制約のない“Freestyle”な検査が可能になり,ベッドサイドでのPOC領域や手術室や救急現場などでの超音波検査をサポートする。ケーブルレスのプローブは,バッテリーで90分使うことができ,重さは190g,Bluetoothによってフリーズやモードの切り替えなどの操作が可能になっている。本体も60分のバッテリー駆動,重さ約4.8kgと携帯性を重視したスペックを備えている。
また,プラットフォームを一新した同社のハイエンド超音波診断装置「ACUSON S Family HELX Evolution」も紹介された。HELX Evolutionでは液晶モニタの大型化(21.5インチ)をはじめ画像処理系のエンジンをスケールアップし,画質が向上されている。
シーメンスの組織弾性手法である“Virtual Touch Technology”は,用手法からARFIによるshear waveまで多くの方式をカバーするが,同社の装置を使用した今学会での発表演題の一覧をブース前に掲示し,さまざまな領域で多くの発表が行われていることをアピールした。
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●フィリップスエレクトロニクスジャパン
フィリップスエレクトロニクスジャパンは,新たに腹部系のアプリケーションを搭載した新モデルの「EPIQ 7G」が追加された,最上位機種のプレミアム超音波診断装置である「EPIQシリーズ」を展示のメインに据えてブースを構成した。ブースでは,EPIQ 7Gの登場に合わせてバージョン1.2となった最新のソフトウエアについて,多くの実機での説明と,模擬患者を使った“ライブデモンストレーション”を行って来場者にアピールした。EPIQは,新たに開発したビームフォーミング技術であるnSIGHT(エンサイト)テクノロジーによって時間分解能,空間分解能と組織透過率を両立させ高画質を実現しているほか,デザインや静粛性の高さなどを使用環境に改善する機能を搭載する。EPIQ 7Gでは,組織の硬さを計測するShear Wave Elastographyである“ElastPQ”,CT,MRIなどの画像とフュージョンして,穿刺などの手技をサポートする“PercuNav”が搭載された。また,ライブデモでは,新しい小型高周波プローブの“C9-2”による高画質によって肝臓疾患の造影超音波やエラストグラフィに対応できることや,縦横に9212素子を配列したxMATRIXトランスデューサによる4Dイメージングが可能なことを紹介した。
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●GEヘルスケア・ジャパン
GEヘルスケア・ジャパンは,「LOGIQ」「Vivid」「Voluson」などのブランドを中心に,新技術を来場者にアピールしたほか,新製品の「Venue 50」と「LOGIQ e Premium」を展示した。
Venue 50は,国内では初めてとなるフルタッチパネルの超音波診断装置。直感的で容易な操作を可能にしている。また,操作や検査手技を学習できる“eSmart Trainer - Japan Edition”を搭載している。モニタ上に国内の医師が監修した操作方法の説明などが表示され,確実で精度の高い走査を支援する。同時にプローブを3種類接続でき,整形外科,麻酔科,救急などの領域で,フレキシブルに検査を行うことが可能である。
LOGIQ e Premiumは,スキャン操作で行う25の機能を,本体ではなくプローブ側で行う“ボタンプローブ”を採用。プローブ操作に集中して手技を進められる優れた操作性を持つ。また,上位機種の「LOGIQ E9」の画像処理技術を搭載し,豊富なプローブにより表在,腹部,循環器領域などで高画質を実現している。
また,LOGIQ E9に搭載されている単結晶を採用した技術“XDclear”を採用したラインナップを拡充した。日本国内で開発されたXDclearプローブは,新たに「Vivid E9」に対応した「M5Sc」が登場。循環器領域において高画質画像を描出する。ブースでは,Vivid E9と組み合わせて,超音波診断装置用のワークステーションである「Echo PAC PC」のアプリケーションも紹介された。
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●富士フイルムメディカル
富士フイルムメディカルは,Sonosite社(富士フイルムソノサイトジャパンとして子会社化)と初めて共同開発した携帯型超音波診断装置「FUJIFILM FC1」を出展。ブースは,ほぼFC1のみで構成され,富士フイルム80周年記念製品でもある「FUJIFILM FC1」を大きくアピールした。FUJIFILM FC1は,富士フイルムの画像処理技術とSonosite社の携帯型超音波装置開発のノウハウを生かして,医療現場での使用に求められる堅牢性と音速補正技術などによる高画質を実現している。富士フイルムが開発した超並列MPUによって超音波データの高速処理を可能にし,超音波画像のスペックルノイズの低減など高画質でクリアな画像描出を可能にする。また,本体は汚れが入り込みにくい一体成形としているほか,プローブについても耐久性で定評のあるSonosite社の堅牢設計を採用している。特に,コンベックスプローブのC60は,両社の共同開発によって堅牢性を保ったまま,日本のニーズに合わせて従来より小型化された。
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●コニカミノルタヘルスケア
2014年1月にパナソニックヘルスケアから超音波診断装置事業を譲渡された。これにより,今後同事業の強化を図っていくことになるが,最初に発表されたのが,「SONIMAGE HS1」である。コニカミノルタがX線撮影装置などで培ってきた画像処理技術とパナソニックヘルスケアの超音波イメージング技術を融合したSONIMAGE HS1は,高感度と広帯域を両立した新開発のプローブを採用。“広帯域ハーモニックイメージング”技術により,多くの信号を画像化する。また,X線撮影の画像処理技術を応用したことで,高い分解能による高精細な画像を提供する。
操作性の良さも特長としており,操作パネルのキーは8につに絞り,そのほかの操作はタッチパネル式のモニタ上で直感的に行える。操作パネルの各キーやタッチパネルのカスタマイズも可能である。
さらに,手のひらサイズのモバイル超音波診断装置「SONIMAGE P3」も展示された。ディスプレイユニットは,11.5cm(H)×6.8cm(W)で,重量は392g。Bモードに加え,MモードやPWモードが可能である。価格も70万円(税別)と,低コストでの導入が可能である。
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●サムスン電子ジャパン
サムスン電子は,新たにラインナップに追加された,最上位機種の産婦人科向け超音波診断装置「UGEO WS80A」,ラップトップ型のコンパクトなサイズに高画質エンジンを搭載してハイブリッドな検査を可能にする「UGEO HM70A」,全面タッチパネルを採用しタブレットサイズの「UGEO PT60A」を中心に展示した。UGEO WS80Aは,ハイブリッドビームフォーミングエンジンによる深部までの鮮明な描出,スペックルノイズを軽減しコントラスト分解能を向上するSDMRなどのイメージプロセシング技術による高画質化を実現。ボリュームデータによる胎児長骨の自動検出と計測が可能な“5D LB”,胎児心筋機能の指標であるMPIの自動計測機能など豊富なアプリケーションを搭載する。また,Android用アプリ“Hello Mom”によって,スマートフォンなどの携帯端末に胎児の画像や動画をダウンロードすることも可能だ。UGEO HM70Aは,15.1インチのカラーLCDモニタを搭載し重さ6.1kgのラップトップ型の超音波装置。コンパクトながらハイブリッドビームフォーミングエンジンやSDMRなど高画質を提供する技術を搭載し,一連の操作を自動化しワンボタンでの検査を可能にする“EZ-Exam”やパラメータを自動的に最適化する“Quick Scan”などで効率的な検査を支援する。
UGEO PT60Aは,10.1インチのカラーフルタッチスクリーンを搭載した携帯型超音波装置で,重さは3.6kgで,直感的な操作と自動計測機能などで,ベッドサイドのPOCなどで威力を発揮する。
いずれの機種も耐久性に優れたSSDを搭載して,高速起動を可能にしているのが特長だ。
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